その赤いストラトがめちゃくちゃ良くて(笑)。
今作の使用機材についても聞かせて下さい。J.W.ブラックはほとんど使っていないということですが……。
使ってないですね(笑)。今回はテックさんにたくさんギターを持ってきてもらって、並べて弾かせてもらったんですよ。で、1回“J.W.ブラック試してみて良いっすか?”ってやってみたりしたんですけど、“あぁ、違うね”って(笑)。ただ、「みんな自由だ」と「エール」は録音時期が前なので、J.W.ブラックを弾いてます。で、新しい4曲は……まったく使ってないです(笑)。
4曲で使ったのは?
フェンダーカスタムショップ製の50sテレキャスター、64年製のジャズマスター、66年製ストラトキャスター、レス・ポールの58年リイシュー、62年製のES-330あたりですね。330は渋めの「なにもの」と「スターチス」のソロとかで弾いていて。
J.W.ブラックは使わなかったけど、ストラトは使ったんですね。
その赤いストラトがめちゃくちゃ良くて(笑)。“これには勝てねぇ”ってそればっかり使っちゃいました。あとは、アレンジャーのItaiさんが持っていたテレキャスターも使わせてもらいましたね。
アンプはフェンダーのHot Rod Deluxe III?
いや、それも使ってなくて(笑)。詳しくは覚えてないですけど、オレンジのキャビと何かの組み合わせとか、色々使いました。見たことないようなアンプもたくさんあって、試させてもらったんです。
ペダルなどは?
ペダルも……借りてます(笑)。ただ、歪みは基本的にアンプ側で作ることが多くて、飛び道具系の音は卓側でかけてもらってますね。普段使っているのがマルチ・エフェクター(Line 6/M9)なので、レコーディングでは別のものにしたくて。
最後に、本作のギター的な聴きどころを教えて下さい。
それぞれの楽曲で全然違うので、その違いを楽しんでもらいたいです。ギター・ロックっぽい鋭利なフレーズがあったり、ザ・ギターみたいなソロもあったり色々入っているので。“ギターって色んな顔を見せられるんだ”っていう部分を楽しんでもらいたいなって思います。
Ojika’s Gear
J.W.Black JWB-S #148
2015年に入手したJ.W.ブラックのJWB-S。STタイプを弾き比べた結果、“色んな音作りに対応できるフラットさ”が気に入り購入したそうだ。改造は特にしておらず、オリジナル・スペックのまま使用。今作では「みんな自由だ」、「エール」でしか登場しなかったが、ライブなどでは不動のメイン器として活躍している。
Fender Hot Rod Deluxe III
レコーディングでは使用していないが、ライブ時のメイン・アンプはこちらのフェンダーのHot Rod Deluxe IIIだ。鬼頭がミドルを担うことが多いため、ハイ~プレゼンスを強調した抜けるサウンドメイクをしているとのこと。基本的にはクリーン・チャンネルで使用し、歪みはペダルボードで作っている。
Pedalboard
【Pedal List】
①Jim Dunlop/GCB-95 Cry Baby Wah(ワウ・ペダル)
②Custom Audio Japan/Loop and Link Ⅱ(スイッチャー)
③Line 6/M9(マルチ・エフェクター)
④Toptone/DriveGate DG-2(ディストーション)
⑤BOSS/PS-6(ピッチシフター)
⑥DigiTech/Whammy5(ワーミー・ペダル)
⑦BOSS/FV-30L(ボリューム・ペダル)
⑧Leqtique/9/9(ディストーション)
⑨Leqtique/9/9(ディストーション)
⑩Pedal Tank/Dumble Drive(オーバードライブ)
⑪JHS Pedals/Moonshine V2(オーバードライブ)
⑫BOSS/DD-3(ディレイ)
⑬KORG/pitchblack(チューナー)
⑭Custom Audio Japan/AC/DC Station VI(パワーサプライ)
ギターの信号はワウ①に入り、スイッチャー②、その後は③〜⑦を経由してアンプへ出力。スイッチャー②の各ループは
L1=ディストーション⑧
L2=ディストーション⑨
L3=オーバードライブ⑩
L4=オーバードライブ⑪
L5=ディレイ⑫
チューナー・アウト=⑬
という構成でコントロールしている。
歪み系エフェクターの使い分け方は次のとおり。
⑧はソロの音で使用し、⑨は間奏やオブリで使用するために、音量やキャラクターを調整したバリエーションとして用意。さらにノイジーなソロ・サウンドを作りたい時は、④を使用する。⑩はコード感が出るようにクランチ程度にセッティングし、そのサウンドをプッシュするブースター的な役割で⑪を踏む。
ディレイは基本的にマルチ③で作っているため、⑫はほとんど使っていないが、③をルーパーとして使用したいタイミングがあり、その時に使えるディレイとして⑫を用意している。
③はディレイやモジュレーション系で使用。⑤、⑥は飛び道具的に使用。⑦はミュートや細かな音量調整で使う。
作品データ
『ステレオアーモンド』
Half time Old
ユニバーサル/UPCH-7604/2021年10月27日リリース
―Track List―
01. みんな自由だ
02. アセスメント
03. スターチス
04. SHALALA
05. エール
06. なにもの
―Guitarists―
小鹿雄一朗、鬼頭大晴