Interview | ビートりょう(THE BOHEMIANS)【前編】魂の『essential fanfare』全曲解説 Part.1 Interview | ビートりょう(THE BOHEMIANS)【前編】魂の『essential fanfare』全曲解説 Part.1

Interview | ビートりょう(THE BOHEMIANS)【前編】
魂の『essential fanfare』全曲解説 Part.1

僕はLUNA SEAになりたい。
GLAYにもなりたい。

3曲目の「the ultra golden brave busters」にいきましょう。

 “勢い一発!”みたいなロックンロールが一番良いですね。ロックと言ったらこれですよ。レコーディングの時、さわおさんは全日程立ち会うわけじゃないんですけど、この曲を録る日はさわおさんが来ていて、一緒に細かく音作りをやりました。ギターは2本録ってるはず。

ソロはかなりファジーですよね。

 あれはRoger MayerのMongoose(ファズ)で。一番とんがりたい時はRoger Mayerですね。まず見た目が良いじゃない?

ロケット型で、色もピンクという。

 そうですよ。あのファズね、面白い経緯があって。フォーライフミュージックっていう前のレコード会社にいた時、2011年に『憧れられたい』っていうメジャー1枚目のアルバムをレコーディングしたんですよ。その時に楽器テックで山本キヨシさん、通称シャブさんっていう方が来てくれたんですけど、シャブさんは忌野清志郎さんのテックも担当していた方で。で、実はRoger Mayerは清志郎さんが欲しくて、そのためにシャブさんが買った機材だったという。

へぇ〜!

 『憧れられたい』を録った時には、もう清志郎さんは亡くなっていたんですけど、“これ使っていいですか?”って、それからずっと使わせてもらってるんです。シャブさんに会うたびに“あれ返さなくていいんですか?”とは聞いてるんですけど、“いいよ、使ってて”って。だから清志郎さんの魂なんですよね、あれは。とんがりたい時はRoger Mayerですね。「male bee, on a sunny day」のリフでも使ったかな。

それとこの曲、ちょっとthe pillowsっぽいですよね?

 あ、マジ(笑)? それはたぶん、さわおさんのアレンジもあるかもしれない。タイトルに“busters”って入ってるし。同じ環境にいれば影響は受けてくると思いますよ。

4曲目は「the erina」ですが、“the“シリーズが4曲続きましたね。

 「the reasons」もそうなんですけど、これは2000年代のガレージ・リバイバル系。いわゆるストロークス、ホワイト・ストライプス、マンドゥ・ディアオ、リバティーンズとか。“それが正解だろ!”って曲ですね。やっぱりガレージ・リバイバル期のロックンロールが正解ですよ。さっき言ったザ・フーだなんだは嘘! そんなものは古い! 最近若者と話すと、みんなストロークスは好きらしいんですけど、リバティーンズの話にあんまりならなくて。

Spotifyの月間再生回数を見てもストロークスは960万回以上、リバティーンズは130万回以上(2021年8月現在)と、けっこう差がありますもんね。

 ロック・ヒストリー好きとしては、リバティーンズこそ人間的にもめちゃくちゃでカッコ良いんですけどね。

この曲のイントロはダブル・ストップを使ったフレーズで華やかです。

 僕的には昔の銀杏BOYZみたいなイメージで。あとHi-STANDARDの「STANDING STILL」とか。なんだかんだそういう影響が出てくるんですよね(笑)。

なるほど! それとショート・ディレイがかかっていて。

 あ、これはかかってますね。こういうイントロにディレイをかけたくなるのは、ザ・ビューの影響です。

ザ・ビュー!! 今の若い人たち知ってるんですかね(笑)?

 どうだろう(笑)。「明るい村」とかがそうなんですけど、“ジャカジャーン!”で始まって、そのあとにディレイ含みの単音リフを……あ、ディレイ使ってないかも(笑)。まぁ、これは僕のイメージの中でのザ・ビューなんですけど、そういう感じで弾いています。

2番のAメロにイントロのフレーズを持ってきています。

 そうですね。そのくらいの工夫は僕にでもできるということを知ってほしいですね。たぶんね、フォーライフ時代だったら入れてなかったと思うんですけど。

サビの後半は上昇していくフレーズがありますが、これはりょうさんがよく使う手法ですよね?

 コード的には下がるんです。2番のサビの最後は半音ずつクリシェしていくんですけど、レッド・ツェッペリン「Stairway To Heaven」のイントロとか、ビートルズ「All My Loving」のBメロとか、「Michelle」のイントロとか、そのへんの知ってる限りのテクを全部使いました(笑)。こういうの好きですね。

それと、サビのメロディは平田さんっぽさがありました。V系っぽいというか。

 それはあると思いますよ(笑)。なんだかんだいって僕らV系好きですもん。HYDEさんになりたい人ですから、平田君は。僕はLUNA SEAになりたい。GLAYにもなりたい。

前半ラストです。5曲目「バビロニアの世界地図」は2000年代初頭のJ-POP感がありましたが、どんな曲にしようと?

 デモを作ったのは去年かな。ストレイテナーとかASIAN KUNG-FU GENERATIONとか、あの当時はあんまり興味がなかったけど、今聴くとカッコ良くて、それを狙ったテイストの曲ですね。「0.1」っていう曲があるんですけど、それも同じ路線。

間奏ではファズっぽい音にトレモロをかけていますよね。

 トレモロ好きなんですよ。弾いてるとドライ音とウェット音のスピードがズレてきて、トランスっぽくなる。ジョニー・マーもそうですし、ボ・ディドリーなんてトランス・ミュージックですからね! で、僕はギター・ソロとも、なんとも言えない間奏が好きなんです。“ギター・ソロ弾くよ〜!”みたいなのは照れちゃう。だから、ソロの時はみんなで前に出たい。それは山形の県民性かもしれないですね。この曲は“山形の世界地図”です。

山形県民はこの曲を聴いて何か感じるものがあるかもしれないと。

 そうですね。山形県民向けの曲ですね。でも、『ピヨ卵ワイド』はもうちょっと明るい感じの曲が良かったということで。

作品データ

『essential fanfare』
THE BOHEMIANS

DELICIOUS LABEL/QECD-10013(BUMP-118)/2021年9月8日リリース

―Track List―

01.the legacy
02.the reasons
03.the ultra golden brave busters
04.the erina
05.バビロニアの世界地図
06.VINYL PRESS STONE
07.カンケイシャになりたくないっ!?
08.いとしの真理
09.図鑑
10.the fanfare
11.何の変哲もないロッケンロール

―Guitarist―

ビートりょう