Interview|Yu-taro(NOCTURNAL BLOODLUST)2人の新鋭ギタリストが切り開く、メタルコア・サウンド。 Interview|Yu-taro(NOCTURNAL BLOODLUST)2人の新鋭ギタリストが切り開く、メタルコア・サウンド。

Interview|Yu-taro(NOCTURNAL BLOODLUST)
2人の新鋭ギタリストが切り開く、メタルコア・サウンド。

2020年10月に2名のギタリストが加入し、新体制となったメタルコア・バンドのNOCTURNAL BLOODLUST。今回はシングル「THE ONE」のリリースを記念して、新メンバーのギタリストたちに加入の経緯や生い立ちなどを語ってもらった。1人目は「THE ONE」のカップリング「Corruption」の作曲も手がけた、Yu-taroにご登場いただこう。

取材/文=村上孝之 写真=nonseptic inc.

デスコアみたいにひたすら地獄という感じの曲も好きだけど、
ヘヴィな中にメロウさがある曲に一番惹かれるんです。

まずはギターを弾くようになった時期や、きっかけなどを話していただけますか。

Yu-taro ギターを始めたのは高校生になってからです。たまたま友達のお兄さんがバンドをやっていて、ギターを教えてもらえることになったんですよ。元々はヒップホップがすごく好きで、『ビルボードトップ100』でエミネムやネリー、ナズなんかがよくランクインしていたから、TVでいつも観ていたんですね。そしたら、リンキンパークの「In The End」(2001年)がずっと1位の時があって、それで興味を惹かれてリンキンパークやスリップノットも聴くようになったんです。そこからメタル、デスメタル、メロデスが好きになりました。

メタルはギター弾きたいという気持ちを駆り立てるジャンルといえますよね。ただ、初心者にとって少しハードルが高い気もします。

Yu-taro そう。スリップノットのスコアとかも買ったけど、まったく弾けなかった。ただ、友達のお兄ちゃんがメロコアとかも教えてくれて、高校の時にメロコアが流行っていたんです。それで、オフスプリングやHi-Standardも聴くようになって、友達とハイスタのコピー・バンドを組んだんです。そのバンドでライブをしたり、オリジナルも作ったりしていたけど、専門学校にいっていた頃に解散してしまった。当時の僕はメタリックでスクリーモっぽいバンド……アンダーオースとか、ストーリー・オブ・ザ・イヤーといった系統の音楽に触れ始めた頃だったんです。そういうバンドをやりたいなと思って、スクリーモとかメタルコア、ヘヴィロック系をやるバンドを始めました。邦楽のバンドでもGUNDOGとか、Dogma、P.T.P(Pay money To my Pain)とかがすごく好きで、よく観にいっていましたね。

では、昨年NOCTURNAL BLOODLUSTに加入することになった経緯は?

Yu-taro スクリーモのバンドの後に組んだバンドで、新宿ANTIKNOCKでよくライブをするようになった時期があって、その時の対バンでNOCTURNAL BLOODLUSTと出会ったんです。そこからの友達で、もう10年以上のつき合いになりますね。そういう縁で昨年、バンドに入らないかというお誘いをいただきました。彼らは元々デスコア・バンドだったけど、途中でヴィジュアル系に転身したじゃないですか。でも、音楽性はあまり変わらなかったんですよね。変わったのは見た目だけ……みたいな(笑)。だから、音楽性は自分と合っているし、一緒にこういうことをできたらいいねという話にも心を動かされて、やろうという気持ちになりました。

では、最新シングル「THE ONE」について聞かせて下さい。同作を作るにあたって、テーマなどはありましたか?

Yu-taro それはなかったですね。前作の『The Wasteland』(2020年12月)を作った時もテーマやコンセプトはなくて、それぞれが自由に書いた曲を持ってきて、“めっちゃ、いいね! この感じでいこう”みたいな(笑)。テーマありきではなくて、純粋に自分達がいいと思える曲を音源にしているんです。だから、「THE ONE」はMasa(b)君が作った曲ですけど、これも彼が思い描くものを具現化したということですよね。

ヘヴィ・ナンバーの「THE ONE」ですが、中間でストリングスを使った深遠な世界に移行しますよ。ああいう展開もデモの段階からあったのでしょうか?

