34年にわたり我々を熱狂させ続けてくれたスーパー・バンド、MR. BIG。彼らのラスト・ツアーとなる“The BIG Finish FAREWELL TOUR”の日本公演が、2023年7月に終了した。この最後の来日公演で多くの感動を与えてくえたポール・ギルバートにインタビューを敢行。ツアーの感想や、MR. BIGの名曲の数々がこれからどうなっていくのかを聞いてみた。
インタビュー/翻訳=トミー・モリー ライブ写真=土居政則
キーを変えた曲もあって、ギターを覚え直す必要があったんだ
“The BIG Finish”と題したMR. BIGのラスト・ツアー、日本公演が終わってしまいましたね。その後、2ヵ月にわたってアジアを回りましたが、今の率直な感想から聞かせて下さい。
ショウは最高だったよ! でも、移動がかなりハードだったね。アジアでの話に限らず、ツアーに出る時っていうのは飛行機での移動が多くてヘトヘトになってしまうよ。日本は新幹線があるから問題ないけど、ほかの国だとほぼ1日おきに飛行機で移動していた。車に乗って空港に行って、出国審査があったりと、舞台裏ではどうしても避けられない大変な作業がけっこくあるんだ。
ただ、それでもバンドの雰囲気は凄く良かったね。エリックと僕はかなり良い状態をキープできたし、新たにドラムを叩いてくれたニック・ディヴァージリオは、バンドに新たな命やヴァイブをもたらしてくれて、音楽的に最高な状態に持っていってくれた。
最後の武道館では30曲弱を演奏しましたね。『Lean into It』の全曲再現も含めたセットリストでしたが、選曲に難航するようなことはありましたか?
僕たちにとって大事な曲を選んでいくのは大変だったね。で、それがどれだけの長さになるのかわからなかったんだ。実際のライブがあれほど長くなるだなんて僕らも想定していなかったよ。いつもなら2時間弱だったのに、今回は2時間半はプレイしたからね。
『Lean into It』を再現してどうでしたか?
あれはかなり挑戦的なことだったけど、音楽的にナイスなチャレンジになったよ。ほとんどの曲のボーカルがかなり高音で、キーを変えた曲もあって、ギターを覚え直す必要があったんだ。開放弦でプレイしていたフレーズを異なるキーでどう再現するかを考える必要があったから、クリエイティヴにならざるを得なかったよ。
「Stay Together」は良い曲だから、またやってみるのも悪くないね
あなたのソロ・パフォーマンスのセクションでは、「Nothing But Love」をギターだけで弾いていましたね。過去にはスライドで「Green-Tinted Sixties Mind」をプレイしたこともありました。ギターでのカバーでも、あなた自身が歌う形でも、将来的にMR. BIGの曲を演奏する展望はありますか?
「Green-Tinted Sixties Mind」や「To Be with You」といったお気に入りの曲は当然プレイしていくことになるだろうね。
ただ、こういうのってアレンジ次第っていう側面もあって、例えば「To Be with You」をやるならリズム・ギターやキーボードにコードをプレイしてもらう必要がある。武道館でやった「Nothing But Love」は、コードとメロディを同時にプレイできるようにかなり練ったところがあって、うまい具合にできたね。
だからまずは、どうアレンジするかってことをしっかりと考えることから始まるんじゃないかな。誰かにコードをプレイしてもらうのか、コードとメロディを同時にプレイする方法をどうにかして見つけるか、そこから決めなくちゃね。
過去には「To Be with You」や「Stay Together」をあなた自身が歌っていたこともありました。あなたがまだ歌ったことがないMR. BIGの曲もたくさんあるので、あなたのライブでぜひ聴いてみたいです!
「Stay Together」は良い曲だから、またやってみるのも悪くないだろうね。まずはそこをトライしてみようかな!