koboreの最新作『HUG』で、佐藤赳と安藤太一が使用したギター&エフェクター koboreの最新作『HUG』で、佐藤赳と安藤太一が使用したギター&エフェクター

koboreの最新作『HUG』で、佐藤赳と安藤太一が使用したギター&エフェクター

koboreの最新アルバム『HUG』が2023年3月にリリースされた。分厚いディストーション・サウンドから、軽やかなクランチまで、幅広いサウンド・メイクが聴きどころの1枚だ。今回は佐藤赳(vo,g)と安藤太一(g)が新作のレコーディングで使用したギター&ペダルボードを解説しよう。

取材/文=伊藤雅景 撮影=星野俊

佐藤赳の愛用機材

YAMAHA/RSP02T

YAMAHA/RSP02T(前面)
YAMAHA/RSP02T(背面)

koboreサウンドの土台を支えるREVSTAR

佐藤のメイン・ギターは“とにかく見た目が気に入って使うことを決めた”という、ヤマハのRSP02T。2022年に入手して以降、ライブ/レコーディングの両方で1軍を担う。koboreのアップテンポでヘヴィな楽曲で聴けるバッキング・パートは、ほぼすべて本器のリア・ピックアップによるサウンドだ。新作『HUG』では「TONIGHT」、「リバイブレーション」などで使用。チューニングはハーフ・ダウンにセッティングし、弦はアーニー・ボールのPower Slinky(.011-.048)。


TC Electronic/polytune 2 mini(チューナー)

TC Electronic / polytune 2 mini

使用するペダルは、このチューナー(TC Electronic/polytune 2 min)1つのみ。ここから、佐藤のアンプ・ヘッド(Hughes&Kettner/GrandMeister 36)のインプットへ信号が送られる。

安藤太一の愛用機材

Iconic Guitars/VM62S

Iconic Guitars/VM62S(前面)
Iconic Guitars/VM62S(背面)

ボディ・バランスの良さが魅力のSTタイプ

2022年の2月頃に入手したという安藤のメイン・ギターは、2012年にアメリカのカリフォルニア州で立ち上がった新鋭ブランド=アイコニック・ギターズ(Iconic Guitars)のSTタイプだ。本人曰く“重量が少し重いのに、実際に持つと軽く感じるボディ・バランス”だという。今作では「雨恋 feat. ちとせみな」のメイン・リフなどで本器のコシのあるサウンドを聴ける。チューニングは佐藤と同じくハーフ・ダウンで、使用弦はマスター8の.009-.042ゲージ。弦のテンションを稼ぐため、ペグへの巻き数を増やしている。


Crews Maniac Sound/OSA-60

Crews Maniac Sound/OSA-60(前面)
Crews Maniac Sound/OSA-60(背面)

ブライトなサウンドを奏でるセミアコ

バンド結成当初から使用しているという、安藤の以前のメイン器。改造点は多岐にわたるが、ポイントとして、ピックアップをローラー・ピックアップ製のImperial Humbucker(Low Windモデル)に換装しているところが挙げられる。本ピックアップは出力が低めなPAFをイメージしたモデルで、ハイ寄りなサウンドが特徴だ。安藤曰く“ローが暴れずにジャキッとしたサウンドになってくれる”とのこと。今作では「ラストオーダー」で本器を使用した。


Ando’s Pedalboard

Ando’s Pedalboard

【Pedal List】
①Factory of the Apes/GOKUSOTSU(ファズ/オーバードライブ)
②FREE THE TONE/ARC-4(プログラマブル・スイッチャー)
③マキノ工房/TUBE DRIVER 7(オーバードライブ)
④Mooer/Slow Engine(ボリューム・スウェル)
⑤Z.VEX/Fuzz Factory(ファズ)
⑥KarDiaN/CHCl3(オーバードライブ)
⑦Friedman/BE-OD(オーバードライブ)
⑧JERSEY GIRL homemade guitars/Plus Driver(オーバードライブ)
⑨strymon/TIMELINE(ディレイ)
⑩Empress Effects/ZOIA(モジュラー・ペダル)
⑪Empress Effects/Reverb(リバーブ)
⑫13 SOUNDS/TUBE PREAMP(プリアンプ)
⑬Limetone Audio/LimetoneBASE(シグナル・ルーティングボックス)
⑭Vital Audio/VA-08Mk2(パワー・サプライ)
⑮Vital Audio/VA-R8(パワー・サプライ)
⑯KORG/GA Custom(チューナー)
⑰Human Gear/FINE.OD(オーバードライブ)

