Interview|サイダーガール これまで以上の音作りへのこだわり Interview|サイダーガール これまで以上の音作りへのこだわり

Interview|サイダーガール
これまで以上の音作りへのこだわり

2014年に動画サイトを中心に活動していたYurin(vo、g)、ボーカロイドを使用して音楽活動していた知(g)、フジムラ(b)によって結成されたサイダーガール。彼らが最新作となる『SODA POP FANCLUB 4』を完成させた。アルバムには、物語性のある歌詞世界を彩る表情豊かなロック・ナンバーの数々を収録しており、幅広い音楽性を自分たちのカラーに染め上げるバンドの表現力も聴きどころの1つだ。今回、アルバム制作についてYurinと知のふたりに話を聞いた。

取材:尾藤雅哉(Sow Sweet Publishing) 撮影=Tetsuya Yamakawa 機材写真=本人提供 機材解説=編集部

曲作りでは、ピアノでコード感を出して
ギターでリズム感を出すことを意識した(知)

ニュー・アルバム『SODA POP FANCLUB 4』が完成しました。特設サイトにアップされているオフィシャル・インタビューでは、Yurinさんは“『SODA POP FANCLUB 5』までは作る”と話していましたね。

Yurin ナンバリング・タイトル的には、とりあえず5までは確定で(笑)。その先は、もしかしたら、6、7、8……と続いていくかもしれないし、名前が変わるかもしれない。まだ決めてないんですけど。

知さんは“バラエティが豊かすぎる”と評していました。デモも30曲以上あったそうですね。

 そうですね。みんなでデモを持ち寄って、会議をして曲を決めていきました。結果として、メンバーそれぞれの今の状況だったりを含め、色んなものを受け止めたうえで生まれてきた楽曲を集めたような作品になったと思います。

楽曲制作やアレンジが完成にいたるまでの流れは、どのように進んでいく?

Yurin それぞれが持ち寄るデモの段階で8割ほどできていて、残りの2割をスタジオでブラッシュ・アップしていく形です。だから、曲全体のイメージや雰囲気も各メンバーが作っています。アレンジに関しては、それぞれがその頃にハマっていた音楽だったりとか……僕で言うとK-POPのフューチャー・ベース感やちょっとパンクな感じとか、そういう部分を自分たちなりに落とし込んでいくことが多かったです。

デモを持ってきた人が主導権を握りながら進めていくんですね。知さんも同じように?

 そうですね。アレンジの詰め方に関して今までと違うところを挙げると、デモの段階で歌詞をちゃんと書くようにしています。これまではレコーディング当日まで歌詞がないことも多かったんですけど、今回は歌詞によって導かれるアイディアも大事にしました。歌詞があることで、スタジオで“じゃあ、どういう雰囲気の曲にしていこうか”みたいな話し合いができるんですよね。

知さんは鍵盤も弾きますが、鍵盤とギターで、曲作りに違いはあるものですか?

 今作で言うと、「待つ」では自分でエレクトリック・ピアノを弾いて思い浮かんだフレーズを使っています。ピアノだと、ギターでは出せないトップ・ノートの音を意識するようになるので、それを考えたうえでギターに落とし込むようにすると、ギターのみで作る時とはギターのフレーズ感が変わるんですよね。

「待つ」は、カッティング・ワークに黒いグルーヴを感じました。ギターを打楽器的な感じで使っていて。

 ピアノでコード感を出して、ギターでリズム感を出す……そうやって役割を意識した曲作りができたと思います。今までは手癖でコードを弾いたりしていたんですけどね。例えば僕、ギターを歪ませて“壁を作る”のがすごく好きだったんですけど、そういうアプローチじゃないものができた手応えもありますし。

そういった曲作りにおける変化は、Yurinさんが歌を乗せる時に影響したことはありますか?

Yurin ギターで壁ができている場合って、歌はけっこう張り気味とか、“もうちょっと上のところを出したほうがいいのかな?”みたいなことがあったりするんですね。でも、鍵盤によって上のほうが出ていたり、隙間があることによって、“もうちょっと下のほうで歌ってもいいかな”って。そういう変化はありました。

知(g)。
知(g)。

ファズとワウの音がすごく好きなので
楽曲を作るときは常に入れたい(Yurin)

今回のアルバムでのギターの役割は?

