この連載セミナーは月〜金の16時に毎日更新される練習ドリルです。
スケールではなく、あえてコード・トーン(コードを構成する音)に限定したフレーズを繰り返し弾いていくことで、コード進行の流れに沿ったポジションを感覚的に身につけることができるようになります。
毎日8小節のドリルを公開していくので、1日1分だけトライしてみましょう!
文:日下義昭
*この記事は書籍『色分けタブ譜で理解度UP!コード・トーン反復ギター・トレーニング!』(リットーミュージック刊)の内容を転載したものです。
コード・トーンを巧みに操る名手たち
あくまでも私的な好みですが、高度なハーモニー展開が得意なジャズ/フュージョン系演奏者より、ペンタトニック・スケール主体の人が曲中の“スパイス”として使うオルタード・テンション、ノンダイアトニック・コードにサラリと対応する姿に興奮を覚えます。そんな筆者が体験した“コード・トーン・ショック”を最後に5つ紹介。
『TAKANAKA』高中正義 (77年)
まずは初体験。ギターを始めた中学生の頃、コード・トーンで目まぐるしく展開する「レディ・トゥ・フライ」のエンディング・ソロ後半には本当にぶっ飛びました。
※現行ベスト盤収録のシングル版は同箇所がフェイドアウトで聴けないので御注意を!
『The Royal Scam』Steely Dan (76年)
ロック界随一と言えるスティーリー・ダン特有の高度なハーモニーに完全対応するラリー・カールトンこそ、まさにコード・トーン名手の代表的存在と言えるでしょう。「Kid Charlemagne」のソロは何度聴いても興奮します!
※ギタリスト:Larry Carlton
『Brother to Brother』Gino Vannelli (78年)
クインシー・ジョーンズやチック・コリアとの共演など、ジャズ系の演奏も多いカルロス・リオス。ディストーション・サウンドでコード・トーンを豪快にドライブさせるさまは、まさにロックとジャズの“ハイブリッド”。タイトル曲のソロは圧巻のひと言!
※ギタリスト:Carlos Rios
『Airplay』Airplay (80年)
かなりポップで聴きやすいサウンドながら、実はかなり計算されたコード進行を駆使している職人的グループであるエアプレイの名作。ジェイ・グレイドンのギター・ソロも、まさにそのバンド・キャラクターにそった素晴らしい演奏です。
※ギタリスト:Jay Graydon
『Here』Dean Brown (00年)
マーカス・ミラー(b)との共演で知られるディーン・ブラウンはまさに“コード・トーン対応型のロック・ギタリスト”という印象。ジミヘンばりの激アツなプレイに時折はさみ込まれるインテリジェンスなコード・トーンにはかなりゾクゾクさせられます。
色分けタブ譜で理解度UP!コード・トーン反復ギター・トレーニング!
コード進行の中で“使える音”を8~16 小節ループで体感マスターしよう!
仕様 | 電子版 |
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発売日 | 2016.04.25 |
ISBN | 9784845628063 |
日下義昭【くさか・よしあき】 プロフィール
ギタリストとして宇多田ヒカルなどのレコーディングに参加しているほか、作曲家として綾瀬はるか・玉木宏主演映画『雨鱒の川』、上川隆也主演舞台『隠蔽捜査』、西川きよし芸能生活50周年記念公演『コメディ水戸黄門』など、数多くの映画、舞台、テレビ作品で音楽を担当。
また、月刊誌『ギター・マガジン』(リットーミュージック)にてギター演奏に関するノウハウ記事や機材解説、新譜CD紹介などを担当しているほか、『これだけ覚えればOK!どんなソロでも弾ける5つのスケール指板図 』『Aのブルースからはじめるジャジィな深煎りギター』『何度でもやり直せる大人のギター教室』『どんな曲でも弾ける15のコード・フォーム 』『ギター表現力の引き出しが増える本』(すべてリットーミュージック)など、ギター関連の著書も多数手がけている。
2015年には初ソロ・アルバム『3-Dimensional Sounds for Electric Guitar』をキングレコードよりリリース。