②ARC-4(プログラマブル・スイッチャー)を中心に各ペダルが管理された安藤のペダルボード。

接続順は、ギターから①に入り、②のインプットへ。スイッチャー②に接続された③〜⑪+⑬を通過したのち、②のアウトプットから⑫へと向かい、アンプに信号が送られる。

②FREE THE TONE/ARC-4(プログラマブル・スイッチャー)
②FREE THE TONE/ARC-4(プログラマブル・スイッチャー)

それでは、スイッチャー②の各プログラムを見ていこう。構成は下記の表のとおり。

②のスイッチ番号使用するペダルの番号
PS1③+⑪
PS2③+⑧+⑨
PS3③+⑦+⑧+⑨
PS4③+⑧
PS5③+⑦+⑧
PS6+PS7バンクにごとにプログラム

安藤は、アンプをクリーン・サウンドにセッティングし、ボード内の各種ペダルで歪みを作るスタイルが基本。③のオーバードライブはどのバンクでも常にONになっており、プリアンプ的な役割で使用している。そこに⑥〜⑧の歪みエフェクターを組み合わせ、楽曲ごとにギター・サウンドを細かく調整している。

そして、安藤の空間系エフェクトのキモになるペダルは⑩のモジュラー・ペダル。筐体に配置された数十個のスイッチを組み合わせ、エフェクティブなサウンドを作り出すペダルだ。安藤のボードでは、⑨のセンド/リターンにこの⑩が接続されていた。

また、PS6+PS7にアサインされているペダルは、バンクごとに細かく変えていると本人談。よく使用する組み合わせは④+⑨+⑪で、④のファズの音色にディレイ+リバーブを重ねがけした“轟音サウンド”を生み出す。

写真右上に見える⑰は、安藤が以前メインで使用していたオーバードライブだが、取材時は接続されていなかった。

TOUR INFORMATION

kobore one man tour 2023
“この夜を抱きしめてツアー”

日程/会場

2023年05月14日(日) /千葉 LOOK
2023年05月17日(水) /神戸music zoo KOBE 太陽と虎
2023年05月18日(木) /静岡 UMBER
2023年05月28日(日) /横浜F.A.D YOKOHAMA
2023年06月01日(木) /新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
2023年06月09日(金) /鹿児島SR HALL
2023年06月10日(土) /大分CLUB SPOT
2023年06月13日(火) /岡山YEBISU YA PRO
2023年06月14日(水) /京都KYOTO MUSE
2023年06月16日(金) /金沢EIGHT HALL
2023年06月20日(火) /札幌cube garden
2023年06月22日(木) /仙台MACANA
2023年06月24日(土) /水戸 LIGHT HOUSE
2023年06月29日(木) /福岡 BEAT STATION
2023年07月01日(土) /高松DIME
2023年07月02日(日) /広島CAVE-BE
2023年07月05日(水) /名古屋CLUB QUATTRO
2023年07月06日(木) /心斎橋BIGCAT
2023年07月08日(土) /東京Zepp Shinjuku

チケット

前売:¥4,000(税込)+ドリンク代
当日:¥4,500(税込)+ドリンク代

※情報は記事公開時のものです。最新のチケット情報や公演詳細はkobore公式HPをチェック!

kobore公式HP
https://kobore.jp/

作品データ

『HUG』
kobore

日本コロムビア/COCP-41981/2023年3月15日リリース

―Track List―

  1. TONIGHT
  2. リバイブレーション
  3. LUCY
  4. もういちど生まれる
  5. ユーレカ
  6. うざ。
  7. 雨恋 feat. ちとせみな
  8. STRAWBERRY
  9. オレンジ
  10. ひとりにしないでよね
  11. ラストオーダー
  12. この夜を抱きしめて

―Guitarists―

佐藤赳、安藤太一