野呂一生といえばヤマハのSGを想起する人が多いだろう。現在のメイン・ギターもSGのエッセンスを取り入れた1本だ。今回は、2022年現在にメインで使用している3本を紹介しよう。もちろんどれもヤマハ製! 彼が今作をギター目線で語ったインタビュー記事と合わせてチェックしてみてほしい。
取材/文=伊藤雅景 写真=星野俊
Guitars
YAMAHA/IN-DX
特注でカスタムされた野呂のメイン器
メイン・ギターは、野呂の還暦を記念して2017年に作られたヤマハIN-DX(Issei Noro Deluxeの略)。本器の鮮やかなカラーリングは“プラネット・ブルー・サンバースト”と呼ばれ、美しいキルト・メイプルの杢目が特徴だ。以前のメイン・ギターであったシグネチャー・モデルIN-1と比べると、マスター・ボリューム・ノブが追加され、ボディ・シェイプは同社製SGに近い左右対称シェイプへと変更されている。新作『NEW TOPICS』でも多数の楽曲で登場した。
YAMAHA/SG-Mellow
メロディアスなサウンドを奏でるセミアコSG
2007年頃から使用している、野呂が“SG-Mellow”と名づけた特注モデル。小柄なシェイプとホロウ・ボディの組み合わせにより、アコースティック感のある響きと、驚異的な軽さを実現した。ボディ・トップの材は“一般的な生産ラインでは実現できない薄さ”まで削られているそうだ。『NEW TOPICS』収録の「UNTHINKABLE」で聴ける、まさに“メロウ”なクリーン・トーンはこのSGのサウンドだ。
YAMAHA/SG-Mellow Fletless
ホロウ・ボディ×フレットレス
前出のSG-Mellowのフレットレス版。野呂のソロ・プロジェクトであるISSEI NORO INSPIRITSの『INNER TIMES』(2008年)のレコーディングから導入し、おもにピックを使わずに親指の腹で弦をはじくスタイルで演奏しているそうだ。野呂曰く“音感が試される楽器だが、このふわっとした絶妙なピッチ感がバラードなどでとても効果的”とのこと。
作品データ
『NEW TOPICS』
CASIOPEA-P4
HATS UNLIMITED/HUCD-10315/2022年10月12日リリース
―Track List―
01. TODAY FOR TOMORROW
02. DREAMER’S DREAM
03. UNTHINKABLE
04. NoOne…EveryOne…
05. Vivaciously
06. DAILY BREAD
07. A BEAM OF HOPE
08. PURE HEART
09. FLY ME TO THE FUTURE
10. THANKS A LOT
―Guitarist―
野呂一生