324(オメでたい頭でなにより)/三代 meetsHughes & Kettner Spirit Tone Generator 324(オメでたい頭でなにより)/三代 meetsHughes & Kettner Spirit Tone Generator

PR

324(オメでたい頭でなにより)/三代 meets
Hughes & Kettner Spirit Tone Generator

Hughes&Kettnerが真空管アンプの操作性やサウンドを再現するために生み出した技術が“スピリット・トーン・ジェネレーター(Spirit Tone Generator)”だ。このテクノロジーを搭載したAmpManシリーズとSPIRIT NANOシリーズを実際に弾くことで、これらがどこまで真空管アンプに迫っているのかをチェックしてみたい。試奏者はデジタル系機材から様々な真空管アンプまで、幅広い機材知識を持つ324(オメでたい頭でなにより)/三代。スピリット・トーン・ジェネレーターの機能とともに、各モデルの実力も合わせて見ていこう。

取材/文=福崎敬太 動画撮影=川村健司 写真=星野俊

324 meets Hughes & Kettner Spirit Tone Generator
〜真空管アンプの再現〜

Hughes & Kettnerスピリット・トーン・ジェネレーターの実力を試すため、AmpMan ModernとSPIRIT of Vintageを試奏してもらった。プレイヤーは“オメでたい頭でなにより”のギタリストであり、G.O.D.のメンバーでもある324/三代(以下324)。

Spirit Tone Generatorとは?

スピリット・トーン・ジェネレーター(Spirit Tone Generator/以下STG)とは、真空管を使わずにトラディショナルなチューブ・アンプの“真空管マジック”を再現するべくHughes&Kettnerが開発した技術だ。

真空管アンプの操作性やサウンドが、アンプ回路内の各セクションが相互に作用し合うことで生み出されることを発見し、その現象を回路内で実際に再現するために開発されたのがSTGというわけだ。また、デジタル・モデリングやシミュレートではなく、アナログ回路で実現しているのが重要なポイントとなる。

詳細の解説は以下の記事に譲るが、これによって、サウンドや弾き心地はチューブ・アンプの感覚を実現し、軽量/コンパクトで、かつ価格を抑えた製品やフォーマットを作ることが可能となった。

324が感じたSpirit Tone Generatorの“真空管らしさ”

ボリュームへの追従性とレスポンスの速さを
このサイズで実現しているのは驚きです。

TRIAMP MkⅡをスタジオでよく弾いていたんですが、Hughes & Kettnerのアンプは、クリーンでも深い歪みでもパリッとしたニュアンスもある印象で。あと、けっこう前に手放してしまったんですけど、Statesman Dualが大好きなんですよ。深いところまで歪むし、クリーンもトゥワンギーに出る。今回試奏したAmpManシリーズとSPIRIT NANOシリーズにも、そういった“ケトナーらしさ”がしっかりありましたね。

“真空管サウンド”で言うと、僕の中では“音の速さ”っていうのが大きいんですが、STG搭載機はその感じがちゃんとある。デジタル機材だと、信号をデジタルに変換する作業と戻す作業が出てきて、処理の都合上、絶対にレイテンシーが出るんですよね。そういうのがないっていうのは、アナログ回路ならではだと思います。で、SAGGINGコントロールでパワーアンプ部分のコンプ感を調整できるし、音色もかなり真空管アンプに近い。GAINとSAGGINGコントロールの組み合わせで、真空管のサチュレーション感もしっかりと再現できていると感じました。

それと、ギター側のボリュームを下げた時の微妙なアタックのニュアンスの変化みたいのって、デジタルだと再現できないところがけっこうあるんですよ。TRIAMPを弾いた時にも感じるんですが、自分が“こう弾きたい”って思ってピッキングしたら、そのイメージどおりの音を出してくれる。そういうニュアンスにしっかりと追従してくれる感じが、どちらの機種にもありました。

それらをこのサイズで実現しているのは驚愕ですね……。もちろんこれくらい小さいサイズでデジタルの機材は巷に溢れていますけど、こういうボリュームの追従性や音の速さみたいなチューブ・アンプらしさがある製品はほとんどないですよ。

AmpMan ModernとSPIRIT of Vintageの感触

AmpMan Modernは7弦ギタリストやドロップ・チューニングを多用する人には特にオススメです。

7弦ギターやドロップ・チューニングのギターって、低音弦の音がタイトに鳴ってくれないと飽和するんですよ。そのためにブースター系の機材とかを持っていかなくちゃいけなかったりするんですけど、Modernは直で挿してもローが飽和しないし、自分の手でコントロールできる感じがしますね。低音感がもっと欲しい時は右手の弾き方で出したり、そういうニュアンスにもしっかり追従してきてくれる。特に7弦ギターやドロップ・チューニングを多用するギタリストには、Modernがオススメですね。

