2025年、音楽ゲーム界に新たな音ゲーが誕生した。その名も“Heavenly Guitars”。
本作はこれまでの音楽ゲームとは異なり、エレキ・ギターにフォーカスした、いまだかつてないほどのこだわりと熱意の詰まった音ゲーだ。ギタリストの諸君にはもちろん、ギターに興味を持っている人は間違いなくハマる、そう断言できるほどにこのゲームはギターに特化され尽くしている。
ここでは、本作の魅力の紹介のほか、開発者/プロデューサーの浅井大樹とSAKANAMONのギター・ボーカル=藤森元生が語る異分野クリエイター同士の対談、さらに販売元=ソネットゲームスタジオ株式会社の代表取締役社長であり自身もギタリストである永田博丈へのインタビューをお届けしよう。
Presented by ソネットゲームスタジオ株式会社
取材・文=水尾公弥 撮影=鈴木千佳(浅井大樹 × 藤森元生)
*本記事は、ギター・マガジン2025年11月号に掲載した「Heavenly Guitars〜エレキ・ギターの魅力を詰め込んだ対戦型音楽ゲーム」を再構成したものです。
Heavenly Guitars とは
まずは『Heavenly Guitars』とは一体どのような音楽ゲームなのか、そしてどこまでギターにこだわり抜いたゲームなのかをお伝えしよう。
POINT 1
ギター・プレイで競い合う新感覚の対戦型音楽ゲーム

『Heavenly Guitars』はエレキ・ギターにフォーカスした対戦型音楽ゲームだ。
ギターを演奏する楽しさを再現した直感的な操作感とリアルなギター・サウンド、そこに対戦要素のスリルを組み合わせた、従来の音楽ゲームでは味わえないライブ体験ができる。
さらに、ゲームに熱中する中で育てたギターをNFT化し、自分だけの世界に1つだけのギターをコレクションすることも可能。
ギター好きにはたまらない要素が盛りだくさんだ。
POINT 2
ギターの豊富な種類ととことん自由なカスタマイズ性

ゲーム内では多種多様なエレキ・ギターが存在する。
ギターによって音色が異なるほか、ペグやノブ、インレイ、ピックアップ、ブリッジなど細かなパーツの変更、果ては派手なデカールでの装飾やボディ・カラーの変更まで、150種以上のパーツ&デカールによって自分好みのギターにカスタマイズ可能。
対戦時には自分のこだわりのギターを相手に見せつけると同時に、相手のギターも見ることができる、まさにライブハウスでの対バン!
POINT 3
エフェクターによるスキル要素とギター・サウンドの変化

こだわりを感じるのはエレキ・ギターそのものだけではない。各エフェクターにはそれぞれパラメータがあり、ものによってはつなげる順番でスキルの追加効果があるなど、ここにもギタリストならこだわりたいカスタマイズ要素が満載。自動セレクト機能もあるので初心者も安心だ。
対戦中にエフェクターを起動すると獲得スコアが上昇するほか、ギターのサウンドも変化! そのほか、ギター・アンプも好みに合わせて選択可能だ。
POINT 4
カスタマイズした愛器でいざLIVEバトル!

鍛え上げたギターの性能と、自前のリズム感を武器に、世界中のプレイヤーたちとLIVEバトル!
対戦時の操作は、レーン・ボタンを左手指3本を使ってタップして起動させ、流れてくるノーツにタイミングを合わせて右手でタップ。つまり左手で弦を押さえ、右手でピッキングする、ここもギタリストなら思わず感心してしまうほどにリアルなギター演奏を楽しめる。
ギタリストはもちろん、ギターに興味のある人は一度遊んでみることをオススメしたい。
Heavenly Guitars
- タイトル:Heavenly Guitars/ヘブンリーギターズ
- 対応プラットフォーム:PCブラウザ、スマートフォン(iOS/Android)
- 対応言語:日本語、中国語(繁体字)、英語(対応予定)
- 配信国・配信地域:日本、台湾、香港
- 価格:基本プレイ無料(ゲーム内課金あり)
- 公式ページ:https://www.heavenly-guitars.com
Special Cross Talk
浅井大樹(『Heavenly Guitars』開発者/プロデューサー)
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藤森元生(SAKANAMON)
ここでは、『Heavenly Guitars』の開発者である浅井大樹と、SAKANAMONのギター・ボーカルである藤森元生との特別対談をお届け。本作についてのほか、2人のクリエイターとしての在り方について語ってもらおう。

