2000年の発売以来、プロ/アマ問わず数多くのギタリストを魅了してきたLine 6のDL4。このディレイ・モデラーの金字塔があらゆる面で現代的にアップデートされ、DL4 MkIIとしてリニューアルされた。
従来モデルのシンプルなユーザー・インターフェースは継承しつつ、定評のあるHXファミリー・アンプ/エフェクトから15種類の新たな“MkIIディレイ”を搭載し、軽量小型化・多機能化を実現。筐体には過酷な使用環境にも耐えうるアルミニウムを採用している。
発売開始は2022年3月26日を予定。
まずは以下で従来のDL4からの変更内容を簡単に見ていこう。
DL4 MkII | DL4 | |
---|---|---|
ディレイ・エフェクト数 | 30 | 15 |
リバーブ・エフェクト数 | 15 | × |
ルーパー | ◯(2モード) | ◯ |
ルーパー最長Rec時間(フル/ハーフ) | 120秒/240秒(microSDで拡張可) | 14秒/28秒 |
1/4″インプット | 2 | 2 |
1/4″アウトプット | 2 | 2 |
XLRインプット | 1 | × |
EXP端子 | 1 | 1 |
MIDI端子 | IN&OUT/THRU | × |
USB端子 | ◯ | × |
microSDスロット | ◯ | × |
電源 | 9V DCアダプター | 9V ACアダプター |
サイズ(W×D×H) | 235×114×51mm | 250×150×55mm |
重量 | 0.92kg | 1.75kg |
表からもわかるとおり、サイズもコンパクトに、重量も約半分と軽量化を実現しながら、従来モデルの機能をほぼすべて網羅したうえで大幅なアップデートが施されている。
さっそく注目のポイントを抜粋して見ていこう。
ディレイ・モデルの増加
従来のディレイ・モデルは“Legacy”ディレイとしてそのほとんどがラインナップされ、新たに“MkII”ディレイ・モデルが加わり、その数は30(※ルーパー機能を除く)となった。
モデル・セレクターの操作は従来どおりで、“ALT/LEGACYスイッチ”で2つのカテゴリーを行き来できる。以下が各カテゴリーのラインナップだ。
MkIIディレイ・モデル | Legacyディレイ・モデル | |
---|---|---|
1 | Vintage Digital | Digital |
2 | Crisscross | Digital w/Mod |
3 | Euclidean | Echo Platter |
4 | Dual Delay | Stereo |
5 | Pitch Echo | Ping Pong |
6 | ADT | Reverse |
7 | Ducked | Dynamic |
8 | Harmony | Auto-Vol |
9 | Heliosphere | Tube Echo |
10 | Transistor | Tape Echo |
11 | Cosmos | Multi-Head |
12 | Multi Pass | Sweep |
13 | Adriatic | Analog |
14 | Elephant Man | Analog Mod |
15 | Glitch | Lo Res Delay |
リバーブ機能の追加
“MkII”での大きなトピックの1つとして、“シークレット・リバーブ・モード”の追加が挙げられる。15タイプのリバーブが搭載され、内蔵のディレイと併用することはもちろん、ディレイ→リバーブの直列/リバーブ→ディレイの直列/リバーブ&ディレイで並列、といったルーティング順序も選ぶことができる。各リバーブ・タイプの詳細な機能は公式HPに任せて、ここではモデル名だけご紹介しておこう。
1 | Room |
2 | Searchlights |
3 | Particle Verb |
4 | Double Tank |
5 | Octo |
6 | Tile |
7 | Ducking |
8 | Plateaux |
9 | Cave |
10 | Plate |
11 | Ganymede |
12 | Chaamber |
13 | Hot Springs |
14 | Hall |
15 | Glitz |
ルーパー機能の進化
ルーパー機能の大きなアップデートも、“MkII”のトピックだ。ループの録音時間が最長240秒(ハーフ・スピード・モード)と、従来の28秒から飛躍的に長くなった。さらに、microSDをインサートすることにより、数時間にも拡張することが可能となる。また、microSDに録音したループは本体電源をオフにしても記録されているため、一度録音した音源を再利用ができる。
さらに、従来の操作性を踏襲した“Classic Looper”のほかに、TAPスイッチを踏むことで即座にルーパー機能にアクセスすることができる“Swtich Looper”モードも搭載されている。
入出力端子の充実
入出力端子がアップデートしたのもポイントだ。バック・パネルの写真とともに、その進化を見ていこう。
まず、ステレオ・イン/アウトとエクスプレッション・ペダルへの対応は従来どおり。追加されたのはMIC端子のXLR入力と、そのレベル調整ツマミ、MIDIイン/アウト/スルー、USB、micro SDスロットだ。
MIDIへの対応によって、従来は3つだったユーザー・プログラマブル・チャンネル数が128に拡張可能に。MIDIコントローラーなどと組み合わせて使用する現代的なギタリストにとって、これはかなりありがたいアップデートだろう。
micro SDスロットは前述のとおり、ルーパーの機能拡張を助けてくれる。また、USB端子は本体ファームウェアのアップデートで使用可能だ。
さらに、写真をよく見るとわかるとおり電源が“9VDC 500mA”で、一般的な9Vアダプターで駆動してくれるのもポイントだ。
3種類のバイパス・タイプ
バッファード/DSP/トゥルーの3種類からバイパス・タイプを選択可能。バッファード及びトゥルー・バイパスは、 入力信号をA/D/A変換することなく、ダイレクトに出力することができる。
そのサウンドや操作性などは、以下の公式チュートリアル動画でチェック!
多くのプロ・ギタリストたちをも魅了してきた名機の進化を、ぜひ楽器店などで体感してほしい。
Line 6
DL4 MkII
【スペック】
ディレイ・エフェクト数:30
リバーブ・エフェクト数:15
ルーパー最長Rec時間(フル/ハーフ):120秒/240秒(microSDで拡張可)
入出力端子:1/4″イン×2、XLRイン×1、1/4″アウト×2、EXPアウト、MIDIイン/アウト/スルー、USB、micro SD
電源:9V DCアダプター
サイズ:235(W)×114(D)×51(H)mm
重量:0.92kg
【価格】
希望小売価格:59,400円(税込) ※価格改定により2023年1月27日に記事内の記載を更新
【問い合わせ】
ヤマハミュージックジャパン Line 6インフォメーションセンター TEL:0570-062-808 http://www.line6.jp