ギタリスト、作曲家、俳優、漫画家、アナウンサー、科学者らによるユニークなギター・コレクションを本人のインタビューとともに紹介
ムック『レイドバック・ギター・コレクション』が、リットーミュージックより2026年3月16日(月)に発売される。
本書はギター専門誌『ギター・マガジン・レイドバック』が連載してきた記事を1冊にまとめた本で、内容は、様々な分野で活躍する著名人たちが所有するギターのコレクションを、本人のインタビューとともに紹介したものとなっている。

登場する人物は次の11名(掲載順)。
- 伊藤銀次(ミュージシャン)
- 苫米地英人(認知科学者)
- ジョージ吾妻(日本エレクトロ・ハーモニックス社長)
- 高橋ツトム(漫画家)
- 宇崎竜童(作曲家、ミュージシャン)
- 高橋ジョージ(ミュージシャン/虎舞竜)
- 織田哲郎(作曲家、ミュージシャン)
- 江口洋介(俳優)
- 武田真一(アナウンサー)
- 木根尚登(ミュージシャン/TM NETWORK)
- ROLLY(ミュージシャン)
以下では各人のプロフィールとともに、本書の内容の一部を紹介しよう。
伊藤銀次(ミュージシャン)


本書で紹介されている伊藤銀次氏のコレクションは、現在のメイン・ギターである“2011 Fender 60th Anniversary Telecaster”を始めとするギターが9本と、ベースが1本。
インタビューでは、自身のギター遍歴に加え、大滝詠一に山下達郎を引き合わせた時のエピソードや、自身がプロデューサー/アレンジャーとして活躍することになったきっかけなどについても語られている。
なお、この伊藤氏のパートは『ギター・マガジン・レイドバック』の連載時にはなく、今回のムック化にあたって新規に取材されたものだ。
伊藤銀次[いとう・ぎんじ] プロフィール
1950年、大阪府生まれ。大阪歯科大学に入学し歯科医を志すも、バンド活動に勤しみ、のちに中退。ごまのはえとしてデビューする。その後、大滝詠一と出会いココナツ・バンクとして活動したが解散。1977年にはソロ・デビュー。その後、りりィ、松原みき、佐野元春などのバック・バンドでも活躍。さらに沢田研二のアレンジやウルフルズのプロデュースなどでも知られ、ギタリストに留まらず幅広く活躍している。
苫米地英人(認知科学者)


苫米地英人氏のパートでまず圧巻なのが、高層マンションの最上階に多数のギターを並べて撮影された写真だ。
紹介されているコレクションは、氏が「最初の生鳴りから驚かされた」と語る“1959 Gibson Les Paul MODEL ♯90347”を筆頭に、ギブソン、フェンダー、PRSのビンテージまたはレア・モデルが13本。さらにはダンブルのアンプが2台という、豪華なラインナップになっている。
インタビューによると、自身はギターのコレクターではまったくないが、「最高の音を求め続けているのと、禁断症状でギターを買ってしまうという2つの理由でギターが増えていく。」とのことだ。
苫米地英人[とまべち・ひでと] プロフィール
1959年、東京生まれ。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社。2年間の勤務を経て、フルブライト留学生としてイエール大学大学院に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。認知科学者、計算幾科学者、カーネギーメロン大学博士(Ph.D.)など多数の肩書きを持つ。現在は米国認知科学の研究成果を盛り込んだ能力開発プログラム「PX2」「TPIE」を日本向けにアレンジ。日本における総責任者として普及に努めている。
ジョージ吾妻(日本エレクトロ・ハーモニックス社長)


