ジェフ・ベックの過去インタビューから、印象的なトピックについて語った部分を抜き出してお届けする連載、『Jeff Beck Talked about…』。今回はジェフ・ベックがストラトキャスターに対して感じる特異性について語ってくれた。本モデルを世界で最も理解しているギタリストは、その魅力をどう表現するのか。
This article is translated or reproduced from Guitarist #495 March 2023 and is copyright of or licensed by Future Publishing Limited, a Future plc group company, UK 2023. All rights reserved.
Interpretation by Tommy Morly Photo by Paul Natkin/WireImage/GettyImages Designed by Marina Ino
ストラトキャスターに対して敬意を払わなくちゃならない
俺のストラトキャスターは3本目の腕で、体の一部なんだ。ギターのように感じることはまったくないね。俺の声のような道具だ。
レス・ポールとなるとギターらしさを感じていて、異なったプレイをするようになるし、ほかの誰かのようなサウンドになってしまう。でもストラトだとすぐに俺のサウンドになってしまうから、それが理由で自分の体の一部としてきたんだ。もしくはストラトが俺を本体の一部として溶接してくれたのかもしれないね(笑)。
フェンダーのストラトに対して敬意を払わなくちゃならないくらいで、(このギターの)中には音楽が詰まっている。数々のグレイトなインスピレーションを与えてくれるツールである一方で、時には何かほかのものを見つけるまでチャレンジさせてズタズタにしてくれてしまう存在なんだ。だけど本気になって探せばキチンとそれは見つかるんだよ。
繊細なタッチにも反応し、トーンのバリエーションは無限にある。特にトレモロアームを使えば際限がないんだ。俺はセットアップしてペダル・スティールのように扱っているよ。
──ジェフ・ベック(トータル・ギター誌2016年9月)
『ギター・マガジン 2023年4月号 (追悼大特集:ジェフ・ベック)』
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