Interview|美濃隆章(toe)ピュア・サウンドを追求するACOUSTIC REVIVEケーブル Interview|美濃隆章(toe)ピュア・サウンドを追求するACOUSTIC REVIVEケーブル

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Interview|美濃隆章(toe)
ピュア・サウンドを追求するACOUSTIC REVIVEケーブル

“原音忠実”を理念に掲げ、高品質で鮮明なサウンドに徹底してこだわる国産オーディオ・アクセサリー・ブランド、ACOUSTIC REVIVE。その魅力をギタリストに語ってもらう新連載=“ACOUSTIC REVIVE For Guitar”の第2回は、エンジニアとしても手腕を振るう、toeのギタリスト=美濃隆章が登場!

取材・文=井戸沼尚也 デザイン=MdN 撮影=小原啓樹(機材)、Yoshiharu Ota(人物)
※本記事はギター・マガジン2022年3月号から転載したものです。

もの凄く純度の高い水を飲むように、自然な浸透力がある音なんです。

どのような経緯でACOUSTIC REVIVEの製品を知ったのですか?

 Pro Tools用のデジリンク・ケーブル(Digi Link/type A Digi Link Mini – Digi Link Mini)がSNSで評判になっていたのを見かけて、気になっていたんです。エンジニアとして仕事をする際に、Pro Toolsのシステム処理を効率化するためのHDX PCIeカードと、オーディオ・インターフェースをつなぐのに使っていますね。要はそこに収録されるすべての録音物がデジリンク・ケーブルを通るので、すべての音が変わってしまうと言っても過言ではないんです。実際に使ってみたらかなり好印象で、今までロスしていたものがなくなりましたし、もの凄く動作も安定するという夢のような感覚でしたね。

 それだったらほかの製品も使ってみたいなと思っていたところに、今回試奏させてもらえることになったので、ギター用ケーブル(GB-Triple-C-FM)をチェックしてみました。

ギター・ケーブルの音の印象はいかがでしたか?

 膜が1枚剥がれて、音が前に出てくる感覚がありましたね。サウンドは明るいけど、痛いところがない印象でした。もの凄く純度の高い水を飲むような、自然と体にスーッと浸透してくる感じがあって。それからレンジが広くて、ある音域が変にブーストされたりせず、非常にナチュラルだとも感じました。ギター用ケーブルの中には、レンジが広くても耳に痛いピークがあったり、低音が強調されていて変にモコモコしてしまうものもあるのですが、そういった感じは一切なかったんです。あとは、音が速い!

かなり好印象だったんですね。

 はい。普通はケーブルって全部、クセがあるじゃないですか。特に僕はシングルコイルのギターを使っているので、必ずどこかに“ピキン”と誇張されすぎてしまうところがあるんですけど、それがなかったんです。その上、ピッキングのニュアンスも出るし、倍音はキレイに乗って伸びてくれる。今まで気に入っていたケーブルも、ACOUSTIC REVIVEと差し替えると、ちょっと奥まった感じに聴こえてしまったほどでした。アンプとの距離感が一歩遠くなるというか。

なるほど。ちなみに今回の試奏で使った機材は?

 1961年製のフェンダー・ジャスマスターに、アンプは1964年製のフェンダー・デラックス・リバーブを使いました。僕は大体いつもクリーン・トーンで弾くので、今回のサウンド・チェックもクリーンで行なって。それと、ライブでも使っているガット・ギターにピエゾ・ピックアップを付けたものを、AERのコンパクト60というアンプにつないで試してみたりもしました。エレキ・ギターとハイファイ系ガット・ギターの両方で試して、違いを確かめてみたくて。

ガット・ギターで使った場合の印象はどうでしたか?

 基本的な印象はエレキ・ギターのほうと変わらないのは言うまでもないですが、タッチの微妙な力加減に出音がしっかりと追従してくれるんですよ。タッチによって音質もかなり変わるんです。このぐらいの加減で弾くとこんな音が出るんだなというのがわかって、ちょっと不思議な感覚でした。それほど繊細だということですよね。だからGB-Triple-C-FMを使うことで、自分の弾き方も変わりました。これまで使っていたケーブルも決して悪いものではなかったはずなのですが、この違いには驚きましたね。

タッチによって出音が大きく変わるというのは、弾いていて楽しいのでは?