ジョージ吾妻氏のインタビューから感じられるのは、ハードロック/ヘヴィメタルへの変わらぬ愛。
話題となったのは、ギターとロックに目覚めた中学〜高校時代のこと、本場のバンドを観るために果たしたアメリカ留学、帰国後のカルメン・マキとの活動、20代で出会った不動のメイン・ギター、ラウドネスとアンセムのプロデュース、キラー・ギターズの立ち上げ、など。
紹介されているコレクションは、その不動のメイン・ギターである“1976 Gibson Explorer”を始めとするギターが18本。加えて、氏が絶大な信頼を置くマーシャルのアンプとキャビネットも掲載されている。
ジョージ吾妻[じょーじ・あづま] プロフィール
1951年、東京都生まれ。米国より帰国後の76年にミッド・ナイト・クルーザーに参加。同バンド解散後、カルメン・マキと共にLAFFを結成し、78年にアルバム『LAFF』でメジャー・デビュー。その後、ジャパメタ・ブームを牽引した5Xでも作品を残す。解散後、ラウドネス及びアンセムのプロデューサーとして活躍。さらにキラー・ギターズを創業し、楽器の輸入代理をする日本エレクトロ・ハーモニックス代表の顔も持つ。
高橋ツトム(漫画家)


高橋ツトム氏のインタビューの内容は、パンク・バンドを結成していた学生時代から漫画家になるまでのことや、ギターをテーマにしたマニアックな作品『ギターショップ・ロージー』を描こうと思った理由など。
氏の所有ギターを紹介したページは「テレキャスターだらけの偏ったコレクション」と題されており、テレキャスターとTLタイプのギターだけが並んでいる。このテレへの“偏愛”ぶりはキース・リチャーズからの影響とのことだ。
なお、『ギターショップ・ロージー』の第0話(読み切り)に登場するラップ・スティール・ギターの“1930〜40’s Rickenbacker B6”や、連載の第1話に出てくる“1958 Fender Telecaster”、第2話の“1963 Gretsch Jet Firebird ♯6131”の写真と解説は、インタビューのページに掲載されている。
高橋ツトム[たかはし・つとむ] プロフィール
1965年、東京都出身。学生時代にはパンク・バンドを結成し、並行して暴走族にも所属。その後、1989年『地雷震』で漫画家デビュー。『スカイハイ』、『爆音列島』、『SIDOOH/士道』などの作品を手がける。代表作『スカイハイ』はシリーズ連載でドラマ化、映画化されている。
宇崎竜童(作曲家、ミュージシャン)


意外にもギターについての取材はこれが初めてという宇崎竜童氏だが、本書では本人のセレクトによるギターおよびバンジョーが20本紹介されている。
ラインナップは、ジャズ・バンドとともに「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」等を演奏する時に使う“2003 GRETSCH 7594 WHITE FALCON”や、1980年に作られた宇崎氏のシグネチャー・モデル“ARIA PRO II US-1000”など。
インタビューでは、アマチュア時代からダウン・タウン・ブギウギ・バンド結成までのエピソードや、作曲法、近年のソロ活動などについて語られている。
なお、山口百恵に提供した曲はすべてギターで書いたとのことだ。
宇崎竜童[うざき・りゅうどう] プロフィール
1946年2月23日、東京都生まれ。1973年、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドを結成し、シングル「知らず知らずのうちに」でデビュー。「スモーキン・ブギ」、「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」が大ヒット。さらに妻で作詞家の阿木燿子とのコンビで、山口百恵の「横須賀ストーリー」「プレイバックpart2」「さよならの向う側」等の名曲を生む。音楽家としてだけではなく、俳優、映画監督等、多方面で活躍する稀代のエンターテイナー。
高橋ジョージ(ミュージシャン/THE 虎舞竜)


高橋ジョージ氏のコレクションとして本書で紹介されている楽器は、エレクトリック・ギターが6本、アコースティック・ギターが7本、ベースが8本。そのほとんどはビートルズにちなんだものだが、ジョン、ポール、ジョージが使った楽器と同仕様のものをコレクションしているわけではない。
なぜなら「俺はビートルズとドンズバの楽器を求めているわけじゃなく、限りなく近い音が出る機材を選ぶのがポリシー」だからだそう。
またインタビューでは、アメリカでブルース・スプリングスティーンのライブを観て、その時に感動した曲をモチーフにしてTHE 虎舞竜の代表曲である「ロード」が生まれたことや、それがきっかけでテレキャスターを買い、生ギターも弾いて歌うようになったこと、そこが人生の分岐点になったことなども語られている。
高橋ジョージ[たかはし・じょーじ] プロフィール
1958年、宮城県生まれ。76年に上京。TROUBLEを結成し、82年シングル「Mr.リッケンバッカー」でデビュー。解散後、ジョニー大倉、内海利勝らとTHE PLEASEを組み一時期活動した。92年にTHE TROUBLEとして再始動し、「こっぱみじんのR&R」をリリース。93年にバンド名をTHE 虎舞竜に改名し、リニューアルした「ロード」が220万枚のダブル・ミリオン。以降、音楽だけではなく、タレントや俳優としても広く活躍している。
織田哲郎(作曲家、ミュージシャン)


