11年ぶりの新作『SOFTLY』をリリースした山下達郎。都内で行なわれていたツアー・リハ現場で彼の使用機材を撮影させてもらった。今回はステージ・アンプを含めた山下のギター用サウンド・システムをご紹介。
文:山本諒 撮影:星野俊
*本記事はギター・マガジン2022年8月号に掲載された『Axis’ Gear』を一部抜粋/再編集したものです。
Amplifier
SHINOS
Luck 6V
Tatsuro Yamashita Model
山下のお好みにカスタマイズされた40Wコンボ
2010年からメイン・アンプとして使用しているSHINOSの山下モデル。一般発売されているSHINOSのLuck 6Vにリバーブとトレモロを増設したもので、さらに抵抗やコンデンサーの定数を調整することで山下らしいサウンドにチューニングされている。真空管は、ECC83(プリ管)を5本、リバーブのドライブ用プリ管ECC81を1本、6V6(パワー管)を4本、GZ34(整流管)を2本使用。スピーカーはセレッションのClassic Lead 80(12インチ)で、本人の希望で1発のみ搭載している。音については、“ざっくり言うとフェンダーとVOXの中間のような音(篠原勝:SHINOS/ギター・テック)”だそう。
Chameleon Labs
7602 Toneflake Custom
長年愛用しているライン出力用マイク・プリアンプ
もともとレコーディングで愛用していたが、2008年頃からライブでも導入しているライン出力用プリアンプ。ビンテージのNeveを模したモデルを国内のToneflakeがモディファイしたものだ。上がエレキ用、下がアコギ用。アコギは100%ライン、エレキも9割近くはこちらを介してライン出力されているため、ステージにおける山下のギター・サウンドを語るうえでは重要なマシンだ。EQ設定に関しては、エレアコの低音を持ち上げるため、ローがやや上げめになっている点が特徴。
ギター・マガジン2022年8月号
『スタジオ・ミュージシャンの仕事』
本記事はギター・マガジン2022年8月号に掲載された『Axis’ Gear』を一部抜粋/再編集したものです。カポや使用弦など、さらに細かな内容は、本誌電子版などでチェック! 表紙特集『スタジオ・ギタリストの仕事』では、音楽の歴史に欠かすことのできない職人たちの名仕事に迫ります!
作品データ
『SOFTLY』
山下達郎
ワーナー/WPCL-13361/2022年6月22日リリース
―Track List―
01. フェニックス [2021 Version]
02. LOVE’S ON FIRE
03. ミライのテーマ
04. RECIPE (レシピ)
05. CHEER UP! THE SUMMER
06. 人力飛行機
07. うたのきしゃ
08. SHINING FROM THE INSIDE
09. LEHUA, MY LOVE
10. OPPRESSION BLUES(弾圧のブルース)
11. コンポジション
12. YOU (ユー)
13. ANGEL OF THE LIGHT
14. 光と君へのレクイエム
15. REBORN (リボーン)
―Guitarists―
山下達郎、佐橋佳幸