ギタリストが出くわしがちなシチュエーションを題材に、その解決方法を考えていく教則本『38のシチュエーションで学ぶ 宮脇流セッション・ギタリスト養成塾〜アドリブ・マスター・コース』。第30弾は、“血が騒ぐような”ギター・ソロを頼まれるシチュエーション。どうしたら、そんなソロが弾けるのだろうか?
【シチュエーション30】
以前一緒にジャムったビデオ屋の店長に、
“血が騒ぐような”ギター・ソロを頼まれた。
現場の風景
- ビデオ屋の店長にギター・ソロを頼まれた。
- 部分転調を意識したスケールはNG!?
- 転調なんか無視して弾きまくる正解もある?
ダイアトニック・コードやツー・ファイブなど、コード理論をずいぶん勉強した甲斐あって、バッキングならほぼ対応できるようになった。おかげでセッションやレコーディングに引っ張りダコの毎日。そんなある日、帰宅すると、留守電に一件のメッセージが入っていた。
“血が騒ぐような熱いソロをお願いできないか?”。
その依頼者は以前一緒にジャムったことのある、ビデオ屋の店長(すっかり風貌が変わった)。なんでも、歴史に残る名曲を作ったのでそのギター・ソロを録音してほしいということらしい。ギターを抱えて店長の家に行き、その曲を聴かせてもらった。
“オレのぉ〜燃えたぎる魂を〜♪ カモォーン、ギターッ!”に続くギター・ソロのコード進行には、1個だけややこしそうなコードがあった。E7だ(Ex-1)。普通なら“ミソシレ”からなるEm7となるはずだが、ここでは“ミ・ソ♯・シ・レ”からなるE7が使われている。ってことはCメジャー・スケールでは弾けないわけだ。
つまりここだけ部分転調している。よしソ#に変えてみよう。そんな判断から弾いたフレーズがEx-2。ところが店長は首を横に振ってる。“違う、違うんだ! 転調なんか無視して弾きまくれ!”(ぷっ、店長が転調の話、またこの展開だ)。
最終的に決まったフレーズがEx-3。思いっきり“ソ”を強調している。でもそれじゃコード音の“ソ♯”と合わないんじゃ?
『38のシチュエーションで学ぶ 宮脇流セッション・ギタリスト養成塾〜アドリブ・マスター・コース』
品種 | ムック |
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著者 | 宮脇 俊郎(著) |
仕様 | A4判 |
発売日 | 2020.08.24 |
ISBN | 9784845635283 |