高知から転校した先の東京の高校で北島健二と出会い、彼から譲り受けたグレコのフライングVタイプが最初のエレキ・ギターだったという織田哲郎氏。
その後、WHYで北島と共にデビューを果たすが、ギターは北島に任せ、自身はギターから離れていた時期もあったという。
この頃のことについて織田氏はインタビューの中で「一度ギターを捨てたのは、正解だったと思う。」と語っているが、これはその後に華開いた作曲家/プロデューサーとしての輝かしいキャリアがあってこそだろう。
その一方で、レコーディングで自身が弾いたギターには自信作も多いようで、特に気に入っているものとして相川七瀬の作品をいくつか挙げている。さらに2015年からは、自身がライブでギターを弾くためのバンドであるROLL-B DINOSAURも始動させている。
本書ではそうした氏のコレクションとして、エレクトリック・ギター11本と、アコースティック・ギター8本が紹介されている。
織田哲郎[おだ・てつろう] プロフィール
1958年、東京都生まれ。1979年、同じ高校出身のギタリスト北島健二と共にプロデュース・ユニットWHYでデビュー。83年にはアルバム『VOICES』でソロ・デビュー。90年代には「世界中の誰よりきっと」、「負けないで」、「世界が終るまでは…」など、数々のミリオン・ヒットを生んだ稀代のヒット・メーカー。これまでに4,000万枚を超えるCDシングルセールスを記録し、日本音楽史上歴代作曲家売上げランキング第3位を記録している。2015年には、ダイアモンド⭐︎ユカイらとROLL-B DINOSAURを結成。2021年には相川七瀬の25周年ツアーにギタリストとして参加した。
江口洋介(俳優)


俳優としての仕事だけでなく、音楽活動も精力的に行なってきた江口洋介氏がこの取材の現場に持って来たのは、“1956 Gibson Les Paul”と“1962 Fender Stratocaster”の2本。
ギタリストなら誰もが憧れるビンテージだが、氏はこの2本に対し「自分はギタリストとは思っていないので、歌って自分と合わないギターは売ります。それは感覚的なことですが、今回持ってきたレス・ポールとストラトの2本には、歌った時の納得感がすごくありますね。」という、これまた納得感のあるコメントを寄せている。
このインタビューからはまた、ギターを始めたきっかけや、最初に購入したギターなど、ギター雑誌ならではの質問に丁寧に答える江口氏の姿がうかがえる。
江口洋介[えぐち・ようすけ] プロフィール
1968年、東京都生まれ。1987年に映画『湘南爆走族』で主役に抜擢。大ヒットとなったドラマ『ひとつ屋根の下』で主演し、多くのファンを獲得。その後も映画や舞台、ドラマなどで大活躍する。また1988年、「ガラスのバレイ」をリリースし、ミュージシャンとしてもデビュー。「愛は愛で」などのヒット曲でも知られる。デビュー35周年を迎えた2023年は過去作品がデジタル配信された。
武田真一(アナウンサー)


