flyingteapotより、オーバードライブ・ペダル“Gold Axe”が登場

　日本のハンドメイド・エフェクター・ブランドのflyingteapot（フライングティーポット）より、ブティック系オーバードライブ・ペダル“Gold Axe”が登場した。発売日は2023年11月18日（土）の予定だが、flyingteapotの公式サイトでは10月28日（土）より予約の受付が開始されている。

　Gold Axeは、名機ケンタウルスのサウンドを踏襲しつつ、さらに幅広く、作り込んだセッティングが可能なオーバードライブ・ペダルだ。

　ファットでリッチなサウンドから、タイトで現代的なサウンド、鋭く抜けるブライトなトーン、スムーズなミッドレンジ・トーンまでをこの1台に凝縮。オリジナル機をただ再現したものではなく、しっかりとflyingteapotのサウンドに仕上げられている。

コントロールについて

　一列に並ぶ3つのノブはOutput、Treble、Gainの基本的なコントロールで、直感的な操作が可能。

　3つのトグル・スイッチで選べるモードと特徴は次のとおりだ。

Bottom

モード：Normal／Fat／Tight
特徴：ローミッドの量をコントロールして、ビンテージ・スタイルなファット・サウンドからモダンなスッキリとしたサウンドまで対応可能。これによってTrebleを上げすぎることなく、抜けの良いサウンドメイクも可能になる。

Presence

モード：Normal／Edgy／Smooth
特徴：Trebleよりもさらに高音域をコントロールすることで、アタック感に影響する帯域を機材に合わせて調整する。シングルコイル・ピックアップにもハムバッカーにも合わせたサウンドメイクが可能。またTrebleコントロールと合わせて積極的に高音域を削ることで、ミッドレンジにフォーカスしたブースト効果も得られる。

Clipping

モード：Vintage／Wide／Modern
特徴：クリッピング素子を切り替えることで、Gainを上げた時にシャープな歪みや、ワイドレンジなサウンドを選択可能。Vintageモードではオリジナル機と同様のゲルマニウム・ダイオードを使用したサウンドになる。

　それぞれのトグル・スイッチに3つのポジションがあるため、選べるパターンは3×3×3の計27通りだ。そのため最初は複雑に感じられるかもしれないが、すべてのスイッチを上、真ん中、下と揃えることで大きく3パターンの音作りから始め、その上で好みに合わせて調整するといった使い方が推奨されている。

筐体のデザインとモデル名について

　筐体のデザインは、イラストレーターでありながら、バンドマン、エフェクター・マニアでもあるn_o_t_a氏の手によるもの。n_o_t_a氏は今回、flyingteapotの内部デザイナーとして起用され、同ブランドのスタッフとの相互の意見交換の結果、このデザインが生まれたとのことだ。

　またモデル名のGold Axe（金の斧）という名称は、ケンタウルスのオリジナル機のゴールド・カラーのイメージや、最上位であるというイメージからつけられた。

通常版と限定版について

　Gold Axeには、コストダウンのための仕様のそぎ落としをあえて行なわず、“無駄に贅沢”ともとれる仕様で製作された“限定版”も用意されている。

　サウンドのコンセプトや基本性能は通常版と限定版とで変わりはないが、限定版はすべてスルーホール・パーツを使用し、手ハンダで製作されている。また、ゲルマニウム・ダイオードやオペアンプ、ノブなども、通常版より入手困難なものや高価なものが採用されており、マニア向けのこだわりが詰め込まれた1台となっている。

　一方、通常版はスルーホールパーツとSMDパーツのハイブリッド基板を採用しているが、ダイオードやオペアンプもしっかりと選び抜いたものが使用されているので、エフェクター・マニアはこちらの基板も楽しめるだろう。