Yu-taro ありましたね。同期やストリングス、リズム・トラックなど、音色は変わったけど構成はデモの段階から今の形だったんです。だからデモを聴いた時は“おおっ!”てなりましたよ(笑)。

わかります(笑)。ギターに関しては「THE ONE」以外の曲もそうですが、超絶的なダウン・チューニングをクリアに聴かせていることが印象的です。

Yu-taro そこは必須条件であると同時に、難しいことではあって。ただ単にチューニングを落としてもヘヴィにはならなくて、どうしても音が埋もれてしまったり、音階が見えなくなってしまいがちなんですよね。だから、弦のチョイスやギターの調整をちゃんとしないと対応できない。ピッキングも大事になってくるし。音が立って、なおかつキレの良さを出す弾き方をしないと、なにを弾いているのかわからなくなってしまうんですよね。そこはまだ追究している途中で、もっと突き詰めていこうと思っています。

それは今後も楽しみです。続いて、「THE ONE」のカップリング曲の「Corruption」はYu-taroさんが書かれた曲ですね。

Yu-taro これは、実はNOCTURNAL BLOODLUSTに加入して、速攻書いた曲なんですよ。作ってすぐにみんなに聴いてもらったら“いいね!”と言ってくれたけど、とりあえず置いておこうということになって。で、今回のリードの「THE ONE」はヘヴィだけど、けっこうメロウじゃないですか? なので、カップリングはドープな感じでもいいんじゃないかということで、「Corruption」を入れることになったんです。

アグレッシブなイントロや歌中とキャッチーなサビの対比が絶妙ですし、EDM色を押し出していないのにデジタリックな雰囲気があることも印象的です。

Yu-taro 僕はデスコアみたいにひたすら地獄という感じの曲も好きだけど、ヘヴィな中にメロウさがある曲に一番惹かれるんです。抒情的な雰囲気がすごく好きで、自分の曲にもそういう要素を入れたものが多くて。そこを出していきたいというところで「Corruption」も、ああいう構成にしました。この曲は同期もけっこう入ってて、ノイズやパッドと、トレモロを掛けたシンセっぽいギターがうっすら鳴っていたりもするし、デジタリックな感じを出したくて隠し味っぽいものをいろいろ入れたんです。

レコーディングやライブで使っている主な機材も教えていただけますか。

Yu-taro アンプは基本的にピーヴィーの6505+で、キャビはバッソン。バッソンはローが締まる感じがあって、7弦の領域とかもクリアに出るんですよね。ギターはメイワンズをメインにしています。もう7~8年くらい弾いていますね。メイワンズは音も見た目もいいし、ピッチが良くてダウン・チューニングにも対応してくれるので、すごく気に入っています。6弦と7弦を持っていて、チューニングに合わせて使い分けています。あとE-Ⅱの7弦もありますね。そっちは.080ゲージを張っていて、チューニングがドロップCまで落ちる曲で使っています。

色々なチューニングを使われているんですね。さて、昨年から新体制になったNOCTURNAL BLOODLUSTは、よりヘヴィかつドラマチックな方向を目指していくような印象があります。その辺りは、いかがでしょう?

Yu-taro メンバーみんなが好きなのがそういうものなので、よりそうなっていく気はしますね。みんなで話し合ったりしなくても、Masa君もValtz君も僕のツボに刺さるようなものを作ってくるんです。だから、そういう方向性が核になっていくのは間違いないと思う。そのうえで、NOCTURNAL BLOODLUSTが持っているエモーショナルな側面……バラードだったり、繊細な楽曲ですよね。そういう部分も、さらに突き詰めていきたいと思っています。

Yu-taro’s Guitars

Mayones
Setius Gothic Luminactive 6

ギター・ショップの知人から薦められ、“見た目がカッコいいし、使っている人がいないから”という理由で手にしたのがこちら。ポーランドのギター・ブランド、MayonesのSetiusだ。ライブでのチューニングはドロップAに設定。7弦用のLow B弦〜B弦を張った1音下げで、つまり、6弦ギターの1弦(E弦)を張っていない状態だ。曲によってはデジテックのDropでドロップG♯に落として使うこともある。

●ボディ:アッシュ(トップ)、マホガニー(バック)
●ネック:マホガニー/メイプル(5プライ)
●指板:エボニー
●コントロール:ボリューム(プッシュ/プルでコイルタップ)、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター
●ピックアップ:EMG 85(フロント)、EMG 81(リア)
●スケール:645mm
●ペグ:Schaller M6 mini