武田真一氏のコレクションとして紹介されているのは、エレクトリック・ギター2本、アコースティック・ギター1本、ウクレレ1本の計4本。
特に“2018 Gibson ES-355 with Bigsby VOS Sixties Cherry”は、高校3年生の時に知ったザ・スミスのジョニー・マーに憧れて手に入れたもので、実際に購入したのは元号が令和に変わった翌日とのこと。夢を叶えるまでに35年ほどの月日を要したことになるが、読者の中には似たような経験を持つ人も多いだろう。
また武田氏は、せっかくセミアコを手に入れたのでラリー・カールトンの「ルーム335」も練習した結果、「年齢に関係なくギターは上達すると思えたことがすごく嬉しかった」とインタビューの中で述べている。
さらには音楽から学んだことが自身のアナウンサーという仕事にも生きている、と語っている。
武田真一[たけた・しんいち] プロフィール
1967年、熊本県生まれ。中学で音楽に目覚め、高校でエレキを手にする。筑波大学卒業後、1990年にNHKに入局。アナウンサーとして、数々の報道番組を担当。2016年には紅白歌合戦の総合司会も務める。2023年からフリーとなり、現在は情報番組『DayDay.』(日本テレビ)の司会などでも大活躍している。
木根尚登(ミュージシャン/TM NETWORK)


このパートでは木根尚登氏のギター・コレクション(アコースティック・ギター9本とエレクトリック・ギター2本)が紹介されているが、インタビューの部分は木根氏と野村義男氏による対談になっている。
2人は宇都宮隆を通して約20年前に知り合ったのだが、それ以前の木根の野村に対する印象は“とても話しかけられない大スター”であり、逆に野村の木根に対するイメージは“寡黙な孤高のギタリスト”だったという。
木根はそのイメージを“誤解”だと言い、そこからの話題は、ファンの間で一時広まった“木根のエア・ギター説”、TM NETWORK「Get Wild」でのステップを踏みながらの演奏について、手放したギターが不思議と自分の元に戻ってくる話など、さまざまな方向へ流れてゆく。
本書の中ではやや異質だが、2人の人柄と仲の良さがわかる楽しいパートだ。
木根尚登[きね・なおと] プロフィール
1957年、東京都立川市出身。83年に小室哲哉、宇都宮隆とTM NETWORKを結成。作詞&作曲、ギター、キーボードなどを担当する。87年には「Self Control」、「Get Wild」の大ヒットで、人気バンドに上り詰める。89年には『CAROL』で小説家デビューし、40万部のヒットを記録。現在でも多方面で精力的に活動する。
野村義男[のむら・よしお] プロフィール
1964年、東京都中野区出身。79年に『3年B組金八先生』に出演し、たのきんトリオとして一世を風靡。83年には自身のバンド“The Good-Bye”を組み、日本レコード大賞の最優秀新人賞を受賞。バンド休止後はギタリストとして大活躍し、多彩なプロジェクトに参加。95年からは宇都宮隆のバックでも演奏している。
ROLLY(ミュージシャン)


ROLLY氏のギター・コレクションの特徴としては、ブランドが実に様々であることと、国産が多いこと、ほとんどは改造されていることなどが挙げられる。
またインタビューの中でROLLY氏は、ギターを買う基準として「ほとんどは見た目」、「余程のことがない限り、高いギターは買わない」、「特に最近は、安いギターを買っています」と述べている。
さらにフェンダーとローランドのコラボによって製作され、現在のメイン・ギターとなった“FENDER GC-1 GK-Ready Stratocaster”については、「僕が思い描いたことがすべてできます。ライヴを1本のギターだけで行なうことが僕の理想で、最終的にたどり着いたモデルがGC-1です。」と語っている。
こうした発言やコレクションのラインナップから、ROLLY氏が持つ独自のギター観が見えてくる。
ROLLY[ろーりー] プロフィール
1963年、京都府出身。大阪府高槻市育ち。本名は、寺西一雄。1982年、すかんちを結成し、1990年、シングル「恋のTKO」でメジャー・デビュー。「恋のマジックポーション」などの代表曲を残し、1996年に解散。その後はROLLY名義でのソロ、THE 卍の結成、プロデュース、テレビや映画への出演、CM、舞台など多方面で活躍する。
以上が『レイドバック・ギター・コレクション』の概要だ。
本書の発売日は3月16日(月)だが、Amazonなどではすでに予約が開始されているので、興味のある人は早速チェックしてみてほしい。

レイドバック・ギター・コレクション
| 品種 | ムック |
|---|---|
| 仕様 | 菊倍判 / 112ページ |
| 発売日 | 2026.03.16 |
| ISBN | 9784845644162 |