2023年2月3日に、渋谷VeatsにてTHE CHARM PARK(以下チャーム)のワンマン・ライブ“Division of Seasons”が開催された。今回はそのリハーサル現場に潜入し、彼がライブで使用する機材を撮影。そのステージで登場したアコギ&エレキの入手経緯〜こだわりポイントまで、チャーム本人に詳しく語ってもらいました!
取材/文=伊藤雅景 撮影=星野俊
Martin/00-18V
ブライトな音色を演出する00シェイプ
ライブ本編の8割以上の楽曲で使われたメイン・ギター。ピックアップ・システムには、ピエゾ・ピックアップとマイクの音をミックスできるL.R.BaggsのAnthemを採用している。サンプリング・パッドで作るビートを多用するチャームのライブでも、その音色に負けることのないブライトなサウンドを鳴らしていた。
Interview about 00-18V
“シャキッ”とした音色が魅力です──THE CHARM PARK
入手時期から教えて下さい。
ストラトキャスターと同じで、2018年くらいですね。もともとはマーティンのD-28 Authenticを使っていたんですが、予備としてこの00−18Vを手に入れました。
D-28と比べて、サウンドはどういった印象ですか?
やっぱり、D-28のドレッドノート・シェイプのほうが“絵に描いたようなアコギの音”がするいうか。1人でも演奏が成り立つ“ロー感”があるんですよね。ストロークもしっかりと鳴ってくれて、凄く気持ち良いし。
それに対してこの00−18Vは、ローがけっこう少ないです。そのおかげか、フィンガーピッキングのフレーズの一粒一粒が、D-28よりも明確に聴こえてくれる印象がありますね。その対比がとても気に入っています。
自分がステージ上で聴く印象も全然違くて、このギターはモニターで聴いても凄く“シャキッ”としています。
煌びやかとした音色で、ボディの鳴りもとても良かったです。
ギターそのものの良さもありますが、ピックアップ・システム(L.R.Baggs/Anthem)とコンプレッサー(api/TranZformer CMP)の相性が凄く良くて、それが良い方向にサウンドを整えてくれているんだと思います。
以前からアコギの音色は色々悩んでいたんですよ。生音は良い音でも、ステージでプラグインすると、なんか物足りなくなってしまう……っていうのがあって。でも、このAnthem+TranZformer CMPの組み合わせを見つけてからは、僕が理想とする“良い生音をそのまま出力する”っていうことができるようになりました。
弦は、エレキに張っているものと同じダダリオのXSシリーズ(.012-.053)です。コーティング弦とは思えないくらい音がシャキッとしています。僕は手汗が凄くて、すぐに弦の発音が鈍ってしまうんですが、最初の“シャキッと感”が長続きしてくれるので、とても重宝していますね。
Fender Custom Shop/Stratocaster
兄から譲り受けた、思い出のストラトキャスター
ライブ後半の「Open Hearts」、「Holding Hands」でチャームが使用した1本だ。兄からのプレゼントだという、この1957年スタイルのストラトキャスターは、バンド編成時のメイン・ギター。ピックアップ・ボジションは楽曲によって都度セレクト。チューニングはレギュラー、弦はダダリオで、XSシリーズのカスタム・ライト(.011-.052)を採用。
Interview about Stratocaster
どんなポジション、セッティングでも僕の音になってくれるんです──THE CHARM PARK
入手のきっかけから教えて下さい。
僕には兄がいるんですが、ずっと音楽活動を応援してくれていて。それで、2018年頃にお祝いで買ってくれたんです。別のギターも何本か持っていますが、その思い出もあって、ずっとメインとして使っていますね。4〜5年弾き続けて、今は弾いていて一番心地良いギターになってくれてました。
サウンドのお気に入りポイントは?
このモデルは、ほかのSTタイプと比べて“想像するストラトキャスターの音”がちゃんと鳴ってくれますね。あと、音色に味があります。自分の個性が出せるギターというか。それに、サウンドの幅も広いのに、どんなポジション、セッティングでも僕の音になってくれるんです。
確かに、曲ごとにノブ類やピックアップ・ポジションを微調整していますよね。
いや、ライブの時に触るのはピックアップ・セレクターとボリューム・ノブだけですね。もちろんレコーディングでは微調整していますが、トーン・ノブはずっと全開のままです。カッコつけて“ライブでも微調整してます”って言いたいところですが、ステージ上ではそれどころじゃなくて(笑)。
演奏する楽器が多いですもんね……。では、セッティングのこだわりポイントなどがあれば聞かせて下さい。
ブリッジをフローティングさせずに、ベタ付けにしているところですかね。個人的にはトレモロ・ユニットが浮いているより、ボディに直接触れている時の鳴りのほうが好きなので。浮かせると、ボディの鳴りが半減しちゃうような気がして……。
裏のスプリングは、共振を抑えるためにウレタンを挟んでミュートしています。あとは、弦が切れてもそこまでチューニングが狂わないっていうところがとても大事ですね(笑)。
作品データ
「Lovers In Tokyo」
THE CHARM PARK
配信/2023年1月13日リリース
―Track List―
- Lovers In Tokyo
- Lovers In Tokyo(instrumental)
―Guitarist―
THE CHARM PARK