去る10月3日のステージをもって、24年間を共にしたドラマーのSATOちが脱退し、新体制となったMUCCだが、翌11月にはサポート・ドラマーを迎えた“新体制での1発目”となるシングル「GONER/WORLD」がさっそくリリースされた。さっそく、現体制での楽曲作りやサウンド面について、ミヤに話を聞いてみよう。
取材=編集部 機材撮影=小原啓樹 人物写真=Susie
ドラマーが変わったことで、今まで出せなかった低域を出せるようになった。
ドラマーのSATOちさんが脱退し、3人の新体制となりましたね。
Miya そうですね。サポートで新しいドラマーを入れた状態でツアーが始まったんですけど、コロナで延期が4回あったので、5月に脱退する予定が10月に伸びたりして、旧体制と新体制が同時に進行する形になったんです。それが逆に良かったという意見はありましたね。
変化はどうですか?
Miya どっちが良い悪いじゃないんですけど、ドラマーが変わるとタイム感もグルーヴも変わりますよね。前ドラマーはバンドらしくて特徴的でクセもあって、今のサポート・ドラマーは凄く素直に音楽を表現するタイプだと思う。プレイが凄くタイトで、メンバー同士の音が聴こえやすくなりましたね。今までは雰囲気で聴こえていた音像がクリアに聴こえる方向になってきていて。そうなってくると色々と味付けがしやすくなって、今はリハーサルから凄く楽しくやれているし、結成したての練習に行くみたいな感覚があります。まさか結成して24年でこんな感じになれるとは思わなかったから、良い経験してるなって思いますよ。
味付けしやすくなったというと、音色やフレージングは具体的にどう変わった?
Miya 例えばより低域を出せるようになったかな。あと、ベースが凄く上手く聴こえるから、一番得してるのはYUKKEだと思う(笑)。
(笑)。アンサンブル全体の低域が整理されたんでしょうか。
Miya そうですね。その分の足し引きができるから、自由度が増していると思います。新曲の「GONER」の低音の感じは、今までやったことのない領域まで冒険していて、今まではここまで現代的な低域を出せなかったんですけど、今回は打ち込みトラックの領域までいけたかなと思います。しかも、ギターもアンプもまったく変わってないんですよ。そういうのは新しいドラマーが導いてくれる部分もありますね。フレージングなんかも今のドラマーのイメージして作った部分もありますし、特に「GONER」と「XYZ.」は低域での冒険がありました。
「XYZ.」はMUCC流シティ・ポップという感じで、曲調もかなり冒険でしたよね。
Miya 曲調的にはトレンドですけど、昔からあったタイプの曲ではありますよね。とはいえ、今までの体制ではやってこなかった雰囲気を1曲入れたいと思ったのもあって。「XYZ.」は現体制ならではだし、そういうジャンルの曲をそのままやるっていうだけじゃなくて、例えばドラムのキックはメタリックなんですよ。それに対してベースやギターで味付けをして、個性的にしてるんです。「WORLD」はわりとオーソドックスな感じだけど、3曲とも曲調は違えど統一感があるかなと思いますね。
今回のツアーでも、新体制で音源を再現するのに新しいチャレンジがありそうですね。
Miya ギター1本でどうアレンジしてくいくかっていうのはいつもあるけど、課題ってほど重いもんじゃないですね。あと、サポートで鍵盤も入っているので、音源にはないけどライブでは鍵盤パートを入れたり、日によってアレンジやハーモニーを変えることもあるしっていう感じかなと。
今までとはステージ上の中音も違うのでは?
Miya それは全然違います。余計な低域が渦巻いてないから自分のピッチ感が凄くわかります。ギターもそうだし、歌もコーラスもよく聴こえるようになって。細かいところまでコーラス・アレンジができるようになりました。自分のギターは中音を下げたのもあって、以前より他のパートを大きな音でモニターできるようになりました。メンバーの音を前より聴くようになったし、多分みんなもそうなってるんじゃないかと思います。

Miya’s Guitars
Miya’s Pedalboard

立ち位置の左側に設置されたボード。基本的にはFREE THE TONEのARC-4にすべてのペダルがループ接続されており、スイッチャーでコントロール。おもに8つのループを活用している。MORLEYのワウやDisaster Transport SRなど、手前に置かれたペダルは直接踏んで操作する。
1ーFREE THE TONE/PT-1D(パワーサプライ)
2ーFREE THE TONE/PT-5D(パワーサプライ)
3ーJHS Pedals/Little Black Buffer(バッファー)
4ーBOSS/PS-3改(ピッチシフター/ディレイ)
5ーFREE THE TONE/JB-82S(ジャンクション・ボックス)
6ーFREE THE TONE/MB-3(MIDIスルー・ボックス)
7ーBOSS/CE-1 WEED MOD(コーラス)
8ーSonic Research/ST-200(チューナー)
9ーCooper FX/Generation Loss(Lo-Fiフィルター)
10ーParts Pipe/Klon Centaur Clone(オーバードライブ)
11ーFREE THE TONE/RM-1S(リングモジュレーター)
12ーLee Custom Amplifier/12AU7(バッファー+ブースター)
13ーValkyrie Spear/Violence Booster MK II(クリーンブースター)
14ーJHS Pedals/Colour Box(コンソール・シミュレーター)
15ーEarthQuaker Devices/Hizumitas(ファズ)
16ーFREE THE TONE/PA-10G(プログラマブルEQ)
17ーBOSS/DM-3(アナログ・ディレイ)
18ーFREE THE TONE/EFS-3(EXスイッチ)
19ーFREE THE TONE/ARC-4(プログラマブル・スイッチャー)
20ーMORLEY/Bad Horsie Liberty Wah(ワウ・ペダル)
21ーEarthQuaker Devices/Disaster Transport SR(MODディレイ/リバーブ)
22ーGamechanger Audio/PLASMA COIL(ファズ)