頭の中でいろんな自分と対話する。
──藤森元生
ゲームをプレイした感想を教えて下さい!
藤森 想像以上にめちゃくちゃ緻密で細かいこだわりがあって、すごく楽しかったです! ゲーム内で実際に音を聴きながら楽しく音作りできたり、しかも運指やリズムの練習につながるから、ゲームとして楽しめつつ、ちゃんとギタリストのためになる感じがしますね。
例えばレコーディングしてる時の、ギターやエフェクターを全部並べて音作りするのとか、ギターを買う時に、どの色のギターでどこをカスタマイズするのかとか……まさにそれがこのゲームでできる。ありそうでなかったし、ここまでできるものはいまだかつてリズム・ゲームで見たことがないです。
浅井 ギターを弾く楽しさをゲーム的に落とし込むことを目指したんです。プレイした瞬間から、“やった、ギター弾けたぜ!”っていう嬉しさ、ある種カタルシスのようなものを味わっていただきたい。
今日、初見で遊んでいただいて、まさにそういったご反応をいただけたのでとても嬉しいです。
楽曲制作も、ものづくりという面では近しい面があると思いますが、藤森さんが楽曲制作で大事にしていることはありますか?
藤森 僕は昔からずっと唯一無二な、自分にしかできない特別なものを作り続けていきたいという気持ちがあるんです。
頭の中でいろんな役割分担があるんですよ。何も考えずに真っ白な部屋で白い紙にずっとグリグリ絵を描いている子という無垢な自分がいて、その子が描いたものを、大人の作曲家としての自分が解釈して、さらに皆にこの面白さを伝えるにはどうすればいいかを考えるプロデューサー的な役割の自分とか。
頭の中でいろんな自分と対話するようにして作ってるんです。
いかに才能やセンスを引き出すか。
──浅井大樹
藤森さんから違う分野のクリエイターである浅井さんに聞いてみたいことはありますか?
藤森 僕は小さなコミュニティで制作してるので、浅井さんみたいな開発チームという大きなコミュニティをまとめ上げて1つの作品を作っていく方はすごく大変なことだと思うんですけど、心掛けていることはありますか?
浅井 チームだと、僕だけじゃ出てこないアイディアとかがどんどん出てくるんです。それに、絵を描いたり難しいプログラムを書いたり、僕にできないことをチームのみんながやってくれる。そういう意味では、彼らからいかにそういった才能やセンスを引き出すかに注力するというのはありますね。
このゲームも、“こういう感じのゲームを考えてるんだよね”というちょっとした雑談をもとにエンジニアが組んでくれて、そこにデザイナーが絵をつけてくれて、形になってみたら“面白いじゃん”というのが始まりでした。そこからは、それをいかに良くしていくかを皆で試行錯誤していく……例えるなら、チームで作ったセンスのスープみたいなものがあって、これをいかに美味しくしていくかみたいな感じですね。
でも、ライブ・ステージを作るのもけっこう似たようなところがありませんか?
藤森 確かにそうかもしれないですね。ライブで言うと、ベースの子(森野光晴)がMCの流れとか、どういう順番で曲をやれば盛り上がるかとかを考えてくれてるんです。ドラム(木村浩大)はバンドで唯一の陽キャなので、雰囲気を作ってくれたり、いろいろバランスを取ってくれてるし。
ほかにも、僕らの音を出してくれるPAさんとか、照明さんとか、楽器周りのローディーさんとか……こうして考えてみると、僕にも大きなチームがありました。
浅井 そうですね。チームで1つの良いものを作ってるんだなという印象をすごく受けました。
『Heavenly Guitars』を遊ぶうえで、どのような体験をしてもらいたいですか?
浅井 このゲームをきっかけにしてギターの世界に触れていただいて、ギターって楽しいんだなということに気づいていただけるとすごく嬉しいです。
本作をきっかけにギタリストやゲームのプレイヤーたちの音楽の楽しみ方や知識が広がっていくと楽しい未来が待っているんじゃないかなと思います。
藤森 今はまったくギターを弾けない子がこれからギターを体験するのにすごく良いなと思いましたね。最初はきっとエフェクターとかは何が何やらだと思うんですけど、やっていくうちにどんどん“なるほど”って学んでいける。
なので、これからギターを始める人には絶対に良いし、現在ギターが大好きな人たちにもハマる要素がたくさんあるので、めっちゃ楽しめると思います!
浅井大樹 プロフィール
あさい・ひろき●元シナリオライター/ゲームデザイナー。『クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ』、『白猫プロジェクト』など、トップタイトルをプロデューサーとして指揮。SNSを用いたユーザー・コミュニケーションを精力的に行ない、“浅井P”の名前で親しまれる。現在、パンドラのCOOとして『Heavenly Guitars』を始め、数々のタイトルのプロデューサーとして活躍。
藤森元生 プロフィール
ふじもり・げんき●宮崎県出身。3人組ロック・バンド=SAKANAMONのギター・ボーカルとして、2012年にメジャー・デビュー。2023年にはアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の劇中バンド=結束バンドの楽曲として「光の中へ」を提供。2026年3月20日(金・祝)にSAKANAMON初の主催サーキット・フェス「UOOO!! 2026」を東京・渋谷にて開催する。
「UOOO!! 2026」チケット https://t.livepocket.jp/e/uooo2026
Interview
永田博丈(ソネットゲームスタジオ株式会社 代表取締役社長/So-net Entertainment Taiwan Limited 董事長兼CEO)
続いては、『Heavenly Guitars』の開発会社“ソネットゲームスタジオ株式会社”の代表取締役社長=永田博丈氏に話を聞く。自身もギターを愛する者の1人として、本作に並々ならぬ熱意を込めたという永田。ギターを演奏する楽しさを可能な限りゲームに落とし込んだ、その気概を語ってもらおう。

