Interview | 古市コータロー(THE COLLECTORS)コロナ禍で改めて音楽と向き合った24枚目 Interview | 古市コータロー(THE COLLECTORS)コロナ禍で改めて音楽と向き合った24枚目

Interview | 古市コータロー(THE COLLECTORS)
コロナ禍で改めて音楽と向き合った24枚目

“えぐりこむようにして打つべし”ってあるでしょ?
そういう感じでグッと弾くの。

今作はフランジャーやコーラスやディレイなど、けっこうエフェクティブなサウンドを使っています。

 そういうやつは全部かけ録りした。例えば「人間は想い出で出来ている」の途中でコーラスがかかってるんだけど、あれもオレがLine 6のPODでエグく作ったもので。そこはオレらは“ポリス”って呼んでたんだけど(笑)。

アンディ・サマーズですね(笑)。それとギター・ソロの音色もファジーというか、60〜70年代っぽいサウンドで。

 ソロは全部PODとES-335だね。ダビングするスタジオは小さいんですよ。もちろんアンプを鳴らすこともできたんだけど、PODで調整していくほうがハマりが良い音ができた。実際に何の過不足もないわけ。“オレは今アンプを鳴らしてるんだ!”っていう満足感はいらないし、仕上がりが良いのが一番だからね。アンプで良い音を作ったほうが仕事した気になるじゃん? でも、そんなことでもないなと思う。特に今回はコロナでレコーディングの時間も限られてたし。

ベーシックで使用したギターは?

 ほとんどES-335で、1曲だけリッケンバッカー。ダビングに関しては、ソロ以外はXoticのTLタイプが多かったかな。あ、マーシャルのLead & Bass Combo 50で録ったバッキングにも少しラインの音が入ってるかも。吉田仁さんは必ずラインも録ってるから、曲によっては足してるかもしれないな。

レコーディングで使用したアンプはマーシャルのLead & Bass Combo 50とのことですが、個人的にはコータローさんのVOX AC30の音も大好きで。数年前まではAC30/6TBをメインで使っていましたよね。

 そうそう。オレのVOXは96年に新品で買って、2015年まではそれ1台だけだったね。インプットはBRILLIANTに挿して、VOLUMEツマミは9〜10時くらい。それとTREBLEツマミが2時半だとしたら、BASSツマミは1時半にするっていう決まりがあるの(笑)。

Lead & BassのVOLUMEツマミもほんの少ししか上げていませんし、どちらのアンプもそこまで歪ませてないんですね。

 クランチまでだね。『あしたのジョー』の名言で、“えぐりこむようにして打つべし”ってあるでしょ? そういう感じでグッと弾くの。

やっぱり右手が大事だと!

 そう。これがもう自分のスタイルというか音だと思ってるから。だから生意気言わしてもらえば、どんなアンプでも“えぐりこむ”ように弾くと、似たようなところまではいけるよ。やっぱり右手だよね。

ピッキングは強いほうですか?

 うん。でも、激弱もするよ。1曲の中で“いつギターのボリューム下げたの?”っていうところまで平気でやるし。あとはピッキングする場所を指板の5フレットくらいの上とかにしたりね。もちろんギターのコントロールも使う。それがギターの一番楽しいところだよね。何でもかんでも足(エフェクター)でやっちゃったらおもしろくないよ。電池がなくなったら演奏できないわけじゃん。

そのとおりだと思います。それとレコーディングの時も、ソロはいつもアドリブなんですよね?

 今回もアドリブではあるんだけど、「夢見る回転木馬」だけは自分なりのイメージがあったんだよね。THE COLLECTORSを30年以上やってて、初めてiPhoneのボイスメモを置いて、Macからリズムを流して、何テイクかフレーズを弾いて構築したんだよ。いつも頭で“こんな入り口があればあとはアドリブのほうが良い”って思うタイプだから、こういうのは初めてだった。

どうしたらコータローさんのように、アドリブで歌うようなソロを弾けるようになるのでしょう?

 どうなんだろうね? それはオレにもわからないよ。でも、ギターって歌う楽器だと思ってるから。特にソロはね。そういうことを常に意識していれば、自然とそうなっていくんじゃない? いろんな曲のソロをコピーしまくればいいってことでもないと思うよ。極端な話、フレーズなんて5個か6個あればいいと思うんだよね。そのフレーズのポジションを変えたり、間合いを変えたりして、組み合わせていく。オレだって5〜6個しか持ってないよ!

では、今作の聴きどころを教えて下さい。

 自分もギタリストだから、気がつくとギターばっかり聴いちゃってるんだけど、まずは歌を聴いて下さい。そして、その時に鳴っているギターに注意して聴いていただいて、それに痺れてくれたら一番うれしい。オレはあくまでも“歌もののバンドのギタリスト”っていう立ち位置なんで。

最後に、来年はTHE COLLECTORSが結成35周年を迎えますが、どのような年になりそうですか?

 コロナ次第なところがあるけど、来年のツアーが予定通りできたとしたら、新しいアルバム制作に入って、それをリリースするつもりです。35周年なんでね。あと最初の話に戻るけど、今回コロナで音楽と向き合えたのは、やっぱり良かったんだろうな。音楽がもっと好きになりました。

作品データ

『別世界旅行〜A Trip in Any Other World〜』THE COLLECTORS

コロムビア/COCP-41339/2020年11月18日リリース

―Track List―

01.お願いマーシー
02.全部やれ!
03.ダ・ヴィンチ オペラ
04.人間は想い出で出来ている
05.さよならソーロング
06.夢見る回転木馬
07.オートバイ
08.香港の雨傘
09.旅立ちの讃歌
10.チェンジ

―Guitarists―

加藤ひさし、古市コータロー、真島昌利