ギタリストが出くわしがちなシチュエーションを題材に、その解決方法を考えていく教則本『38のシチュエーションで学ぶ 宮脇流セッション・ギタリスト養成塾〜アドリブ・マスター・コース』。第27弾は、裏コードを使ってジャズ・ブルースをさらに変身させるアレンジ術を学んでいこう。
【シチュエーション27】
ジャズ・ブルース・セッションで
ベーシストが裏コードを弾いてきた!
現場の風景
- ベースはG7の代わりにD♭7を想定しているようだ。
- よりエグくなって確かに成立している。
- 裏コードという言葉の妖しい響きが気になる。
前回(記事はこちら)学んだジャズ・ブルースのコード進行(Ex-1)でセッションしていた。スリー・コードだと飽き飽きしていたベーシストのB君も、水を得た魚のように弾きまくっている。
しばらくするとB君はDm7−G7のところ(9〜10、12小節目)で、D音−D♭音というベース・ラインを弾くようになった(Ex-2)。G7のコード音はD音(5th)なのに、ベースがD♭音を弾くとは見当違いもはなはなだしい(はず)。セッションの休憩時、B君にそのことを問いただしてみた。
“おいB君、キミはG7の時にD♭音弾いてるよね。半音ずれてやせんか?”、“ああ、それね、G7の裏コード、つまりD♭7を想定して弾いてるんよ”。“裏”……この言葉を聞いて思わずイケナイものを想像してしまいそうだった……。
表と裏、正反対、陰と陽。とにかく反対のものであるということはなんとなくわかる。そういえば昔、“ドラクエをクリアした!”と喜んでいたら、そのあとに暗い裏世界が存在していて、果てしないなぁ……と思ったこともあったっけ。まあそんなことも含め、ジャズ・ブルースの発展形を知りたいと思う今日この頃なのであった。
『38のシチュエーションで学ぶ 宮脇流セッション・ギタリスト養成塾〜アドリブ・マスター・コース』
品種 | ムック |
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著者 | 宮脇 俊郎(著) |
仕様 | A4判 |
発売日 | 2020.08.24 |
ISBN | 9784845635283 |