Mayones
Setius Gothic Luminactive 7

7弦のメインも同じくMayonesのSetius。マテリアルは先の6弦とほぼ同じで、ピックアップのみセイモア・ダンカン製が搭載されている。ライブでのチューニングはドロップG♯。曲によっては6弦をB♭に上げたり、デジテックのDropを使ってFに落として使うこともある。

●ボディ:アッシュ(トップ)、マホガニー(バック)
●ネック:マホガニー/メイプル(5プライ)
●指板:エボニー
●コントロール:ボリューム(プッシュ/プルでコイルタップ)、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター
●ピックアップ:セイモア・ダンカン Sentient(フロント)、セイモア・ダンカン Nazgul(リア)
●スケール:645mm
●ペグ:Schaller M6 mini

E-II
M-II-7 NT HIPSHOT

ライブで1曲だけ使用するという7弦のE-II M-II-7。曲によってはデジテックでドロップCまで落とすこともあるそう。弦はDRの.080が張られている。

●ボディ:スポルテッド・メイプル(トップ)、マホガニー(バック)
●ネック:ハード・メイプル(3ピース)
●指板:エボニー
●コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター
●ピックアップ:Bare Knuckle Warpig 7ST(フロント/リア)
●スケール:648mm
●ペグ:GOTOH SG360-07 MG-T

Yu-taro’s Amplifier

Peavey
6505+

ライブでもレコーディングでも愛用しているPeaveyの6505+。もともとはENGLのパワーボウルを愛用していたが、Peavey 5150を借りた際に音が気に入り愛用し始め、その後に入手したのが本機。セッティングは意外にゲインが低く、ライブではセンター程度。右手のピッキングで歪ませるのがコツだとか。

Yu-taro’s Pedalboard

【モデル名/上段左から時計回り】
◎Voodoo Lab/Pedal Power 2 Plus(パワー・サプライ)
◎Moore/GE200(マルチ・エフェクター)
◎BOSS/DD-3(デジタル・ディレイ)
◎KORG/Pitchblack(チューナー)
◎DigiTech/Drop(ピッチ・シフター)
◎BOSS/LS-2(ライン・セレクター)
◎ISP Technologies/Decimator II(ノイズ・リダクション)

歪みペダルはなし、音色補正や空間系のみが並んだ足下。デジテックのDropはダウン・チューニングをコントロールする重要なアイテムだ。

作品データ

THE ONE
NOCTURNAL BLOODLUST

DANGER CRUE RECORDS/DCCA-1054/2021年9月1日リリース

―Track List―

01. THE ONE
02. Corruption
03. THE ONE (Instrumental)

―Guitarist―

Valtz、Yu-taro

≪LIVE情報≫
NOCTURNAL BLOODLUST presents “DEADLY HALLOWEEN”

2021年10月31日(日)SHIBUYA CYCLONE  
OPEN 17:00 / START 17:30
【チケット料金】 前売 5,800円 (税込 オールスタンディング) NOCTURNAL BLOODLUST 特製不織布マスク付(5枚セット)
【一般発売】2021年10月16日(土)
【問】DISK GARAGE 050-5533-0888 https://www.diskgarage.com/ 

NOCTURNAL BLOODLUST LIVE TOUR “THE AKASHIC BREAK TOUR
11月27日(土) 大阪 DROP OPEN 17:30/START 18:00
11月28日(日) 大阪 DROP OPEN 17:30/START 18:00
12月19日(日) 名古屋 CLUB UPSET OPEN 17:30/START 18:00
12月22日(水) 東京 新代田 FEVER OPEN 18:00/START 18:30
12月23日(木) 東京 新代田 FEVER OPEN 18:00/START 18:30
【チケット料金】
前売¥5,800 (税込/オールスタンディング)
※入場時ドリンク代別途必要
※未就学児入場不可・営利目的の転売禁止
※立ち位置指定
【オフィシャルHP先行】
受付URL :https://eplus.jp/ncbl/2021/ 
受付期間:10/月20日(水)18:00~10/月26日(火)21:00 入金期間:10/月29日(金)13:00~11/月3日(水・祝)21:00
【一般発売日】 2021月11月13日(土)