コーネル・デュプリー没後10年 最終作『Doin’ Alright』がホーンを追加してLP化 コーネル・デュプリー没後10年 最終作『Doin’ Alright』がホーンを追加してLP化

コーネル・デュプリー没後10年 
最終作『Doin’ Alright』がホーンを追加してLP化

ブラック・ミュージックの名曲の数々を彩ってきたギタリスト、コーネル・デュプリーが2011年5月8日にこの世を去ってから10年が経った。この節目となる年の特別企画として、遺作となった『Doin’ Alright』の楽曲にホーン・セクションをプラスしたアナログLPが、12月15日にP-VINEから発売された。

当時のレコーディング・メンバーはコーネル・デュプリー(g)のほかに、鍵盤にニック・コネリー(p)、マイク・フラニジン(org)、ベースにロニー・ジェームス、ラリー・フレッチャー、ジョージ・ポーター、ドラムにバリー・E・スミス、そしてサックスにカズ・カザノフ。

デュプリーのアグレッシブなプレイを引き出すため、“ブルースを弾けるジャズ・プレイヤーではなく、ジャズも弾けるブルース・プレイヤー”という観点で集められたバンド・メンバーだった。

今回の企画では、オリジナル盤の12曲(日本盤はボーナス収録も含め13曲)から8曲がピックアップされ、ギターのテイクはそのままに、カズ・カザノフがアレンジを担当したテキサス・ホーンズによるパートを追加。ゴージャスなアレンジでデュプリーのプレイを盛り立てている。

ギターの演奏は(残念ながら)当然同じテイクではあるが、ホーン・セクションによるサポートで聴こえ方が変わり、作品としては別モノとして楽しめるほど印象は違ってくる。

例えば「I Ain’t Got You」のニックによるエレピ・ソロの裏で、コード・オブリによるバッキングを聴かせるギターに呼応するように、オモテでホーンによるアクセントが入る。休符ですらグルーヴさせるギターと、その隙間を活かしたアレンジに、かつての名歌伴っぷりを想起する人もいるはず。

素晴らしい出来のオリジナル・アルバムと聴き比べるのも一興だろう。没後10年を迎えた名手を偲び、本作を含めた彼の参加作品をぜひチェックしてみてほしい。

作品データ

『Doin’ Alright』
コーネル・デュプリー・フィーチャリング・ザ・テキサス・ホーンズ

P-VINE/PLP-7767(アナログLPのみ)/2021年12月15日リリース

―Track List―

A1.Doin’ Alright
A2.I Ain’t Got You
A3.CL Blues
A4.Squirrel

B1.Ham
B2.Honky Tonk
B3.The Bird
B4.KC

―Guitarist―

コーネル・デュプリー

Tag:
Cornell Dupree