フェンダー/常田大希シグネチャー・スウィンガー フェンダー/常田大希シグネチャー・スウィンガー

フェンダー/常田大希シグネチャー・スウィンガー

King Gnuの常田大希がフェンダーから自身初のシグネチャーを発表! ユニークなルックスの日本製スウィンガーを元に大幅なカスタマイズを施し、より太く芯のあるサウンドで快適な演奏性を実現したモデルだ。ここでは、本器の実態を解剖し、その魅力を紹介していこう。

文:井戸沼尚也

※本記事はギター・マガジン2021年11月号に掲載された『フェンダー/常田大希シグネチャー・スウィンガー』を再編集したものです。

Fender/Daiki Tsuneta Swinger

FRONT
BACK

スウィンガーのルックスを活かし、サウンドや演奏性を大胆にカスタマイズ

 King Gnuのフロントマンとして圧倒的な存在感を放つ常田大希のシグネチャー・モデル、“DaikiTsuneta Swinger”が、今年の限定生産品として発売された。

 本器は日本製スウィンガーをベースに、常田の要望を取り入れて大幅なカスタマイズを施したもの。まずその魅力の1つが、24インチのショート・スケールのネックと軽量なバスウッド・ボディからはイメージできない、太くパワフルな音だ。

 ピックアップには常田が愛用しているソープバー・タイプのものを搭載。また、カッティングや激しい歪みに対応するためハイパス・コンデンサーを搭載し、ボリュームを絞るとエッジの効いた音が、上げると太い音が出る仕様だ。

 常田は“小洒落たカッティングをしたり、ギャンギャンに歪ませたり、ぶん投げたり、部屋に飾ったり。この子は何をどうしてもかっこいい”と本器の仕上がりに深く満足している様子。

 加えて、専用のシンクロナイズド・トレモロとロック式チューナーの組み合わせによって、複雑なコード・ワークや激しいアーミング時にも安定したピッチを確保できる。

 また、ボディ・カラーやマッチング・ヘッドなど、ビンテージ・ライクな見た目も本人がこだわったポイント。

 現在常田が使用している本器はレリックで使い倒した外観となっており、“これを手に入れたら、俺のと同じくらいボロボロになるまで練習してほしい”と述べている。

ブリッジにはシンクロナイズド・トレモロを搭載。ビンテージや現行品のシンプルなブリッジと違い、より正確なピッチの調整とアーミングが可能。
スウィンガー史上で初めて、メタルカバーを装着したソープバー・タイプのピックアップを搭載。キレがありながらも粘りもある、唯一無二の音を生み出す。

【SPECIFICATIONS】
●ボディ:バスウッド ●ネック:メイプル ●指板:メイプル(R=241mm) ●フレット:22 ●スケール:610mm ●ピックアップ:ソープバー×2 ●コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター ●ブリッジ:6サドル・ビンテージ・スタイル・シンクロナイズド・トレモロ ●ペグ:デラックス・キャスト/シールド・ロッキング ●カラー:ビンテージ・ホワイト●付属品:ギグバッグ

【価格】
165,000円(税込)

【問い合わせ】
フェンダーミュージック TEL:0120-1946-60 http://fender.co.jp

常田が母体に選んだスウィンガーとは?

機材提供:GUITAR TRADERS /撮影:星野俊

69年の登場から今日まで根強い人気を誇るスウィンガー

 常田シグネチャー・モデルの母体となっているのは、2019年に発売された日本製スウィンガー。好事家の間で密かな人気を博していたビンテージのスウィンガーを現代的にアレンジしたもので、69年に製造されたものが1PU仕様/ 21フレットであったのに対し、復刻版は2PU仕様(LTDモデルはオリジナル同様1PU)、22フレットを採用。

 ビザールな存在感が愛されているこのスウィンガーを、大胆にカスタマイズしたのがDaikiTsuneta Swinger なのだ。ユニークなボディ・シェイプはそのままに、ピックアップやブリッジの変更、オリジナルのピックガード、メイプル指板、ロックペグ式を採用している点がオリジナルとの違い。

日本製の現行モデル


1969年の登場からカルト的な人気のあるスウィンガーが、2019年に日本製として復刻したモデル。これがきっかけで常田もスウィンガーに注目したそうだ。

1969年製

当時USA工場で作られた69年製のオリジナル・スウィンガー。生産数が非常に少なく、当時のカタログ外モデルだったこともあり、幻のモデルと謳われた。