Interview|是永巧一ピュア・サウンドを追求するACOUSTIC REVIVEケーブル Interview|是永巧一ピュア・サウンドを追求するACOUSTIC REVIVEケーブル

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Interview|是永巧一
ピュア・サウンドを追求するACOUSTIC REVIVEケーブル

“原音忠実”を理念に掲げ、高品質で鮮明なサウンドに徹底してこだわる国産オーディオ・アクセサリー・ブランド、ACOUSTIC REVIVE。その魅力をギタリストに語ってもらう新連載=“ACOUSTIC REVIVE For Guitar”がスタート。第1回は、同ブランド製品を愛用している辣腕ギタリスト、是永巧一が登場! 原音そのままと言っても過言ではない高純度のサウンドを実現したギター・ケーブル“GB-Triple C-FM”の実力を存分に語ってもらおう。

取材・文=井戸沼尚也 デザイン=MdN
※本記事はギター・マガジン2022年2月号から転載したものです。

是永巧一が手にしているのは、GB-Triple C-FM。

まさに“弘法筆を選ばず”。
驚くほど懐が深いんですよ。

ACOUSTIC REVIVEの製品を使い始めたきっかけは?

 ミュージシャンやエンジニアの間で“凄いケーブルがあるぞ”って噂になっていたんですよ。僕も噂には聞いていて、気になっていたところに、僕の親友でアレンジャー/プロデューサーの松浦晃久が“紹介するけど、使ってみる?”と声をかけてくれて、それがきっかけです。僕らが“赤リバ”と呼んでいるギター用ケーブル、GB-Triple C-FMの3mのものを自宅スタジオで使ってみたのが最初でしたね。

初めて使ってみた時の印象はどうでしたか?

 これまでけっこうな種類のケーブルを使ってきて、かなりグレードの高いものも試してきたんですが、これは凄かったですね。何がって、レンジがもの凄く広いのに、非常にまろやかなんですよ。レンジが広いだけのケーブルはほかにもたくさんありますけど、ピーキーなものはダメ。楽器を弾く人間って、時には音を引っ込めたり、ボカしたりという表現もするわけですよね? なので、レンジが広くてまろやかだと、タッチでニュアンスの表現ができて理想的です。

 “赤リバ”を使った時の印象は、絵画に例えると、キャンバスが大きくなって、色も増えて、広くて美しい景色を描けるようになった感じです。自由なんですよ。そうなると、同じ曲の中でも様々な種類のタッチで弾き分けることもできるんです。そして、そのタッチに対して“赤リバ”から返ってくる表情が非常に豊か。だから、弾き心地が抜群なのは言うまでもないですね。

弾き心地もポイントなんですね。

 わかりやすく言うと、ピックアップを交換したくらいの変化があるんです。ピックアップを換えると、音質が変わるのはもちろん、弾き心地も変わるじゃないですか。それくらいの変化がありますよ。それと単に音が良いだけではなく、仕事の相棒としてどれだけ優秀かという“道具”としての側面も大事ですが、そこも申し分ないです。

 例えば、扱いやすさという意味では細くてしなるケーブルが好きという人もいますが、肝心なのは全体のバランスだと思うんですよ。アコリバのケーブルは太いですが、サウンドやタッチのバリエーション、それに伴なう弾き心地の良さを考えれば、取り回しの点はまったく気にならないです。扱い方や使う状況次第でどうにでもなりますしね。

 それから、見た目も重要。弾く人の気持ちを高めてくれますから。これは、見た目もとても美しいでしょう? 僕の好きなイタリアン・レッドのカラーは、見ているだけでテンションが上がりますね。

是永さんはGB-Triple C-FM以外に、プロトタイプのケーブルも使用中だとか。

 はい。“赤リバ”は気に入ってずっと使っているんですが、最近、黒いプロトタイプのケーブルを使わせてもらっているんです。赤とはタイプが違いますね。音の感じを例えるなら……僕、スタジオでレコーディングする時にNeveのHAのプリアンプを通して録る時があるんです。あれを使うとEQしなくてもミッドの密度がもの凄く高くなってタイトに締まるんですけど、このプロトタイプの黒いケーブルはそれに近いニュアンスを感じます。素早いアタックに、むっちりしたミッドがついてくる感覚ですね。

 やはりギターのキモはミッドなので、レンジの広さも大事ですけど中域って凄く大切なんですよ。エレクトリック・ギターはアタックがいかに美しく出て、その後にいかに実の音がついてくるかという考えで音作りをしていますが、そういった意味でこのプロトタイプは今まで出会ったケーブルの中で申し分ないですね。特にギター・ソロを弾く時にはもう最高です。

使用機材によって、このケーブルが合う/合わないという相性のようなものはありますか?

