フレディ・キングの“モダン・ストロング・スタイル”な必殺フレーズをTAB譜で紹介! フレディ・キングの“モダン・ストロング・スタイル”な必殺フレーズをTAB譜で紹介!

フレディ・キングの“モダン・ストロング・スタイル”な必殺フレーズをTAB譜で紹介!

毎週、1人のブルース・ギタリストに焦点を当てて深掘りしていく新連載『ブルース・ギター・ヒーローズ』。今回は、フレディ・キングの“テキサス発シカゴ経由”のモダン・ストロング・スタイルなギター・プレイを、TAB譜を交えながら解説しよう。

文/譜例作成=久保木靖

フレーズ①
“タメ”と“突っ込み”のコントラストがフレディ節

フレーズ①
フレーズ①
図1
図1

スロー・ブルースにおけるソロの出だしに見られるフレーズで、これは「Have You Ever Loved A Woman」を参考にしてみた。

アウフタクト部分を助走として、1小節1拍目でハーフ・“スクイーズ”・チョーキングをキメているが、その気合いの入った粘り腰に、この一発だけでノックアウトされること必至!

2小節4拍目における突っ込み気味のニュアンスで弾かれる、経過音とハーフ・アップ〜ハーフ・チョーキングを組み合わせたクロマチックな動きも得意技。

このように、“タメ”と“突っ込み”のコントラストがフレディ節のポイントだ。ポジションはともにマイナー・ペンタトニック・スケールの1〜2弦のみ(図1)。

フレーズ②
クロマチック連打のシーケンス・フレーズ

フレーズ②

ミディアム〜アップ・テンポの多くの曲のソロで登場する、定番の“盛り上げ”フレーズ。譜例は「I’m Tore Down」を参考にした、ブルース進行の6〜7小節目(サブドミナント→トニック)の部分だ(原曲はKey=D)。

マイナー・ペンタトニック・スケールの♭3rdと4thの間の♮3rdを経過音として活用し執拗にくり返す。このマイナーとメジャーの3rd音が連発されるインパクトが強く、これが聴こえると“あ、フレディのギターだ!”と気づくほど。ポジションは先に示した(図1)の右側3フレットの部分だ。

フレーズ③
コミカル&リズミカルなダウン・スウィープ

フレーズ③
フレーズ③

左手でコードを押さえておき、右手人差指で高音弦から低音弦に向かって、スウィープする手法。インスト・ナンバーでよく聴かれる技で、譜例は「Sen-Sa-Shun」の0:30過ぎを参考に作ったもの。1小節3〜4拍目がその部分で、“ウンキャララコッコ”とコミカルに聴こえる。

Key=Aだが、Amのコードを押さえ、ウラ拍でダウン・スウィープ(図2)。フレディは親指と人差指の2フィンガー・スタイルのため、この場合は人差指で[1弦→3弦]を擦るように弾き下ろしている。6弦5フレットをしっかりミュートして弾くこともポイントだ。2小節1〜2拍目も同様。

図2
図2