ハンブレッダーズのukicasterがライブで使用するギター、アンプ、ペダルボードを大公開! 今回紹介する機材は、2024年3月に大阪城ホールで開催されたワンマン・ライブ“放課後Jタイム ~15th Special~Extra”に向けたスタジオ・リハーサルで撮影したもの。ビンテージのストラトキャスターを駆使して奏でる、コシのあるドライブ・サウンドの秘密に迫る。
取材/文=伊藤雅景 機材写真=大谷鼓太郎
Guitars
Fender/Stratocaster
バキバキなトーンが魅力のビンテージ
ukicasterのメイン・ギターは、2023年11月に手に入れたというビンテージのストラトキャスター。71年製のボディと、66年製のネックが組み合わされた1本だ。ukicaster曰く“とにかく音のスピードが速く、触れた瞬間に出るギター”だそう。
配線がカスタムされており、“アンプの良いところを出しやすい”よう、リア・ピックアップにもトーンが効くよう改造されている。チューニングはレギュラーで、フローティングはさせていない。使用弦はダダリオのEXL110(.010-.046)で、ピックはフェンダーのティアドロップ(ミディアム)を愛用。
Fender Custom Shop/Limited Edition 1967 Stratocaster Relic
新作のギター・サウンドを決定づけた1本
上京した記念に入手したカスタムショップ製のストラトキャスター。新作『はじめから自由だった』のレコーディングでは、「ひらがな」以外のすべての楽曲で本器が使用された。“音は速いが、太さもしっかりと出る”そうで、そのオールラウンドなキャラクターが重宝された。
メインのピックアップ・ポジションはリアだが、「DANCING IN THE ROOM」ではフロントとセンターのハーフ・トーンもチョイス。なお、フローティングやチューニング、使用弦などは前述のストラトキャスターと同様だ。
Fender/80s HM Strat
ぶ厚い音色を奏でるヘヴィー・メタル・ストラト
80年代後期から90年代頭にかけて生産され、2020年に復活を遂げたフェンダーのHM Strat。2023年末に、速弾きの練習をするためのギターを探していたところ、偶然見つけ購入したそうだ。
音の印象は“モダンではないが、重厚で80年代っぽいサウンド”とのこと。ライブでは、ハムバッカーのサウンドが必要な楽曲で登場予定だ。コイルタップは使っていないが、リアをタップした時の音色は、かなりストラトキャスターに近いそうだ。
Pedalboard
【Pedal List】
①Studio Daydream/JCTBx4/MD V6(ジャンクション・ボックス)
②JHS Pedals/Emperor V2(コーラス)
③MXR/M117R(フランジャー)
④Xotic/XW-1(ワウ・ペダル)
⑤BOSS/ES-8(プログラマブル・スイッチャー)
⑥BOSS/OC-5(オクターバー)
⑦Vemuram/Karen(オーバードライブ)
⑧Marshall/The Guv’nor(ディストーション)
⑨MXR/micro amp(ブースター)
⑩Nordvang Custom/No.1 Signature(オーバードライブ)
⑪Empress Effects/Compressor MKII(コンプレッサー)
⑫Ibanez/TS808 Mod(オーバードライブ)
⑬Jim Dunlop/Echoplex Delay(ディレイ)
⑭Electro-Harmonix/Double Muff(ファズ)
⑮J.Rockett Audio Designs/Boing Spring Reverb(リバーブ)
⑯BOSS/TU-3S(チューナー)
⑰Vital Audio/VA-08 MkII(パワーサプライ)
⑱FREE THE TONE/PT-5D(パワーサプライ)
ukicasterのライブ用ペダルボード。歪み、ブースター、空間系など、様々な系統のペダルがバランス良く配置されたシステムだ。
ギターの信号はジャンクション・ボックス(①)へ入力され、②からプログラマブル・スイッチャー(⑤)まで番号順に進む。⑤に接続された(⑧〜⑭)を経由したのち、再度①を経由してアンプへ向かっている。
⑤に接続された⑧〜⑭のペダルの用途は、以下の表に記載した。
オーバードライブ | ⑦ |
ディストーション | ⑧ |
オーバードライブ(ブースト) | ⑦+⑨ or ⑩ |
クリーン | ⑪+⑫ |
クリーン(ブースト) | ⑫+⑨ or ⑩ |
ディレイ | ⑦+⑬ |
ファズ | ⑭ |
リバーブ | ⑦+⑮ |
一番使用頻度が高い歪みペダルはオーバードライブのKaren(⑦)。アンプのクランチ・サウンドをプッシュする役割だ。さらに深いゲインはThe Guv’nor(⑧)でカバー。
ちなみに、⑧は韓国製のもので、英国製の個体よりもレンジが狭い印象とのこと。そのおかげで、ツイン・ギターの帯域の棲みわけがしやすいそう。
ブースターはmicro amp(⑨)とNo.1 Signature(⑩)を使いわけており、クリーン・ブーストが⑨、クランチでブーストさせる場合は⑩を使用。また、クリーン・サウンドは音色を整えるコンプレッサー(⑪)を使っているのがポイントだ。
ファズはDouble Muff(⑭)をチョイス。踏むタイミングは“気分”だそうだ。
Amplifier
Marshall/JMP 2203(Head)&1936 2×12(Cabinet)
コシのあるブリティッシュ・サウンドが魅力
ハンブレッダーズのリード・サウンドを彩るukicasterのメイン・アンプ。ビンテージのJMP2203と、12インチのスピーカーを2発搭載した1936の組み合わせだ。ライブではサブのヘッドにJCM800が用意されていたが、本機のほうがハイ・ミッドのまとまり感があるとのこと。JMP2203のEQツマミはほとんど効いていないそうだが“「その音しか出ません」みたいな器用貧乏感が好き”とのこと。なお、キャビネットの1936は、入手時にはセレッションのG12が搭載されていたが、現在はVintage 30に交換されている。
Setting/JMP 2203
ハンブレッダーズ“はじめから自由だったワンマンツアー”
日程/会場
- 2024年5月9日(木)/石川県 金沢EIGHT HALL
- 2024年5月11日(土)/広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
- 2024年5月18日(土)/宮城県 チームスマイル・仙台PIT
- 2024年5月21日(火)/東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
- 2024年5月25日(土)/北海道 サッポロファクトリーホール
- 2024年5月30日(木)/大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2024年5月31日(金)/大阪府 Zepp Osaka Bayside
- 2024年6月8日(土)/沖縄県 Output
- 2024年6月9日(日)/沖縄県 Output
ハンブレッダーズ ワンマンライブ 放課後Bタイム ~15th Special~
日程/会場
- 2024年10月9日(水)/東京都 日本武道館
※情報は記事公開時のものです。最新のチケット情報や公演詳細はハンブレッダーズ公式HPをチェック!
ハンブレッダーズ公式HP
https://humbreaders.com/
作品データ
『はじめから自由だった』
ハンブレッダーズ
トイズファクトリー/TFCC-81063/2024年2月21日リリース
―Track List―
- はじめから自由だった
- サレンダー
- ビートアディクション
- 十七歳
- DANCING IN THE ROOM
- ひらがな
- またね
- ペーパームーン
- 無駄な抵抗
- グー
- THE SONG
―Guitarists―
ukicaster、ムツムロアキラ