Yurin ピアノがコードでバッキングを鳴らしていることで、ギターがコードを弾かなくてもいい場面が出てくるので、そこでギターにしか出せないアプローチ……例えばカッティングや単音のフレーズもそうですけど、そういったものが入れやすくなりました。ギターをあえて1本だけにする場面もあって、そういう隙間の作り方はすごく効果的だったと思います。

 ギターで裏メロを弾いてもアンサンブルがスカスカになり過ぎずに、ちゃんとギュッとした部分もあり、それでいてギターの音が抜けていくアレンジができて。面白かったですね。

知さんは、サイダーガールにおけるギターの役割をどうとらえていますか?

 同期モノや鍵盤の上モノが増えてきたことで、“ギターってもっと色々できたんだな”って改めて気づけました。バッキング・ギターに関して、悪い意味で“コードだけ弾いておけばいい”って意識があったんですけど、色んな楽器を取り入れることによって、バッキング・ギターで多彩なリズムを組むことができること、すべての弦を鳴らすことだけが正義じゃないことにも気づきましたね。

 ギター2人の役割で言えば、例えば1人がロー・コードを弾いていて、もう1人が上のほうでテンションを弾いた時の響きが、僕はすごく好きなんです。今までそういったところはあまり気にして作っていなかったけれど、そういうギター2本の役割を改めて考えられるようになりましたね。

「シンデレラ」では、ハードに歪んだファズっぽいサウンドがすごく耳に残ります。

 「シンデレラ」は、プロデューサーの江口亮さんの家でギターをレコーディングしたんです。ファズっぽいのもYurinくんが作ったデモの段階でそうなっていたから、レコーディングでもそれを狙いました。あのフレーズはYurinくんがギターを弾いているんですけど、デモのイメージどおりだったんじゃないかな。

Yurin ギターはスッキリしているというか。クランチ気味のサウンドを右手でミュートした単音のフレーズでずっと進んでいく曲なので、それから“どっかで思い切り歪ませられる場所があるといいな”って。それに、個人的にファズとワウの音がすごく好きなので、楽曲を作る時は常に入れたいなって思ってるんです。

「ピンクムーン」は、大きな会場で鳴るのが映えるスケール感の大きいサウンドで、シンプルで骨太なリフが印象的です。ハーモナイズさせたようなエフェクターを途中でかけていますよね?

 そうですね。レコーディングだと上と下の両方を録るんですけど、ライブではオクターバー使うことが多いです。ただ「ピンクムーン」は印象に残りやすい音を目指して、オクターバーを使ったうえに、ちょっとコーラスをかけて作りました。インパクトが強いフレーズだったので、サウンドに関してもインパクトが欲しいと思いながら。

アルバム全体を通して、イントロのド頭で聴き手の心を鷲掴みにするようなアプローチが多いですよね。イントロやメイン・リフを作るうえで意識しているところは?

Yurin イントロがちゃんとしてないと、1曲丸ごと作るモチベーションが湧かないんです。イントロから作る場合は“強いイントロを作ろう”っていうのはあるし、サビから作る場合でも、“頭サビにするから、別のイントロを付けるか”みたいな感じで、“強い印象があるのはどっちかな?”、“どっちがインパクトあるかな?”を考えています。

 僕はリード・ギターなので、イントロは“ギターで歌う”くらいの気持ちで作っています。イントロができた段階で曲の9割くらいはできている、くらい時間をかけて。だからリフを作る時も、“ちょっと口ずさめるように”、じゃないですけど、ギターで鼻歌を歌う感じで作っていくことが多いですね。本当はコードだけでイントロが作れるのが理想なんですけど……僕、イントロとかリフを作るの、すごく苦手なんですよね。“やっぱ歌えるフレーズが作れたらな”っていうのは、ギタリストの目標としてあります。

「かいじゅうのゆめ」は6/8拍子の疾走感を感じるアレンジですよね。これはどういうふうに作り込んでいったんですか?

Yurin これは“好き放題、めちゃくちゃにやってみよう”と作った曲です。ハチロクの曲が作りたかったので、そこから、“もっとめちゃくちゃにするにはどうしたらいいんだろう?”と考えながら、サンプリングしたサウンドを入れたり、サビ中で転調させたりしています。あとは、それこそギターの音色……オクターブ違いでワウを踏だりと、ファズを踏んだり、コーラスをめっちゃかけたりして。エフェクティブな音色が多いですよね。

 ブリッジ・ミュートのサウンドもとても重かったりして。Yurinくんのルーツ的な要素が入ってる印象です。ギター・サウンドの分厚さもそうですが、単純にギター・ロックとしてのカッコよさが詰まった曲ですね。

Yurin(g,vo)。
Yurin(g,vo)。

今回のアルバムは、シンセ・ベースや5弦ベースなど
今までなかった新しい音が鳴っています(Yurin)

取材に先駆けて用意してもらった機材リストをもとに、制作で使った機材について聞かせて下さい。ギターを見るとYurinさんはGrosh GuitarsのRetro ClassicやmomoseのTLタイプなどですが、王道のギブソンやフェンダーではないギターを使おうと思ったきっかけは?

