エピフォンがついにギブソン・スタイルのヘッド形状を採用! Kirk Hammett “Greeny” 1959 Les Paul Standard エピフォンがついにギブソン・スタイルのヘッド形状を採用! Kirk Hammett “Greeny” 1959 Les Paul Standard

エピフォンがついにギブソン・スタイルのヘッド形状を採用! Kirk Hammett “Greeny” 1959 Les Paul Standard

80年代以降のエピフォンで初めて、ギブソンの“オープンブック・ヘッドストック”を採用

2023年に創業150周年を迎えたエピフォンから、メタリカのギタリスト、カーク・ハメットの最新シグネチャー・モデル、Kirk Hammett “Greeny” 1959 Les Paul Standardが発売された。

Kirk Hammett "Greeny" 1959 Les Paul Standard(前面)
Kirk Hammett "Greeny" 1959 Les Paul Standard(背面)

本モデルはカーク・ハメットが所有する1959年製レス・ポール・スタンダードをベースにした1本で、エピフォンとギブソン・カスタムショップのコラボによって誕生した“Inspired By Gibson Custom Shop”のラインナップとしてリリースされた。

カーク・ハメット
Kirk Hammett “Greeny” 1959 Les Paul Standardを手にするカーク・ハメット

そして、本モデルの大きなトピックの1つが、1980年代以降のエピフォンとして初めて採用されたギブソンの“オープンブック・ヘッドストック”だ。

ヘッド(表)

ヘッド(裏)

さらに、このヘッドのスペックについて、今後も“Inspired By Gibson Custom Shop”のラインナップには継続的に採用されるという、ギブソン・ブランズの製品部門の責任者であるマット・ケーラーのコメントがあった。以下に全文を掲載しよう。

カークは、 新たな“Epiphone Inspired By Gibson Custom Shop”シリーズの“グリーニー”が自身の所有する伝説的なオリジナル・ギターと同じサウンドやフィーリングとなるよう、あらゆる面で私達に協力してくれました。

私達にとって、このギターをいかにオリジナルに近づけるかが非常に重要でしたが、結果的に彼がプロトタイプを頻繁にステージで使用していることから、カークにとって満足のいくギターができた、と自負しています。

エピフォンとギブソン・カスタムショップのチームは、継続的なコラボレーションにより、ギターの材料やアイディアを進化させています。

今後“インスパイアード・バイ・ギブソン・カスタムショップ”のシリーズからリリースされるギターは全てギブソンのヘッドストック形状が採用される予定です。

まさにこの“グリーニー”はその最初のギターとして相応しいモデルで、今回リリースできたことを非常に嬉しく思います。

──マット・ケーラー

ギブソン・ブランズ・ジャパン株式会社プレスリリースより

気になるほかのスペックは?

Kirk Hammett “Greeny” 1959 Les Paul Standardは、トップにAAAフレイム・メイプルを持つマホガニー・ボディ、1ピース・マホガニー・ネック、インディアン・ローレル指板という材構成。ボディ・フィニッシュは“Greeny Burst”と名づけられている。

ピックアップにはギブソンUSA製の“Greenybucker”を2基搭載。オリジナルの“Greeny”と同様、フロント・ピックアップが逆向きにマウントされており、センター・ポジションではアウト・オブ・フェイズの特徴的なサウンドが得られる。

2基のピックアップ

コントロールは3ウェイ・トグル・スイッチ、2ボリューム、2トーンで、CTSポットとMalloryキャパシターを採用。また、フロントに効くコントロールがトップ・ハット・ノブで、リア側がメタル・トップのリフレクター・ノブと種類が分かれている。これもオリジナルを踏襲したものだ。

コントロール部

また本器には、ビンテージ・スタイルのハードシェル・ケースが付属する。外装はブラウンで“Epiphone Inspired By Gibson Custom Shop”のロゴがあしらわれている。

ハードシェル・ケース

カーク・ハメットが所有する“Greeny”

“Greeny”を弾くカーク・ハメット
オリジナルとなった1959年製“Greeny”を弾くカーク・ハメット(Photo by Kevin Winter/Getty Images)

カーク・ハメットが2014年に入手した1959年製ギブソン・レス・ポール・スタンダードが、エピフォンのKirk Hammett “Greeny” 1959 Les Paul Standardの元となった1本だ。

このオリジナルについて、簡単にふり返っていこう。

最初に所有していたのは、フリートウッド・マックのギタリスト、ピーター・グリーンで、彼の名前から“Greeny”の名がつけられた。

ピーターがジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズへ参加する際に入手したもので、1967年のアルバム『A Hard Road』のレコーディングでも本器が使用されている。

フリートウッド・マックでの活動でも多く使われたが、1970年にゲイリー・ムーアへと譲られる。フリートウッド・マックの前座としてスキッド・ロウが出演した際、ゲイリーがピーターからの影響を伝えたところ意気投合。ピーターからの提案で、ゲイリーが当時使用していたギブソンSGを売却し、そのお金を使って“Greeny”を購入した。

その後“Greeny”はゲイリーのメイン・ギターとなり、多くのレコーディングやライブで使用された。1995年にゲイリーがリリースしたピーター・グリーンへのトリビュート・アルバムには、『Blues for Greeny』というタイトルがつけられている。

Kirk Hammett “Greeny” 1959 Les Paul Standardでも再現されているノブの交換などは、ゲイリー・ムーアによって行なわれたものだ。

そしてゲイリーが“Greeny”を売却して、何人かのコレクターが所有したあと、2014年にカーク・ハメットの手にわたった。

以下は、ギブソン・カスタムよりKirk Hammett “Greeny” 1959 Les Paul Standardがリリースされた際の、ギブソンTVによるカークへのインタビュー動画(英語)だ。ここで彼はオリジナル“Greeny”に関するエピソードを語っている。


最後に、エピフォンのKirk Hammett “Greeny” 1959 Les Paul Standardについて、カーク本人が語ったコメントを掲載しよう。

“グリーニー”ギターは(私だけのものではなく)皆のギターであり、今回のリリースは、より多くのプレイヤーが“グリーニー”のスピリットを体験できるまたとないチャンスです。

──カーク・ハメット

ギブソン・ブランズ・ジャパン株式会社プレスリリースより

Epiphone Inspired By Gibson Custom Shop
Kirk Hammett “Greeny” 1959 Les Paul Standard, Greeny Burst

【スペック】
Body
Shape:Les Paul
Material:Mahogany
Top:Maple with AAA Flame Maple Veneer
Finish:Greeny Burst

Neck
Neck:One Piece Mahogany
Profile:Custom Greeny Profile
Nut width:43mm
Fingerboard:Indian Laurel
Scale length:628.65mm
Number of frets:22
Nut:Graph Tech
Inlay:Mother of Pearl Trapezoid

Hardware
Bridge:Epiphone ABR
Tailpiece:LockTone Stop Bar
Tuners:Grover Rotomatic with Spade Style Buttons
Plating:Nickel

Electronics
Neck pickup:Gibson USA Greenybucker with Reversed Magnetic Polarity; Reverse Mounted
Bridge pickup:Gibson USA Greenybucker
Controls:2 Volume, 2 Tone, 50s Wiring, CTS Potentiomenters, Mallory Capacitors

Case
Case:Vintage-style Hardshell with Tan Exterior, Pink Interior, and Custom Artwork

【参考価格】
206,800円(税込)

【問い合わせ】
ギブソン・ジャパン/エピフォン公式HP https://www.epiphone.com/ja-JP/