2023年2月24日、いまみちともたかの著書『ブリキのギターに愛を込めて 〜イカサマイマサ[書籍版]』の発売を記念し、東京・渋谷のHMV&BOOKS SHIBUYAにて、トーク&サイン・イベントが開催された。今回はその内容のレポートと、当日のパフォーマンス用に用意された機材の写真をお届けしよう。
文=福崎敬太 写真=鈴木瑞穂、福崎敬太
いきなり後悔からスタート!?
会場に入ると、書籍を購入したファンで満員御礼。ステージには近年の愛器であるフェンダーのParallel Universe Vol II Jazz Strat、ペダルボード、ローランドのJC-40が用意されていた。
まずは、この日の司会/聞き手である、音楽ライターとしても活躍するローソンエンタテインメントの細川真平氏が登場。本イベント後半での質問コーナーについて説明してくれた。挙手して発言するのは恥ずかしいという人のために、“#ブリキのギター”を付けてTwitterに質問を投稿すれば、その中から無作為にピックアップされた内容に答えてくれるというものだ。これはナイス・アイディア。主役の登場を待ちながら、Twitterに投稿する質問を考える。
『ブリキのギターに愛を込めて 〜イカサマイマサ[書籍版]』
いまみちともたか(著)
そして、いまみちがステージへ。まずは来場者に感謝を述べるとともに、“こういうイベントは慣れてないから、照れ隠しのためにギターを持っていても良い?と担当者に言ったんだけど、そしたら「じゃあ演奏も」とか言われて。急遽パフォーマンスもすることになったんだよ”という経緯を語り、会場の笑いを誘う。
着席すると、書籍を作るにあたってのこだわりについてから、トークがスタート。“(本作りは)本業ではないから、間違いだけはないようにしたかったんだけど、2ヵ所あったんですよ……それが悔しい!”と、いまみち。会場にいた皆さんはどのスタッフが編集担当かわからなかったと思うが、筆者の視線の先にいた編集担当Fが苦笑いだったことだけお伝えしておこう(笑)。
その“間違い”の1点として、連載第3回『色を抜いてくれ!』での「A Hard Day’s Night」のイントロのコードについて語ってくれた。まずは実際に連載時に掲載されたFadd9(6弦から1-x-3-2-1-3)を弾く。それで合っている気がするが……。しかし、“本に間違いがないかどうかを確かめるために「A Hard Day’s Night」をもう1回聴いてみたの。そしたら、こうじゃん!”とFadd9/G(6弦から3-x-3-2-1-3)を弾くと、観客は拍手とともに納得の顔。
ギター・マガジン寄りなマニアックな話題連発!
続いて、影響を受けたギタリストの話、BARBEE BOYSでの曲作りの話、ギターの魅力など、かなりギター・マガジン寄りな内容で嬉しい限りだ。個人的に特に面白かったのは、KONTA(vo,sax)からギブソンのSG Deluxeを借りて、BARBEE BOYSのデビュー前に使っていたという話。勝手にリフィニッシュ&ステッカー・カスタマイズを施して返却したところの描写まで含めて、『イカサマイマサ』読者であれば“これぞ、いまみち節!”と唸る内容!
その後、ストラトキャスターのアームを長らく使ってこなかった理由と、その代わりに使っていたBOSSのビブラート・ペダル=VB-2について語ってくれた。そして、VB-2のサウンドを披露した流れで、“じゃあせっかくだから曲を聴いてもらおう”と「ブリキのギターに愛を込めて」をトラックに合わせて演奏。トーク・イベントではあまり体感しない音量で、いまみちらしいパキッとしたクリーン・サウンドが、店内全体に響き渡っていたことだろう。
話題は、この曲のモチーフとなった、書籍の表紙イラストのロボット=ブリキの乙子が誕生した経緯へ。話がひと段落したところで、“さっきの曲、ボコーダーを忘れてたから、もう1回やろう”とバック・トラックなしでボーカル・パートのみを再演することに。逆にここでしか聴けないアレンジとなって、貴重な体験だった。
その後BARBEE BOYSの結成秘話やバンド内での立ち位置、当時のディレクターとのやりとりなど貴重な話の数々が語られる。最初に“トーク・イベントは慣れてないから”などと言っていたが、軽妙な話に耳を奪われて残り時間もあとわずか。前述の質問タイムは、3問のみの回答となってしまったため、“頑張ってTwitterで返信するよ”と、イベントは幕を閉じた。
Imamichi’s Gear
Fender/Parallel Universe Vol II Jazz Strat
近年のメイン・ギターの1本である、フェンダーのJazz Strat。ポットやピックアップをカスタムのものへと変更している。詳細はいまみちの機材を紹介した以前の記事で確認してほしい。
Roland/JC-40
この日のメイン・アンプはローランドのJC-40。ボリュームが2.5、トレブルが3、ミドルが8、ベースが9、ディストーションやリバーブ、コーラスなどはオフというセッティング。
Pedalboard
イベント当日のペダルボード。右から①BOSSのTU-3w(チューナー)、②Crews Maniac SoundのDC-Train(パワー・サプライ)、③BOSSのVO-1(ボコーダー)、④One ControlのStrawberry Red Over Drive(オーバードライブ)、⑤BOSSのVB-2(ビブラート)、⑥AtomicのAmpli-Firebox(マルチ・エフェクター)。ギターからの信号は、①から③に入り、③のセンド/リターンにつながれた④から⑥も経由して、③のアウトからアンプへと出力される。
G7th/Performance 3 ART Capo Gold
机上に用意されたカポは、G7th製だった。
『ブリキのギターに愛を込めて 〜イカサマイマサ[書籍版]』
いまみちともたか(著)
品種 | 書籍 |
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仕様 | 四六判 / 208ページ |
発売日 | 2023.01.26 |
ISBN | 9784845638475 |
作品データ
『Uta-MONO Tomotaka IMASA Imamichi』
いまみちともたか
D.SKH-E/DSKH-2106/2022年2月16日リリース
―Track List―
01. ブリキのギターに愛を込めて-Tin man’s Ax-
02. SPICY-月下絶頂美人-
03. The 80’s-エイティーズ-
04. -AREEGATO- あり~がとう
05. J@B T@LK
06. パレードは中止 -lockdown parade-
07. 夢遊 -dream play-
08. カリスマ-Charisma-
09. 嘘のようなマジな話 -Truth lies here-
10. ぼくらのバックナンバー -centerfold mystery-
11. All Okay
12. 「うまくやれ」-Reboot-
13. How Do You Do?
―Guitarist―
いまみちともたか