Yurin 知さんがフェンダーやギブソンのギターをけっこう持ってるので、僕のほうは日本製のものだったり、フェンダーのマスタービルダーが新しく作った会社のギターとかを使ったほうが、サウンド的にもキャラクター分けがしやすいのかなって。あとは単純に、形が好きだったり、メーカーが好きだったりっていうのもありました。

アンプはSHINOSのROCKET(ヘッド)と12インチ×2発のBogner(キャビネット)という組み合わせなんですね。しかもキャビは縦置きという。

Yurin あまり人がやっていなさそうな組み合わせとか、すごく好きですね(笑)。

ちなみに音作りに欠かせない機材はありますか?

Yurin エフェクターで言えば、VEMURAM Jan RayとY.O.S.ギター工房のSmoggy Overdriveですね。メインとなるクランチ気味の歪みはJan Rayで作って、常にかけっぱなしで使っています。ちょっとモダンな感じを出したいときはSmoggy Overdriveをかけっぱなしにしていますね。そこに別のペダルを踏んでミッドを出したり、ファズ(VEMURAM myriad FUZZ)でより歪ませたりって使い方をしています。

Yurin’s Gear

マーク・レッティエリの使用などでも注目を集めるグロッシュ・ギターズ。Yurinが愛用するのはSTタイプのRetro Classicだ。リア・ピックアップをセイモア・ダンカン製のシングルサイズ・ハムバッカーに交換している。

長野県松本市のブランド=Momose Custom Craft Guitarsが作ったMTLのオール・ローズ・モデル。今作のレコーディングでは、知もバッキング・ギターで本器を使用した。

ShinosとLee Custom Amplifierのコラボで生まれたShinos & LのROCKET HEADがYurinのメイン・アンプ。ボグナーの2×12キャビネットを縦置きで設置している。

知さんがメインで使ったギターは?

 今回の録音では、僕とYurinくんのギターを共有して使ったんですよ。どのギターを使うかは曲ごとに決めていったんですけど、僕が持ってきたギターの出番は少なくて。Jazzmasterをたまにリードで使うってくらいでしたね。YurinくんのMomoseやGroshは、メインのバッキングに使うことが多かったです。バッキングに対してどういう音でアプローチしようか考えた時に、キャラ分けを考えて色んな機材を使いました。

知さんの機材リストには、フェンダーカスタムショップ製のJazzmaster、1993年製のレス・ポール・スタンダードとあります。これは欲しい音に合わせてハムバッカーとシングルコイルを使い分けるイメージですか?

 そうですね。“この曲はもっと重くしたいな”っていうときはハムを使う、みたいな感じです。あとは足下のエフェクターで何とかするイメージですね。

ちなみにエフェクト・ボードにDiezel Herbert Pedalが入っているのが気になりました。

 ハードな歪みで押したい曲はHerbertで音作りをしています。普段はCENTAURのクローン(kaba’s custom effects)やStudio DaydreamのLDM ODがメインですね。でも、今回のレコーディングで僕的にMVPだったのは、Yurinくんのstrymonでした。特にOlaがめちゃくちゃ良くて。曲の雰囲気を一気に変えたい時、strymonで音を作ると本当に景色が変わる。DEPTHやSPEEDのツマミをいじって使うことが多かったです。

アンプはマーシャルの1959(ヘッド)とORANGEのキャビネットという組み合わせ。これは田渕ひさ子さんの影響ですか?

 そうですね。これは本当にデカい音を鳴らせば良い音が鳴るっていう最強のやつです。もともとはフェンダーのVibro-Kingを使ってたんですけど、バンドのオケに対してパワー不足な印象があったので、ずっとマーシャルを探してたんです。今は爆音にしたマーシャルにアッテネーターをかまして演奏してます。

Tomo’s Gear

フェンダーカスタムショップ製の1963 Jazzmasterが知のメイン器。プリセット・スイッチはオフ位置で、ピックアップ・セレクターもセンターから動かないようにテープで固定されている。

ギブソンの1993年レス・ポール・スタンダードは、ハムバッカー・サウンドで使用する。近年の使用頻度は少ないが、長年愛用する1本だ。

マーシャルの1959 MkII Super LeadとオレンジのPPC-212OBキャビネットというセットがメイン・アンプ。フライエットのPS-2(プリアンプ/アッテネーター)と併用している。

今作の制作を振り返って、バンドの今後にどんな可能性を感じていますか?

