ギタリストが出くわしがちなシチュエーションを題材に、その解決方法を考えていく教則本『38のシチュエーションで学ぶ 宮脇流セッション・ギタリスト養成塾〜アドリブ・マスター・コース』。第23弾は、アコギ・デュオならではの切実な悩みについて。
【シチュエーション23】
当方弾き語りデュオ!
しかし曲作りはいつも相方任せ。
現場の風景
- 適当にコード進行を弾いてと頼まれるがうまくいかない。
- 相方は即興の曲作りが得意。
- 彼はコピーした曲のコード進行をノートにまとめているらしい。
当方デュオ、本気志向なり。ボーカル担当のK君はアコギも弾く。オリジナル曲を増やそうとして彼と一緒に曲作りをすることがあるのだが、いつもK君主導となってしまうのが悩みだ。
“あのさぁ、とりあえずなんかコード進行弾いてみてヨ、それに合わせて口ずさんでみるから”。K君はそう言ってプレッシャーをかけてくる。
“え? いきなりそう言われても……”。知ってるコードを適当に並べて弾いてみるものの、全然まとまらない。そんな姿を尻目に、K君はギターを弾きながら歌い始めるのだ、しかも即興で。
作り置きしておいたわけでもないのに、なんだか曲になっている! それにダイアトニック・コード以外も使っている模様。
そこで質問をぶつけてみた。“K君て、なんで即興にコード弾いてもうまくつながってるの?”。
K君は言う、“そういえば、コピーしてきた曲のコード進行一覧というのをノートにまとめたことがあったんだけど、それが役に立ってるのかな”。
(そ、そのノート貸して!)という心の叫びをグッと抑えつつ、わかりやすくていろんなコード進行が列挙してある即効性のある教則本はないものかと、楽器店の書籍コーナーへ足早に向かった。
定番的
コード進行を弾く
さて、世の中には無数ともいえるコード進行が存在するが、スムーズで心地よいと感じるものはかなり限られている。ここではダイアトニック・コードによる定番的なパターンを紹介しておこう。
これらのコード進行をかき鳴らしながらラララ〜と鼻歌を適当に歌ってみれば、それでオリジナル曲の完成。詞を作ってなんとなくメロディを形にしていくのもいいだろう。イカしてるぜ!と感じた曲のコード進行を拝借し、それに合わせてメロディを付けてオリジナル曲を作るというのも、作曲手法としては全然かまわないのだ。それぐらいの気軽さでEx-1を弾いてみよう。
なおここではコード進行のバリエーションを多く載せたかったので、2拍ごとにコード・チェンジするパターンを中心に示している。倍に伸ばして4拍ごとのコード・チェンジで弾いてもいいし、一部分だけ使ってもかまわない。なお、基準を明確にするためにここではキー=C(=Am)に統一しているが、キーを変えて弾くと、出しやすい声の音域などから、発想するメロディも違ってきたりする。またそういう実践によって、ダイアトニック・コードを数字として理解することにもつながるのだ。
『38のシチュエーションで学ぶ 宮脇流セッション・ギタリスト養成塾〜アドリブ・マスター・コース』
品種 | ムック |
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著者 | 宮脇 俊郎(著) |
仕様 | A4判 |
発売日 | 2020.08.24 |
ISBN | 9784845635283 |