ギター初心者におくる、ギター・エフェクターの基礎知識100連発! 意外と知らない、今さら聞けない、そんな時のペダル辞典としてもご活用あれ!
文=今西勇仁(Limetone Audio)
第16回:ハーモナイザーってどんなエフェクター?
ハーモナイザー系のエフェクターは、その名のとおりハーモニーを生み出してくれるものです。要するに自動でハモってくれるという画期的な機能で、マルチ・エフェクターの中にもほぼ入っています!
ボーカルなどで3度上や5度上のフレーズを加えて音に厚みを出したり、豪華に聴こえるようにするというアレンジがあります。これと同様の考え方でギター・ソロでもギタリスト2人でフレーズをハモったりしますよね。ロック・バンドなどで見かけることが多いですが、めちゃくちゃかっこいいです。
ハーモナイザーは、そのハーモニーをエフェクターで作ってしまうというもので、まずはエフェクターのパラメーターで曲のキーを設定します。ハ長調であればC。イ短調であればAm。ここの設定が違っていると音痴なハーモニー(曲で使用する音階からはずれたハーモニー)が生成されてしまうので、注意が必要です。あとは、主旋律(演奏するフレーズ)に対して何度上、何度下の音を追加するかを設定します。製品によっては3度と5度等の2声を追加して、合計3声を生成してくれるものもあります。
注意点としては、それらのハーモニーは主旋律の分身……というかコピーであるという点です。通常、ギタリスト2人でハモった場合は、それぞれの楽器の音の違いや微妙なタイミングのずれなど、別々の音がハーモニーを形成することにより力強さが生まれます。しかしハーモナイザー系のエフェクターの場合、まったく同じフレーズが複数の音階で出る形になるため、どうしても機械的な感じになってしまいます。とはいえ、使えるシーンは多々あると思いますので、ここぞという場面でオンにしてみて下さい。
接続順は楽器と歪みセクションの間が一般的です。

著者プロフィール
今西勇仁(いまにし・ゆうじん)
ギタリスト/サウンド・エンジニア。エフェクター・ブランド、Limetone Audioのサウンド・デザイナー。 “サンレコ・ミックス・ダウン・コンテスト2006”に入賞し、その後多くのミュージシャンの楽曲のミックスを手がける。また、自身もギタリストとして、アーティストのサポート活動や、レコーディングに参加。並行してプロミュージシャン向けの機材の開発、モディファイを行なう。 2017年に開催された、“第4回エフェクタービルダーズ・コンテスト”(主催:TOKYO EFFECTOR)での優勝を機にLimetone Audioを設立。プレイヤー目線での商品開発、設計を行ない、現在多くのプロの現場で使用されている。各種製品は全国の楽器店で販売中。 2020年よりYouTubeチャンネルをスタート。メーカーの枠にとらわれずに、エフェクターや機材の楽しみ方を皆さまにお伝えします。
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