Yurin 今回、けっこうやりたいことができて、ちゃんとサイダーガールというバンドの土台が作れたかなと思っています。原点回帰じゃないですけど、ギター、ベース、ドラム、歌だけのシンプルな曲とか、そういうものも胸を張ってやれそうだし、逆に全部電子音の曲とか、全部打ち込みの曲とかもやっていける気がしていて。表現の振り幅をドンドン広げていける可能性を感じてます。

 アルバムのレコーディングをほぼほぼメンバーだけでやらせてもらって、「色んなことができるな」って可能性をすごく感じました。今後は改めて、サウンドでもアレンジでもいいんですけど、バンドのアイコニックな部分を探したいですね。模索していきます。

最後に、ライブを楽しみにしているファンや新作を聴いてくれたリスナーへメッセージをお願いします。

Yurin 今回のアルバムは、シンセ・ベースや5弦ベースなど、今までなかった新しい音が鳴っています……中でも「かいじゅうのゆめ」は5弦ベースを登場させたいために作った曲なんですよ(笑)。そういう新しいところが見どころだと思います。ライブでは、飽きが来ないようなセットリストが組めればいいなって思っているので、楽しみにしてほしいですね。

 今回のレコーディングでは、ものすごくギターの音作りにこだわることができました。ライブに関しては、機材が単純にパワー・アップしてるのもあるんですけど、アルバムでこだわった音を堪能してもらえるように、ライブ用の音作りも改めてやってるので、そういうところも楽しみにしてもらえたらなって思います。ヘッドホンで聴くだけじゃなく、音圧も含めて体で感じてもらえたいので、ぜひライブに遊びに来てほしいですね。

Yurin’s Pedalboard

Yurinのライブ用ボードがこちら。ペダルのラインナップは以下に記す。

【Pedal List】
①オリジナル・ジャンクション・ボックス
②One Control/Crocodile Tail Loop OC10(スイッチャー)
③Vemuram/Jan Ray(オーバードライブ)
④weed/BS-2 Mod.(オーバードライブ)
⑤320design/Brown Feather(ディストーション)
⑥Vemuram/Myriad Fuzz(ファズ)
⑦Orange/Fur Coat(ファズ)
⑧strymon/Ola(コーラス/ビブラート)
⑨strymon/FLINT(トレモロ/リバーブ)
⑩KORG Pitchblack Advance(チューナー)
⑪VITAL AUDIO/VA-12(パワーサプライ)
【Pedal List】
①オリジナル・ジャンクション・ボックス
②One Control/Crocodile Tail Loop OC10(スイッチャー)
③Vemuram/Jan Ray(オーバードライブ)
④weed/BS-2 Mod.(オーバードライブ)
⑤320design/Brown Feather(ディストーション)
⑥Vemuram/Myriad Fuzz(ファズ)
⑦Orange/Fur Coat(ファズ)
⑧strymon/Ola(コーラス/ビブラート)
⑨strymon/FLINT(トレモロ/リバーブ)
⑩KORG Pitchblack Advance(チューナー)
⑪VITAL AUDIO/VA-12(パワーサプライ)

ギターからの接続は、ジャンクション・ボックス①からスイッチャー②を通り、①を経由してアンプという順。スイッチャー②にはBuffer INから入り、Buffer OUTからINPUTへ直接入力、その後各ループにそれぞれ③〜⑧が繋がれている。もちろん②のチューナー・アウトはチューナー⑩へと出力。