立ち位置の正面に設置されたボード。こちらは直接操作することが多いペダルが並んでいる。ディレイなどはやはりMIDI制御されているため、フリーテンポの曲以外ではあまり踏むことはないそう。
1ーFREE THE TONE/JB-82S(ジャンクション・ボックス)
2ーAnasounds/Spinner(EXペダル)
3ーFREE THE TONE/PT-1D(パワーサプライ)
4ーFREE THE TONE/PT-3D(パワーサプライ)
5ーEarthQuaker Devices/Astral Destiny(オクターブモジュレーション・リバーブ)
6ーEarthQuaker Devices/Ghost Echo(リバーブ)
7ーAnasounds/AGES(トレモロ)
8ーGamechanger Audio/PLUS PEDAL(サステイン・ペダル)
9ーSehat Effectors/Masjidil Echo(モジュレーションディレイ)
10ーBOSS/PS-5(ピッチシフター)
11ーDANELECTRO/BAC-1 -BACK TALK-(リバースディレイ)
12ーEarthQuaker Devices/Aqueduct(ビブラート)
13ーGamechanger Audio/LIGHT PEDAL(スプリングリバーブ)
14ーDEMEDASH/T-120(ビデオテープエコー)
15ーBOSS/DM-2w(アナログ・ディレイ)
16ーBOSS/TE-2(エコー)

立ち位置の最も手前に設置されたボードの手前側。最もダイレクトに操作するペダル群が並んでいる。JHSのStutter Switchはシステム全体のキルスイッチ、その左にあるバスの降車ボタンを改造したスイッチは、踏むとマニュピレーター側の“とまります”ボタンが点灯。SEや同期を流す合図となる。
1ーG-LAB/MWW-1(ワウペダル)
2ーFREE THE TONE/MOTION LOOP ML-1L(モジュレーション・ショートルーパー)
3ーThird Man/Triplegraph Pedal(デジタル・オクターブ・ペダル)
4ーThermion/Black Sun(フェイザー)
5ーJHS Pedals/Stutter Switch(ミュート・スイッチ)

ギターテックが操作するSLAVEのもう一つのARC-4と、KEMPERのセンドリターン専用の53MとARC-4のループ不足を解消するための53M。こちらはオーソドックスなオーバードライブなどの歪みペダルが中心のようだ。
1ーFREE THE TONE/PT-1D(パワーサプライ)
2ーGFI SYSTEMS/Specular Tempus(ディレイ+リバーブ)
3ーSonic Research/ST-200(チューナー)
4ーLeqtique/ProVoost(ブースター)
5ーAnasounds/UTOPIA(アナログ・ディレイ)
6ーVoigt-Kampff/Big Muff Mod(ファズ)
7ーJ.Rockett Audio Designs/ARCHER Ikon(オーバードライブ)
8ーLee Custom Amplifier/12AU7(バッファー+ブースター)
9ーFREE THE TONE/ARC-53M(プログラマブル・スイッチャー)
10ーEarthQuaker Devices/Sunn O))) Life Pedal(オクターブ・ディストーション)
11ーBOSS/FS-5L(EXスイッチ)
12ーFREE THE TONE/EFS-3(EXスイッチ)
13ーFREE THE TONE/ARC-4(プログラマブル・スイッチャー)
14ーEarthQuaker Devices/Plumes(オーバードライブ)
15ーapi/TranZformer GT(プリアンプ/コンプレッサー/EQ)
16ーPETERSON/StroboStomp HD(チューナー)
17ーSonic Research/ST-200(チューナー)
ライブ情報
MUCC TOUR 202X 惡-The brightness WORLD is GONER
11月15日(月)なんばHatch(朱ゥノ吐VIP会員限定ライヴ)
11月16日(火)なんばHatch
11月22日(月)仙台GIGS(朱ゥノ吐VIP会員限定ライヴ)
11月23日(火/祝)仙台GIGS
11月26日(金)金沢EIGHT HALL(朱ゥノ吐VIP会員限定ライヴ)
11月27日(土)金沢EIGHT HALL
11月30日(火)名古屋ダイアモンドホール(朱ゥノ吐VIP会員限定ライヴ)
12月1日(水)名古屋ダイアモンドホール
12月3日(金)東京 USEN STUDIO COAST
DANGER CRUE 40th Anniversary
JACK IN THE BOX 202
supported by MAVERICK DC GROUP
日時:2021年12月27日(月) 開場14:00 / 開演15:00
会場:日本武道館
JACK IN THE BOX 2021オフィシャルサイト:http://www.jack-itb.com/
MUCC公式サイト https://55-69.com
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