Interview | イノクチタカヒロ&狩野省吾(hotspring) 現体制で初となる直球ロック・アルバム『YEARS』 Interview | イノクチタカヒロ&狩野省吾(hotspring) 現体制で初となる直球ロック・アルバム『YEARS』

Interview | イノクチタカヒロ&狩野省吾(hotspring)
現体制で初となる直球ロック・アルバム『YEARS』

爆音の1959SLPでは出せないニュアンスが
JCM900では出せたんです。
──狩野省吾

ムスタングはレコーディングでも使いました?

イノクチ 使いました。でも、「ダニエルとメロディ」とか、何曲かは坪井さんのTLタイプで弾いています。そのギター、めちゃくちゃ音が良くてビビりましたね。

狩野 ピッチが合うようにしっかり調整されたTLタイプが大分のスタジオに置いてあったんですよ。オレもそのTLタイプを「Seventeen」、「Touch Me I’m Sick」、「ダニエルとメロディ」で使いました。

イノクチ アンプは何だっけ? ジョー・ストラマーも使ってたやつ。

狩野 イノクチが使ったのはMusic Manの112RD Sixty-Fiveでしょ? 昔のMusic Manはジョニサンもクラプトンも使ってたし、藤井さん兄弟もそうですよね。

藤井一彦さん(THE GROOVERS)もフジイケンジさん(The Birthday)もMusic Manを使ってましたね。狩野さんがレコーディングで使ったギターは、ギブソンUSAの58年リイシューのレス・ポール・スタンダード?

狩野 そうですね。95年製で、リア・ピックアップをベア・ナックルのThe Muleに交換しています。「BABY KILL LOVE」はグラムっぽくしたかったから、グレコ・ゼマイティスのGZ-2600 IFで。「45回転」もローをスッキリさせたかったからGZ-2600 IFかな。

狩野さんが使ったアンプは何ですか?

狩野 東京のレコーディングでは全曲マーシャル1959SLPを使いました。大分ではマーシャルJCM900とMusic Man 112RD Sixty-Fiveの2台。ウワモノはJCM900で弾いた曲が多かったんですけど、良い感じに今っぽくなって良かったなと。爆音の1959SLPでは出せないニュアンスがJCM900では出せたんですよ。Music ManはAkima & Neos製のブースターをかけてゴリッとさせて、「ダニエルとメロディ」で使いました。イノクチも同じセッティングで弾いています。

マーシャルを使う時はアンプの歪みで?

狩野 そうですね。あっ、「車輪の中」のソロはファズだから、それだけストラトを使ったんだった(笑)。あとはほぼアンプ直です。

ライブでもほぼアンプの歪みですよね。

狩野 1959SLPにマスター・ボリュームを付けて、レコーディングのサウンドを再現できるようになりましたからね。足下の歪みペダルもだいぶ減って、今はソロとかリフでのブースター用としてBOSSのBD-2とエレクトロ・ハーモニックスのRam’s Head Big Muff Piだけになったかな。

狩野さんはレコーディングのあとにギブソンカスタム製のレス・ポール・スタンダードを購入したみたいですが。

狩野 知り合いがギブソンカスタムのレス・ポール・スタンダードを貸してくれて、弾いてみたら“USA製とこんなにも違うんだ!”と感動したんです。それで、その2日後くらいに高校の同級生の“かっちゃん”が働いている御茶ノ水のFINEST GUITARSで買いました。

新しいバンド・サウンドが楽しみですね〜! それと今作には新曲「Seventeen」も収録されています。かなりファストな16ビートですね。

イノクチ 少し前に、ircleの河内(健悟)君から“インスタ・ライブに出てほしい”って言われたんですよ。それが17日だったから“セブンティーンの日”という意図があって。で、オレが高校生の時に作った「セブンティーン」っていう曲があるんですけど、“それを歌ってほしい”ってお願いされて(笑)。“本当にそれは嫌だから勘弁してくれ!”と断って、“代わりに「Seventeen」って曲を作るから!”ってできたのがコレです。

そうなんですね(笑)。「Seventeen」はセッションで作っていったんですか?

イノクチ そうですね。モチーフを持って行って、それをもとにみんなでアレンジしていく感じです。

狩野 この曲のギターは、最初に合わせた時からそんなに変わってない気がしますね。考えずにパッとできました。逆に「黒でいろ」と「青春の正体」はすごく考えていて、シリアスな曲はそういう傾向になるのかな。

では、『YEARS』の聴きどころを教えて下さい。

イノクチ 選曲は捻らずに考えたつもりです。シングルとして出せるような曲だけが入っているので、聴きどころは全部!

狩野 坪井さんにいろいろ教えてもらったり、コロナで動いてなかった時間もあったから、最近はすごくギターに向き合えていて。だから、今まで感覚でバーッとやっていたことを、ちゃんと道筋立ててできるようになったんですよ。自分としても、バンドとしても、このアルバムがひとつの節目になった感じかな。そういう作品なので、ファンの方だけじゃなくて、自分もずっと聴けるなって思います。ここから大人になるというかね。

最後に、今後hotspringはどういうバンドを目指していきますか?

イノクチ この前、弾き語りライブをした時に、会場のお店でドクター・フィールグッドがかかってて、“オレがやりたかったのはこういう音楽だった!”っていうのがピーンときて、感動しちゃったんですよ。だから、これからは自分の初期衝動みたいなものを、もう一回やってみます。

狩野 どう転んでもロック・バンドになるので、変わらず続けます。5月のリリース・ツアーを楽しみにしていて下さい。

イノクチ&狩野の愛用ギター!

INOKUCHI’s Guitar
1969〜70
Fender Mustang

イマイアキノブから借りているビンテージ

イノクチのメイン・ギターは、イマイアキノブから借りている69〜70年製のムスタング。手にする前は“ムスタングは扱いづらいギター”というイメージを持っていたそうだが、ライブやレコーディングで弾いていくうちに鳴らし方がわかってきたそう。ピックアップはミックスを選択し、ジャキジャキとしたコードを鳴らしている。特に改造はしていないそうだ。

KANOU’s Guitar
Gibson USA
1958 Les Paul Standard Reissue

レコーディングで活躍したUSA製

狩野が『YEARS』のレコーディングで使用したギターは、2018年に購入したギブソンUSAの95年製レス・ポール・スタンダード。リア・ピックアップをベア・ナックルのThe Muleに、ペグをグローバーに交換しているほか、配線材やコンデンサもビンテージのものに取り替えている。マイク・ブルームフィールドの影響でハニーバースト・カラーを選んだそうだ。

KANOU’s Guitar
Gibson Custom Historic Collection
1958 Les Paul Standard Reissue

新たなメイン・ギター

先日、御茶ノ水のFINEST GUITARSで購入したばかりのギブソンカスタム製レス・ポール・スタンダード。58年リイシューの2013年製だ。3月のライブから本器をメインで弾いている。狩野曰く“ネックが太いんですけど、これくらいが弾きやすいです(笑)。あとコレを買ったことによって、エレキ・ギターって繊細な楽器なんだと改めて気づきました”とのこと。

作品データ

『YEARS』
hotspring

BEDROOM RECORDS/BRCD-2050/2021年4月14日リリース

―Track List―

01.コールタール
02.夜の魚
03.ゴールド
04.45回転
05.Seventeen
06.Touch Me I’m Sick
07.車輪の中
08.ダニエルとメロディ
09.BABY KILL LOVE
10.2053
11.黒でいろ
12.青春の正体
13.いかすぜ今夜

―Guitarists―

イノクチタカヒロ、狩野省吾