リバーブ⑨はアンプのセンド/リターンに、ジャンクション・ボックス①を経由して接続されているようだ。

Tomo’s Pedalboard

知のライブ用ペダルボードは2枚構成。1枚目はメインで操作する、歪みなどを中心とした基本サウンド用のボードAだ。ペダルのラインナップは以下のとおり。

ボードA

【Pedal List】
A①Studio Daydream/JCTBx4/MD B.I.(ジャンクション・ボックス)
A②BOSS/ES-8(マルチ・エフェクター/スイッチャー)
A③Providence/VELVET COMP(コンプレッサー)
A④KABA'S CUSTOM EFFECTS/CENTAUR CLONE(オーバードライブ)
A⑤Studio Daydream/LDM OD(オーバードライブ)
A⑥One Control/Silver Bee OD(オーバードライブ)
A⑦Wren and Cuff/Eye See '78(ファズ)
A⑧湘南佐藤楽器/カスタムCry Baby(ワウ)
A⑨Diezel/Herbert Pedal(プリアンプ)
A⑩KORG Pitchblack Advance(チューナー)
A⑪One Control/Baby Blue OD(オーバードライブ)
A⑫Fulltone/OCD(オーバードライブ)
A⑬Voodoo Lab/Pedal Power 2 Plus(パワーサプライ)
【Pedal List】
A①Studio Daydream/JCTBx4/MD B.I.(ジャンクション・ボックス)
A②BOSS/ES-8(マルチ・エフェクター/スイッチャー)
A③Providence/VELVET COMP(コンプレッサー)
A④KABA’S CUSTOM EFFECTS/CENTAUR CLONE(オーバードライブ)
A⑤Studio Daydream/LDM OD(オーバードライブ)
A⑥One Control/Silver Bee OD(オーバードライブ)
A⑦Wren and Cuff/Eye See ’78(ファズ)
A⑧湘南佐藤楽器/カスタムCry Baby(ワウ)
A⑨Diezel/Herbert Pedal(プリアンプ)
A⑩KORG Pitchblack Advance(チューナー)
A⑪One Control/Baby Blue OD(オーバードライブ)
A⑫Fulltone/OCD(オーバードライブ)
A⑬Voodoo Lab/Pedal Power 2 Plus(パワーサプライ)

ギターからの信号は、ジャンクション・ボックスA①を通りスイッチャーA②を経由してA①へ戻り、ボードBのジャンクション・ボックスB①へと進む。

A②の各ループは順にA③〜⑨までを個別に接続、チューナー・アウトから⑩へと信号を送っている。A⑪〜⑫はオーバードライブのサブとしてボード内に保管。

また、基本操作はボードAで行なうため、スイッチャーA②でボードBを制御できるよう、A②からのMIDI信号をA①のMIDIアウトからB⑧を経由して、B②〜④&⑦へ送っている。

それでは空間/モジュレーション系を中心に組まれたボードBを見ていこう。ラインナップは以下のとおりだ。

ボードB

【Pedal List】
B①Studio Daydream/JCTBx4/MD B.I.(ジャンクション・ボックス)
B②BOSS/ES-5(マルチ・エフェクター/スイッチャー)
B③Eventide/TimeFactor(マルチ・ディレイ)
B④Eventide/ModFactor(マルチ・ディレイ)
B⑤BOSS/DD-3(ディレイ)
B⑥Electro-Harmonix/Nano POG(オクターバー)
B⑦Free The Tone/PA-1QG(プログラマブルEQ)
B⑧KENTON/TURU-5(MIDIスルー・ボックス)
B⑨VITAL AUDIO/VA-08 Mk-II(パワーサプライ)
【Pedal List】
B①Studio Daydream/JCTBx4/MD B.I.(ジャンクション・ボックス)
B②BOSS/ES-5(マルチ・エフェクター/スイッチャー)
B③Eventide/TimeFactor(マルチ・ディレイ)
B④Eventide/ModFactor(マルチ・ディレイ)
B⑤BOSS/DD-3(ディレイ)
B⑥Electro-Harmonix/Nano POG(オクターバー)
B⑦Free The Tone/PA-1QG(プログラマブルEQ)
B⑧KENTON/TURU-5(MIDIスルー・ボックス)
B⑨VITAL AUDIO/VA-08 Mk-II(パワーサプライ)

ボードAのジャンクション・ボックスA①を経由したギターの信号は、ジャンクション・ボックスB①へと入る。そして、B③〜⑥までを番号順にそれぞれのループへと接続したスイッチャーB②を通ってB①へと戻り、マーシャル1959へと出力される。

また、プログラマブルEQ⑦は、マーシャルとキャビネットの間にインサートしたフライエットのPS-2のセンド/リターンに、B①を経由してつながれているようだ。

作品データ

『SODA POP FANCLUB 4』
サイダーガール

ユニバーサル/UPCH-2237/2021年12月1日リリース

―Track List―

01. 待つ
02. 猫にサイダー
03. シンデレラ
04. 足りない
05. ピンクムーン
06. かいじゅうのゆめ
07. トロール
08. 再見
09. melt
10. マーブル
11. ライラック

―Guitarists―

知、Yurin