【会員限定】十八番フレーズ3選! 感情の爆発をギターで表現するバディ・ガイ 【会員限定】十八番フレーズ3選! 感情の爆発をギターで表現するバディ・ガイ

【会員限定】十八番フレーズ3選! 感情の爆発をギターで表現するバディ・ガイ

毎週、1人のブルース・ギタリストに焦点を当てて深掘りしていく新連載『ブルース・ギター・ヒーローズ』。バディ・ガイの感情の爆発をギターで表現する十八番フレーズ3選をご紹介!

文/譜例作成=久保木靖

◎Phrase 01 マイナー・ペンタによる渾身のラン奏法

◎Phrase 01 マイナー・ペンタによる渾身のラン奏法
定番のマイナー・ペンタのポジション取り(図1)
図1

ソロのクライマックスで登場する技の1つがこのラン奏法だ。

譜例はジュニア・ウェルズとのライブで演奏される「Everyday I Have The Blues」(Key=C)を参考にしたもの。定番のマイナー・ペンタのポジション取り(図1)だが、かなりのアップ・テンポのため、各拍1音目(4拍目は3音目も)のチョーキング・スピードがとんでもなく速い。

ジミ・ヘンドリックスを始め、ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジなど、ブルースをベースとしたロック・ギタリストがこぞって取り入れた奏法でもある。

◎Phrase 02 “搾り上げる”かのような連続チョーキング

◎Phrase 02 “搾り上げる”かのような連続チョーキング
Dマイナー・ペンタの拡張ポジション
図2

この連続チョーキングもソロのクライマックスでお目見えする技だが、頻出するのはおもにスロー・ブルースにおいて。

「Stone Crazy」(Key=D)での一場面を模したこの譜例では、Dマイナー・ペンタの拡張ポジション(図2)にある1弦15フレットを執拗にチョーキングしており、まさに魂の叫びを表現しているかのようだ。

なお、実際の演奏は譜面のようにきっちりとした符割りではなく、タメと突っ込みを利かせたニュアンス豊かなものとなっている。

◎Phrase 03 1弦ペダル+♭5thを強調した複音フレーズ

◎Phrase 03 1弦ペダル+♭5thを強調した複音フレーズ
マイナー・ペンタ・ブロック・ポジション
図3

スロー・ブルースのオブリガードやソロでの十八番。「Leave My Girl Alone」(Key=B♭)ではほぼ全編でこのプレイを味わえる。

マイナー・ペンタ・ブロック・ポジションの1弦のトニック(B♭音)をペダル・ポイントとして、3弦のm3rd(D♭音)、4th(E♭音)、♭5th(E♮音)を重ねてハーモニーを作っていくというものだ(図3)。マイナー・ペンタに含まれない♭5thを使うことで、より陰湿な(?)インパクトとなる。クリーン・トーンでスタッカート気味に弾くのがポイントだ。

バディは親指と中指でピックを持つスタイルなので、この奏法の場合はピックを握り込んで、2フィンガーで弾いていると思われる。


連載『ブルース・ギター・ヒーローズ』記事一覧