ゲーマーとギタリストの両者を巻き込んだ
ムーブメントを起こせるゲームにしたい
初めに、永田さんのギター遍歴を教えて下さい!
中学生の頃にギターを始めて、高校では軽音楽部でバンドをやっていました。当時はバンド・ブームの全盛期だったんですが、そのブームが去ってから30年くらいギターから離れてしまっていたんです。それから4~5年前にもう1回ギターを始めて、今はもう沼にハマってます(笑)。
エフェクターも定番から揃え始めてどんどん買い換えたり、ギターもミドル・クラスのコスト・パフォーマンスが良いものを多数持ちつつ、最近では中古のギターを買って、パーツを全部変えて改造したり。はんだごてを買ったら最後、そればっかりやってる(笑)。
本当に沼にハマっていってますね(笑)。
もともとハードロックが大好きで、学生の頃はもうとにかくイングヴェイ・マルムスティーンやザック・ワイルド、ジョージ・リンチとか、70年代から80年代の洋楽ハードロックを聴いてました。
ギターにまたハマり始めてからはとにかくいろんなことをやりたくなって、ジャズも弾いてみたり、ネオソウルとかを練習したりしてます。
では、『Heavenly Guitars』の開発のきっかけを教えて下さい!
今のゲーム業界は非常に競争が厳しくて市場的に厳しい状況にあるんですけど、そんな中でもほかとは違う尖ったものを作りたい思いがありました。そこでプロデューサーと相談する中で、“永田さんが好きなものでやりましょうよ”って言ってくれたのがきっかけです。
ゲーマーとギタリストって一見馴染まないように見えるんですけど、ゲームをしないギタリストが、このゲームだったらやってみようとか、ギターにはまったく興味のないゲーマーが、このゲームをやることをきっかけにギターに興味を持ってくれたりとか、そういった両者を巻き込んだムーブメントが起こせるようなゲームにしたいという思いで始まりました。
ギター的にかなりこだわったゲームに感じました。
そうですね。こだわりをとことん詰め込みたいのと、あくまでゲームなのでわかりにくくなってはいけないという2つのバランスがあって、その中間を模索するように開発や企画の方達とこちらの意見を合わせていきました。
例えば、演奏中にエフェクターをポンと踏むと音にエフェクトがかかって高得点が取れたり、エフェクターの並び順によって能力値が変わったり……プレイ方法も、左手で押さえながら右手で弾くようにしたり、なるべくギターと近い雰囲気にしています。
ギターもエフェクターもたくさん種類があって選ぶのが楽しいです。
作っている側も楽しかったですね(笑)。ギターの3Dモデルができた時に、“この形でこのパーツの位置じゃ実際に製造できないだろ”とか(笑)。
そんなことをやりながら……本当にギターを作ったような気持ちになりました。
ちゃんと弾けないとギターから音が出ないというのもシビアで面白かったです。
しかもピッキングだけじゃなくてタッピングをイメージした弾き方もあったりして、上手く弾けると気持ちいいんですよね。
『Heavenly Guitars』を遊ぶうえで、どのような体験をしてもらいたいですか?
ギター好きの方にはギターのカスタマイズにこだわり、自分だけのギターを育て、とことんマニアックに遊んでほしいです。
そうでない方は、ギターの種類やエフェクター、アンプとは何かというのをゲームを通して自然に知ることができるので、これがギターを始めるきっかけになれば嬉しいです。
ギタマガ読者へ一言お願いします!
読者の方々は、ギターの魅力をもう十分に知っていたり、ギターに興味を持っている方だと思います。私たちもその世界に一緒にハマっていきたいですし、楽器としてのギターだけじゃなくて、ゲームという異なる世界でも一緒にギターを楽しんでいくことができたらいいなと思います!
永田博丈 プロフィール
ながた・ひろたけ●ソネットゲームスタジオ株式会社 代表取締役社長、So-net Entertainment Taiwan Limited 董事長兼CEO。2011年から台湾に在住し、日本と台湾を行き来する経営者。ゲームや音楽制作等の多くのエンタテインメント事業を立ち上げた実績を持ち、『Heavenly Guitars』企画立案者の1人でもある。エレキ・ギターやエフェクターをこよなく愛する自称マニア。
Heavenly Guitarsに関する問い合わせ:
ソネットゲームスタジオ株式会社 https://www.heavenly-guitars.com/contact