 過去に使っていたケーブルでは、それがあったんですよ、ストラトには硬すぎるなとか。でもステージでいちいち変えるわけにもいかないじゃないですか。ACOUSTIC REVIVEのケーブルに関しては、機材との相性は関係ない。まさに“弘法筆を選ばず”という感じで、驚くほど懐が深いんですよね。

 アンプやペダルに関しても同様です。僕は大体4種類のセットを使うことが多くて、例えば、完全にアナログに近いダンブル系のアンプを使ったセットや、レコーディングでよく使うFractal Audio SystemsのAXE FX IIIを核にしたセット、海外や地方で使うことが多いBOSS GT-1000をメインにしたコンパクトなセットなどを使いますが、どのセットで使ってもバッチリですよ。特に黒いプロトタイプを使うことで、デジタル系のセットで使う場合にプリアンプが1個いらなくなりました。デジタル系はわざと音を鈍らせたいと思って、アタマにプリアンプを入れていたんですけど、プロトのケーブル自体に音楽的な色気があるので必要なくなったんですね。

電源ケーブルやUSBケーブルも、ACOUSTIC REVIVE製品を使っていますよね。

 そうですね。良い電源ケーブルを真空管アンプに使うと音が良くなるのは読者の皆さんもご存知かと思いますが、デジタルでもびっくりするくらい変わりますよ。ACOUSTIC REVIVEの電源ケーブルをFractal Audio Systemsのセットで使って音を録ってみたら、音像のニュアンスの鮮明さがほかとは断然違っていて。特に、音を重ねていった時の滲み方や残り方、景色が遠くなった時でも調和したままサウンドの存在感が変わらないところは、ほかのケーブルでは感じられないですね。だからこの電源ケーブルに合わせて、それまで3週間かけて作ったこのセットの音を一から作り直しました(笑)。

 USBケーブルに関しても、録れる音が全然違いますよ。僕はこのUSBケーブルのタイプBを使いたいと理由で、逆にインターフェースを選んだくらいですから。

最後に改めて、ACOUSTIC REVIVE製品の魅力とは?

 音楽的であること。そして、まったくストレスがない。車で言えば、ラグジュアリーなんだけどシンプルで快適。長距離運転もできて、物凄く速いスポーツカーに乗っているような感じです。ギターから最初のペダルまでの1本を変えるだけでも実感してもらえると思いますよ。

是永巧一の愛用アイテム

GB-Triple C-FM(ギター・ケーブル)

是永が愛用しているGB-Triple C-FM、通称“赤リバ”。よりピュアなサウンドを追求するため、導体の材質から構造まで徹底的にこだわっている。緩衝材には天然のシルクを、外部シースには天然鉱石トルマリンのパウダー入りを採用し、静電気の発生を防止。金と銀を配合した鉛レスの高音質ハンダを使用し、導通特性を極限まで高めている。


POWER STANDARD-TripleC-FM(電源ケーブル/写真左)
R-AU1-PL(USBケーブル/写真右)

是永が普段から愛用している電源ケーブルとUSBケーブル。USBは信号ラインと電源ラインを完全にセパレートした画期的な構造だ。


POWER STUDIO(電源ケーブル/写真左)
POWER STAGE(電源ケーブル/写真右)

取材当日に入手したという電源ケーブル。赤色がPOWER STAGE、紫色がPOWER STUDIOで、それぞれライブ/スタジオ向けの仕様だ。


Prototype

特注のプロトタイプのケーブル。GB-Triple C-EXという5Nグレードの銀塊から作ったパイプに高純度銅を圧入し鍛造された導体を採用。

【問い合わせ】
ACOUSTIC REVIVE https://acousticrevive.jp

是永巧一

これなが・こういち◎大学在学中よりRebeccaのレコーディング/ツアーにギタリストとして参加。セッション・プレイヤーとしても福山雅治や梶浦由記、ASKA、渡辺美里、矢沢永吉、長渕剛、玉置浩二、尾崎亜美、Misia、Aimer、LiSA、Robert Palmerなどのライブ/レコーディングに携わる。プロデューサー/アレンジャーとしては、黒夢やONE OK ROCK、The xxxxxxなど多数のアーティストを手がける。

Twitter>

*この記事はギター・マガジン2022年2月号から転載したものです。

ギター・マガジン2022年2月号
レイド・バック期のエリック・クラプトン

レイド・バック=「くつろいだ、リラックスした」の意。1970年代中期、3年間の沈黙を破ったエリック・クラプトンは“レイド・バック”と呼ばれる穏やかな作風のアルバムを次々と生み出していく。スライド・ギターの大幅な導入やレゲエへの接近、アコギの多用といった豊かな音楽素材がブレンドされた自然体でゆったりとしたサウンドは、ちょっぴり肩の凝る今だからこそ染み渡るものがあるかもしれない。というわけで今月は、レイド・バック期の中でも1974年から76年の3年間にフォーカス。本誌初のレイド・バック特集、ごゆるりとご堪能ください。