ノイズゲートも内蔵されているのも非常に助かりますね。ModernのチャンネルBはめちゃくちゃ歪みますけど、全然ノイズが出ないですよ。リハスタにあるようなアンプでここまで歪ませるとノイズがひどくなりがちで、“曲が終わったらチャンネルを変えないと話もできない”みたいなことがあるじゃないですか。そのためにノイズゲートを用意するのも大変ですし、これはめちゃくちゃありがたいです。

チャンネル1をクリーンからクランチまでギター側のボリュームでコントロールできるように作って、チャンネル2をめちゃくちゃ歪ませるっていう使い方もできるし、さらにBOOSTスイッチもSOLOスイッチもある。チューブ・アンプのレスポンスで、キャビネット・シミュレーターが付いたアウトも入っていたりするので、そのまま録音することもできるしPA卓に送ることもできますよね。本当に至れり尽くせりで、この1台で完結させようっていう意思を感じます。

AmpManのバックパネルにはノイズゲートの許容値コントロールのほか、FXループやRED BOXアウトなど、多くの機能が盛り込まれている。

SPIRIT of Vintageは、右手のコンロールだけで幅広いサウンドが出せるんですよ。

3つしかツマミがないんですけど、けっこう細かくニュアンスのコントロールができる。この大きさでこのレスポンスの良さはかなり衝撃的です。シングルコイルでもバリっとしたシングルらしいニュアンスが出るし、ハムバッカーでもしっかりニュアンスが出る。自分のギターのコントロールにしっかり追従してきてくれる感じが嬉しいですね。TONEコントロールも効きがめっちゃ良くて、ギターによって色んな美味しいポジションがあると思う。

SPIRIT of Vintageでもけっこう歪ませることができて、GAINを上げてSAGGINGのコントロールでパワーアンプのサチュレーションを足してあげるとすごく良い感じの歪みになりますね。で、その状態でも、ギター側のボリュームを下げていくとパリッとクリーンに戻っていく。右手のコンロールだけで幅広いサウンドが出せるんですよ。どうしても歪みの量によって、理想のクリーンとドライブ・サウンドを両立させることができない場合が多いんですが、Vintageはそういう点でバランスが非常に良いと思いました。ただ、目的の音色がハッキリしているなら、MetalやRockを選べば良いと思います。

それにこのサイズだと、リハスタやライブハウスにも自分のアンプを持ち込めるっていうのがメリットですよね。せっかく良いペダルを持っていっても、リハスタのアンプの状態があまり良くなくてイマイチだなっていう時ってよくあると思うんです。これ1台をバッグに入れておけば、いつでも自分の音が出せるっていう安心感がある。あと、デスクの上にこれを置いておけば、AUX端子にiPhoneとかをつないでオケを流しながら練習もできますよね。LINE端子もあるから、初心者の人はそのままこれをレコーディングしてみて、自分の音を聴いてみるっていうのも良いと思います。自分の機材が固まっている人にもオススメできるし、初心者にももってこいだし、あって損はないなっていう1台だと思います。

AUXインを備えているので、外部の音楽プレーヤーを接続することも可能。ラインアウトは背面に、ヘッドフォン・アウトは前面に設けられている。

COLUMN
重低音ギタリストのためのSPIRIT of Vintageの使い方

324が特にお気に入りだったSPIRIT of Vintageは、クリーンからダーティな歪みまでカバーできる万能な1台だ。しかし、彼のような7弦ギター・プレイヤーやドロップ・チューニングを多用する重低音指向のギタリストにとっては、低音がもう少しタイトになるとより使いやすいそう。“サウンドはVintageが好きだけど、歪ませた時の飽和しちゃう感じが……”というギタリストのため、実践的なアイディアを教えてくれた。

Spirit Tone Generator搭載機のラインナップ

2022年2月現在でラインナップされているSTG搭載機は以下のとおり。

  • BLACK SPIRIT 200 HEAD
  • BLACK SPIRIT 200 COMBO
  • BLACK SPIRIT 200 Floor
  • AmpMan Classic
  • AmpMan Modern
  • SPIRIT of Vintage
  • SPIRIT of Rock
  • SPIRIT of Metal

BLACK SPIRIT 200のHEAD、Floorの実力についてはぜひ以下の動画をチェックしてみてほしい。

BLACK SPIRIT 200 HEAD

BLACK SPIRIT 200 COMBO

BLACK SPIRIT 200 Floor

AmpMan SERIES

SPIRIT NANO SERIES