 ええ、本当にそのとおりですね。音が速く、近く、立体的に出てくるので、ガット・ギターの音は少し離れたアンプから鳴っているというよりも、自分にもっと近いところで鳴っている感じがしました。なんというか、ケーブルの存在感が消えてしまったような感じと言いますか……。

ACOUSTIC REVIVEは“原音忠実”を理念に掲げていて、“ケーブルがない状態(ダイレクトに接続されている状態)”を理想としていますが、まさにそのとおりだったという。

 そうなんです。今回はクリーン・トーンで試してみたんですけど、“ケーブルで音を作る”という感覚ではなくなりましたね。GB-Triple-C-FMを使えば、あとはアンプで調整していくらでも音作りはできるんですよ。ピッキングのニュアンスもしっかり反映してくれるので、ただ自分の好きな音になる弾き方をすればいいんだという音作りの思考になりましたね。

ステージ用の電源ケーブル(POWER STAGE)も試したようですね?

 最初に受けた印象はギター用ケーブルと同じなのですが、より顕著にACOUSTIC REVIVEらしさが出ているように感じました。変な色付けがなくて、レンジが広く、音がさらに前に出てくるので、よりピュアな印象を抱いて。1人で音をチェックしていて、“なるほど”と声が出てしまいました(笑)。理念をもとに商品開発に尽力されているんだと実感しましたね。もっと派手にしようと思えばそういうケーブルを作れる技術はあるんでしょうけど、それをあえてせずに変なピークを生まないギリギリのところでやっているんだなと身に染みて思いました。

では最後に、ACOUSTIC REVIVE製品の魅力について一言お願いします。

 究極の“主張がないケーブル”ですね。そう言うと面白みがなさそうに聞こえてしまうかもしれませんが、そんなことはまったくなくて、本来の自分の楽器はこんな音なんだと教えてくれるケーブルですよ。

美濃隆章の愛用アイテム&試奏した製品

GB-Triple-C-FM(ギター・ケーブル)

5m:41,800円(写真)/3m:26,400円/7m:57,200円/10m:80,300円

ピュアな信号をロスなく伝達してくれる単線構造のギター用ケーブル、GB-Triple-C-FM。導体の材質にも徹底してこだわり抜いており、何より世界初のノイズ除去機能を搭載している点が画期的。今回初めて試した美濃も“楽器の本当の音を教えてくれる”と絶賛!


Digi Link[type A Digi Link Mini – Digi Link Mini](デジリンク・ケーブル)

48cm:49,500円(写真)/155cm:59,400円

レコーディング・エンジニアとしても活動する美濃が現在愛用しているというPro Tools用のデジリンク・ケーブル。サウンドの概念を覆す圧倒的なS/N比と透明度、極めて正確な位相特性を実現している。“今までのロスがなくなる夢のようなケーブル”とのこと。


POWER STAGE(電源ケーブル)

19,250円

鍛造製法による世界初の音響専用導体であるPC-Triple Cを用いた、ライブ・ステージ向けの電源ケーブル。“レンジが広くて色付けがなく、より顕著に音が前に出てくる”とは美濃の談。機器側のコネクタはロック式となっており、現場での抜けによるトラブルを防ぐ。

【問い合わせ】
ACOUSTIC REVIVE https://acousticrevive.jp

美濃隆章(toe)

みの・たかあき◎ポスト・ロック・バンド、toeのギタリストとして活動するほか、レコーディング・エンジニアとしてゲスの極み乙女。を始め、数多くアーティストの作品に携わる。愛器はフェンダー・ジャズマスター。

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*この記事はギター・マガジン2022年3月号から転載したものです。

ギター・マガジン2022年3月号
ギタリスト 布袋寅泰のすべて

本記事はギター・マガジン2022年3月号から一部抜粋/再編集したものです。特集は『ギタリスト 布袋寅泰のすべて』。昨年デビュー40周年、そして今年2月1日に60歳を迎え、新作『Still Dreamin’』をリリースした布袋寅泰を、140ページにわたる大ボリュームで特集しました! 本記事で紹介した1本を始め、貴重なゼマイティス・コレクションなど、愛器25本を紹介した「HOTEI’S 25 GUITARS」は必見!