ジュリアン・レイジの少しマニアックなGM推薦盤10枚 ジュリアン・レイジの少しマニアックなGM推薦盤10枚

ジュリアン・レイジの
少しマニアックなGM推薦盤10枚

本記事にたどり着いた読者の方は、『Arclight』や『Love Hurts』などの近年作品はチェック済みのことと思う。ただ、10代からキャリアをスタートさせるジュリアン・レイジの、数多くの参加作まで含めてカバーしている人は少ないのでは? ここでは最新作『Squint』のレビューに加え、少し踏み込んだちょっぴりマニアックな参加作まで紹介したい。

選盤/文=石沢功治 写真=Alysse Gafkjen

Julian Lage『Squint』(2021年)

ユニバーサル/RCCQ-1142/2021年6月11日リリース

メンバー:ジュリアン・レイジ(g)、ホルヘ・ローダー(b)、デイヴ・キング(d)

最新作にしてジャズ・ギター・トリオの現代最高峰

 2010年代半ばに突如ソリッド・ギターに持ち替えて大きな方向転換を図り、2019年までマック・アヴェニュー・レーベルから放った3部作で高評価&超人気を獲得したジュリアンが、名門ブルーノートに移籍。前作から引き続きベースはホルへ・ローダー、ドラムはエリック・ドーヴによるトリオで、2016年から展開してきている古き良きアメリカン・ミュージックがある一方で、濃密なインタープレイが展開されている曲もあったりで、さすが抜け目がない。また、クラシカルな要素も盛り込んだギターのみによるソロ演奏をオープナーに持って来ているのも特筆に値する。

David Grisman『Dawg Duos』(1999年)

 1曲のみ参加だが初レコーディングとなったマンドリン奏者グリスマンのアルバム。発表時は弱冠11歳。伴奏アルペジオは落ち着き払っていて、ソロもすでに抑制が効いていて驚愕必至! プレイ途中で聴かれるうなり声が変声期前でそのギャップもまたオツ(笑)。

Gary Burton『Generations』(2004年)

 ジャズ・ヴィブラフォン奏者の第一人者バートンが、ジュリアンを初めてお披露目したアルバム。本録音時16歳。かつてバートンのグループにいたピアノの小曽根真が、ベースのジェームス・ジナス、ドラムのクラレンス・ペンという自身のトリオで脇を固めている。

Julian Lage『Sounding Point』(2009)

 時期尚早とそれまで幾度も断り続けて来たジュリアンが満を持して発表したファースト作。録音時は20歳。ギターのみならず、オリジナルからは作曲能力の高さも。また2曲では独演も披露。グラミーのベスト・コンテンポラリー・ジャズ・アルバムにノミネートされた。

Eric Harland『Voyager Live By Night』(2010年)

 超絶ドラムのハーランド、サックスのウォルター・スミスIII世、ベースのハリシュ・ラグハヴァン、ピアノで盟友テイラー・アイグスティと2008年にパリのクラブに出演した模様を収録。グループの荒れ狂う演奏に触発されて、お坊ちゃん然をかなぐり捨てたジュリアンが(失礼!)、超熱くなっていて必聴!

Fred Hersch & Julian Lage『Free Flying』(2013年)

 2013年2月にN.Y.のクラブ“ジャズ・アット・キタノ”にピアノの詩人ハーシュと出演した模様を収録。リンダ・マンツァー製アーチトップの音色を追い風にしたジャズ・アプローチが目白押し。スローでの珠玉の表現力にも引込まれるし、卓越したバッキングも聴き逃せない。

Nels Cline & Julian Lage『Room』(2014年)

 ウィルコのギタリストで知られるネルスと2013年12月に録音したデュオ作。ジャケ内側にはジュリアンのリンダ・マンツァー、ウィルコのダブルカッタウェイのギブソン製バーニー・ケッセル・モデルの写真があるが、曲によってはアコースティックも使用している。

Julian Lage & Chris Eldridge『Mount Royal』(2017年)

 人気ブルーグラス・グループ“パンチ・ブラザーズ”のアコギ奏者クリスとの2014年発表の『Avalon』に続くデュオ第2弾。ジュリアンも全編でアコギをプレイ。どちらも快作だが、前作ではクリスの歌ものが多かったのに対して、こちらはインストが多めになっている。

The Nels Cline 4『Currents, Constellations』(2018年)

 ベースのスコット・コリーとドラムのトム・レイニーとのカルテット作。ネルスのバンドだが、ジュリアンも必要不可欠な存在で必聴! ロック・フレイヴァーあり、美しいバラードあり、中でもアヴァンギャルドな楽曲でのハメをはずした(?)プレイは聴きもの。

Charles Lloyd『8 : Kindred Spirits』(2020年)

 1960年代にキース・ジャレット(p)を擁した自己のグループで人気を博し、1990年代以降はECM、近年はブルーノートから作品を発表しているサックス・レジェンドの80歳のバースディ・コンサートを収録。ソリッド・ギターで存在感あふれるプレイを披露している。

作品データ

『Squint』
ジュリアン・ラージ

ユニバーサル/RCCQ-1142/2021年6月11日リリース

―Track List―

01. Etude
02. Boo’s Blues
03. Squint
04. Saint Rose
05. Emily
06. Familiar Flower
07. Day & Age
08. Quiet Like A Fuse
09. Short Form
10. Twilight Surfer
11. Call Of The Canyon
12. Granada(日本盤ボーナス・トラック)

―Guitarists―

Julian Lage