Photo credit: Rob Arthur
ピーター・フランプトンの新たなシグネチャー・ギター、Peter Frampton “Phenix” Les Paul Custom VOSがギブソンより発売される。
本モデルの元となったのは、1970年代後半に空前のヒットを記録した2枚組ライブ・アルバム『フランプトン・カムズ・アライブ!』のカバー(裏側)を飾った1954年製のレス・ポール・カスタムだ。
アルバムの大ヒットにより、その3つのピックアップを持つ黒いギターは彼のアイコンともなったが、1980年、輸送中の貨物機の墜落事故により南米で行方不明となってしまう。しかし、その後30年以上の時を経て本人の手元に戻るという奇跡的な出来事があり、“フェニックス”(不死鳥)という愛称で呼ばれるようになった。
そのレス・ポール・カスタムを再現したモデルとしては、ギブソンが2015年に限定生産したPeter Frampton “Phenix” 1954 Les Paul Customがある。それは事故で負った傷も含めて細部を精巧なエイジド加工で再現したモデルだった。またギブソン傘下のエピフォンからも、2018年にPeter Frampton Les Paul Custom PROが発売されている。
今回発表されたPeter Frampton “Phenix” Les Paul Custom VOSは、1970年代当時のフランプトンが使用していたオリジナル・モデルを、ギブソンのカスタムショップが忠実に再現したものだ。スペックは未発表だが、写真で見る限りエイジド加工は施されていない。そのルックスはまさに、若き日の彼が持っていた“あの”レス・ポール・カスタムだ。
このギターについてのフランプトン本人のインタビューを次の動画で見ることができる。英語だが、ここで彼が語っているのは、オリジナルのモデルを入手した経緯や、それが事故後30年以上を経て自分の手元に戻ってきたときのこと、そしてオリジナル・モデルから今回の新モデルに引き継がれた配線の秘密などだ。ホストはギブソンのブランド・エクスペリエンス・ディレクターであるマーク・アグネシが務めている。
この新モデルに対するフランプトンのコメントは次のとおり。
私の最新シグネチャー・モデルのギブソン・レスポール・カスタムVOSが完成し、最高の気分です! ルックスとサウンドともに、これ以上はないと言えるほど満足しています。ギブソンは、伝説となった私のPhenix Les Paul Customのサウンドを再現するために尽力してくれました。 素晴らしいネックのフィーリングと、軽量なボディによる抜群のプレイアビリティも実現しています。! これは、まさしく最高の一品です。ありがとう、ギブソン!
またギブソン・ブランズの製品開発責任者であるマット・ケーラーは次のように述べている。
このプロジェクトでピーターと一緒に仕事ができたことは、光栄かつ特別体験でした。カスタムが誇る最新の技術とクラフツマンシップにより、ピーターのアイコニックなレスポールのフィーリングとサウンドを持つギターが完成しました。このギターによって、ピーターの音楽史に残る偉業に敬意を表すことができ、たいへん嬉しく思います。ピーターがそうであったように、このギターはプレイヤーをインスパイアする特別なものになるでしょう。
本モデルの日本国内での発売時期は2021年5月の予定だ。
ピーター・フランプトン プロフィール
*Gibson Guitar Corporation Japanの公式資料より全文を引用
フランプトンの偉大なキャリアは、16歳の時にイギリスのバンド、「ザ・ハード」のリードシンガー兼ギタリストとして始まりました。18歳の時には、最初のスーパーグループの一つである「ハンブル・パイ」を共同で結成しました。5枚目のソロアルバム『フランプトン・カムズ・アライブ!』は、全世界で1700万枚以上のセールスを記録し、今もなお最も売れているライブ・レコードのひとつです。2007年には『フィンガープリンツ』でグラミー賞「ベスト・ポップ・インストゥルメンタル・アルバム」を受賞し、2014年にはミュージシャンの殿堂入りを果たしました。
ピーター・フランプトンはこれまで、デヴィッド・ボウイ、スティーヴィー・ニックス、グレッグ・オールマン、 リンゴ・スター、レイナード・スキナード、チープ・トリック、スティーヴ・ミラー・バンド、ビル・ワイマンズ・リズム・キングスといった音楽界のトップ・ミュージシャン達とツアーで共演してきました。またフランプトンのセッションワークには、ジョージ・ハリスン、ハリー・ニルソン、ジェリー・リー・ルイス、ジョン・エントウィッスル、マイク・マクレディ、マット・キャメロン(パール・ジャム)など、音楽業界に足跡を残したアーティストとのコラボレーションが含まれています。最近リリースされた回顧録『Do You Feel Like I Do?』はニューヨークタイムズ誌のベストセラーにラインアップされました。