ギター・マガジン2022年7月号の奏法企画は「マイケル・ジャクソンに学ぶ、ダンサブル&ポップなコード進行術」。キング・オブ・ポップが残した数々の世界的ヒット曲から、コード進行の妙を学んでいきます。作曲やバッキングに役立つアイディアが盛りだくさんなので、ぜひ本誌をチェックしてみて下さい! 今回はその中からお試しとして、「Billie Jean(ビリー・ジーン)から学べるボイシングのアイディアを抜粋してご紹介します。
文・譜例作成:安東滋 編集:久保木靖 浄書:石沢功治 Photo by Rich Pilling/GettyImages
※本記事はギター・マガジン2022年7月号『マイケル・ジャクソンに学ぶ、ダンサブル&ポップなコード進行術』から一部抜粋/再編集したものです。
Billie Jean(Key:F♯m)
ベース・ラインにスモール・コードを乗せる
ベース・ラインの上にスモール・コード(2~3音程度の小さいボイシング)を乗せて展開させていくのもMJソングの定番手法。そのナイスな効用を以下の典型サンプルで体感すべし!
スモール・ボイシングの連携で作る印象的なモチーフ
註1:譜例に記入した各コード・フォームは、キーボード類で演奏される楽曲全体の和音感をギター1本で体感できるようにモデリングしたものです。/註2:本トラックはピッチがやや高めなのでチューニングを要確認。
AメロからBメロにかけてのコード展開を模写したモデリング譜例(註1・註2)がこれ。本トラックの目玉は、重量感たっぷりにループするベース・ライン(図2)の上に乗る3音コードの連携モーション。この分解コンビネーションによって得られる動き感のある和音展開がAメロ部の印象的なモチーフとしてリスナーの耳に刷り込まれていく……という寸法です。
それを音使いの面で見渡すと、A部は基本コードのF♯mに対応するドリアン・スケールの中に含まれるトライアドを順に移動させていくアイディア、ということになります。そして、この曲もAのグルーヴ・セクションとBの展開パートのコントラストを効かせた曲作りの好例でもあります。
収録アルバム:『Thriller』(1982年)
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