Ivanのギター&サウンド・システム サバプロの重厚なライブ・サウンドを支える愛用機材 Ivanのギター&サウンド・システム サバプロの重厚なライブ・サウンドを支える愛用機材

Ivanのギター&サウンド・システム 
サバプロの重厚なライブ・サウンドを支える愛用機材

次世代のラウド・ロック・シーンを牽引する存在として注目を集めるSurvive Said The Prophet、通称サバプロ。今回我々は、アルバム『Hateful Failures』を引っ提げたツアーのために、都内で行なわれていた彼らのリハーサル現場に潜入し、機材を撮影してきた。まずはIvanの愛用ギター、アンプ&ボードをご紹介しよう。

文=福崎敬太 撮影=星野俊

Guitars

Ibanez/Prestige Upper-Cut FR6UCS-BKF

Ibanez/Prestige Upper-Cut FR6UCS-BKF(表)
Ibanez/Prestige Upper-Cut FR6UCS-BKF(裏)

ドロップA♯用の長年愛用するメイン・ギター

メタル・コア仕様に仕上げられた2016年発売のFRが、Ivanのメイン。ドロップA♯チューニング(6弦からA♯-F-A♯-D♯-G-C)という超低音セッティングでも安定するギターを求めて様々なモデルを試すものの、結局はこの1本に戻ってくるそうだ。6弦のペグ・ポストにキャップを噛ませて直径を稼ぐことで、テンションを稼いでいるのがポイント。基本はリア・ピックアップを選択するが、センター(フロント-シングル&リア-シングルのミックス)のクリーン・サウンドもお気に入り。

6弦ペグ・ポスト
弦のテンションを稼ぐため、6弦ペグ・ポストの円周を大きくするキャップをはめている。

Ibanez/Prestige TM1702 Custom

Ibanez/Prestige TM1702 Custom(表)
Ibanez/Prestige TM1702 Custom(裏)

コード・ストロークにぴったりなレギュラー・チューニング用

レギュラー・チューニング用のタルマン。もともとのピックアップ構成はTLスタイルの2シングルコイルだったが、バッキングのために重心のあるサウンドを狙って、リアをセイモア・ダンカン製JB Modelに変更している。ピックアップはミックスかリアのどちらかがほとんどで、ハムバッカーをコイルタップしたサウンドは選択しない。後述するAZはカッティングや単音フレーズ、本器はコード・ストロークに適しているとのこと。


Ibanez/Prestige AZ2204NW Custom

Ibanez/Prestige AZ2204NW Custom(表)
Ibanez/Prestige AZ2204NW Custom(裏)

単音フレーズやカッティングで重宝する歯切れの良さ

バッキングのバリエーションとしてP-90タイプにしてみたらどうかと考え、SSH仕様だったAZのリア・ピックアップをセイモア・ダンカン製Phat Catに変更。こちらも前出のタルマン同様レギュラー・チューニング用だが、よりパキッとした音が出るため、カッティングやクリーンのアルペジオなどはこのAZを選択する。なお、フロント&センターのシリーズ接続を選択できるAlterスイッチはオフ。

Amplifiers

Kemper Profiler Rack&Orange PPC412

Kemper Profiler Rack&Orange PPC412

ギター1本につき、1バンクを目指して

ライブ用のアンプはKemper Profiler Rackを選択。今作のプロデュースも担当している米ポートランドのプロデューサー、クリス・クラメットがKemperのパックを作っていることもあり、サバプロが使用しているアンプもプロファイリングしているそうだ。

Ivanはクリスが制作したパックやKemperのプリセットなども使用しながら、ギターの種類ごとにバンクを分けて設定している。曰く“本当はギター1本につき、1バンクにしたいんですけど、今はどうしても足りなくて2つくらいになっちゃっていますね”とのこと。

基本的には、クリーンがフェンダーTwin Reverb、クランチはオレンジRockerverb、歪みがマーシャルJCM800やメサ・ブギーDual Rectifierなどを組み合わせて、各ギターに合わせたセッティングでバンクを作っている。

中段のペダルについては、以下で紹介する。

Kemper Profiler Rackとペダル類

Pedalboard

手元に設置するアイバニーズEcho Shifterがお気に入り!

アンプ下に設置されたラインナップも含む信号ルーティンのため、まずは全体の写真を見てから解説していこう。

Ivanの足下にセッティングされるボード
Ivanの足下にセッティングされるボード。
Lime Tone Audio/JCB-4SM(ジャンクション・ボックス)
アンプ下に設置されたLime Tone Audio/JCB-4SM(ジャンクション・ボックス)。
Conisis/Elegant Beast MkI(バッファー)
アンプ下に設置されたConisis/Elegant Beast MkI(バッファー)。
Ibanez/Echo Shifter(モジュレーション・エコー)。
立ったまま操作できるようにスタンド上に設置されたIbanez/Echo Shifter(モジュレーション・エコー)。

信号の接続順はギターからワイヤレスで①SHURE/GLXD6(レシーバー/チューナー)に入り、アンプ下の②Lime Tone Audio/JCB-4SM(ジャンクション・ボックス)、③Conisis/Elegant Beast MkI(バッファー)へと進み、Kemperへと入力される。

Kemperのセンド/リターンには、ジャンクション・ボックス②を経由して、④BOSS/PS-5(ピッチ・シフター)、⑤Ibanez/Echo Shifter(モジュレーション・エコー)が接続されている。⑦Kemper Profiler Remote(フット・スイッチ)はアンプ側のリモート・コントローラーだ。

④は新作『Hateful Failures』収録の「Beauty Queen」で聴けるピッチ・シフト・サウンドを再現するために、2022年ツアーより導入したそうだ。

お気に入りは手元で操作できるようにスタンド上に設置した⑤。FEEDBACKツマミやDELAY TIMEのフェーダーをリアルタイムで操作し、EDMで聴けるホーン・サウンドのようなサウンド・エフェクトなどを再現している。ライブの演出として曲間で使用することが多いそうだ。

作品データ

Hateful Failures
Survive Said The Prophet

ソニー/SRCL-12243/2022年10月12日リリース

―Track List―

  1. Hateful Failures Pt.1
  2. Mary
  3. Drive Far
  4. Beauty Queen
  5. Papersky
  6. Win / Lose
  7. Hopelessly young
  8. Hateful Failures Pt.2
  9. 624
  10. Prayer

―Guitarists―

Tatsuya、Ivan