ヤマハより、アコースティック・ギターの新たなフラッグシップ・モデル“FS9”が登場 ヤマハより、アコースティック・ギターの新たなフラッグシップ・モデル“FS9”が登場

ヤマハより、アコースティック・ギターの新たなフラッグシップ・モデル“FS9”が登場

 ヤマハのアコースティック・ギターの新たなフラッグシップ・モデル“FS9”が、2024年6月28日(金)に発売される。

YAMAHA/FS9 R
FS9 R
YAMAHA/FS9 M
FS9 M

 ヤマハは1966年のFG180とFG150の発売以来、アコースティック・ギターの販売を本格的に開始し、エントリー・モデルからプロ・ミュージシャン向きのハイエンド・モデルまで、幅広いラインアップを展開してきた。

 近年においては、歌の伴奏でアコースティック・ギターを使用するシンガーソングライターの表現力の追求のために妥協なく開発したフラッグシップ・モデルであるFG9を、2023年5月に発売した。

 今回発表されたFS9も、FG9と同じくシンガーソングライターのために開発されたモデルだが、FG9がパワフルなストロークに応えるドレッドノート・スタイルであったのに対し、FS9にはコンパクトなコンサート・スタイルが採用されており、特に指弾きに最適なギターとなっている。

 そのおもな特徴を紹介しよう。

弾き手の表現に呼応する「音の太さ」と「明瞭さ」を両立させた新設計

 FS9のボディ・トップには、木目と直交する方向に硬い希少木材のアディロンダック・スプルースと、最新の音響解析シミュレーションによる試作工程を経てデザインされた独自のスキャロップド・ブレイシングが採用されている。これにより、構造的な強度と効率の良い振動を確保し、音の太さと、ヤマハならではの明瞭さを兼ね備えたサウンドを実現。

 またボディ・バックは従来のFSよりも厚さを増し、反射板としての性能を高めることで、ボディ全体から発せられる音の力強さを強化している。

  さらにネックとボディが適度に切り離されるボルトオン構造を採用し、ピッキングによるエネルギーを効率良くボディに伝えることで音量を増す、という工夫も施されている。

 こうした設計によりFS9は、繊細な歌と相性の良い明瞭な音色から、楽曲の盛り上がりに合わせて力強く響く太い音色までを生み出すギターとなっている。

抜群の演奏性を実現する新たなV字ネック形状

 FS9のネックには、やや丸みをもたせた新たなV字形状が採用されている。

 これにより、コンサート・スタイルの小ぶりなボディと短いスケール(634mm)を継承しながらも、ネックが握りやすくなり、ストレスのない抜群の演奏性を実現している。

ネック

好みに合わせて選べる2つのサウンド・キャラクター

 FS9には、ボディのバックおよびサイドの材が異なるFS9 RとFS9 Mの2種類が用意されている。

 FS9 Rは倍音が美しく響くインディアン・ローズウッド材を採用したモデルで、より深くズッシリとした低音と、伸びのある高音が特徴。

FS9 R(背面)
FS9 R

 一方のFS9 Mは、中域に温かさをもたらすアフリカン・マホガニー材を採用したモデルで、軽やかで切れの良い音色を特徴とする。

FS9 M(背面)
FS9 M

シンプルかつ細部に精緻さを感じさせるデザイン

 全体のデザインはシンプルでありながら、手元で見た時にフラッグシップ・モデルならではの精緻さが感じられるよう、細部に意匠が凝らされているのもFS9の魅力の1つだ。

 サウンドホールの周囲とボディのエッジ部には、日本文化で多く見られる縄を模したインレイが採用されている。

縄を模したインレイ

 サウンドホールから見えるラベルには、和紙が使われている。

和紙を使ったラベル

 指板のポジション・マークは組木細工を思わせるユニークな形状で、これもまた日本のメーカーとしての矜持が感じられるデザインだ。

組木細工を思わせるポジション・マーク

 以上がFS9のおもな特徴だ。


 YouTubeのYamaha Guitarsチャンネルでは現在、FS9を紹介する次の7つの動画が公開されており、これらの動画でFS9 RとFS9 Mの音色の違いや、指で弾いた時とピックで弾いた時のサウンドを一通り確認することができる。

 歌に合わせてギターの弾き方を変化させていく手法も、シンガーソングライターを目指す人の参考になると思うので、ぜひ見てみよう。

YAMAHA
FS9 R
FS9 M

【スペック】
●胴型:FS コンサートスタイル
●弦長:634 mm
●胴長:497 mm
●全長:1022 mm
●胴幅(最大幅):380 mm
●胴厚:90-115 mm
●指板幅(上駒部/胴接合部):44 mm
●String Spacing *:11 mm
●表板:アディロンダックスプルース単板
●裏板:FS9 R=インディアンローズウッド単板/FS9 M=アフリカンマホガニー単板
●側板:FS9 R=インディアンローズウッド単板/FS9 M=アフリカンマホガニー単板
●棹:マホガニー
●指板:エボニー
●指板半径:R400 mm (15 3/4″)
●下駒/弦留ピン:エボニー
●上駒/下駒枕:牛骨
●糸巻:Gotoh SXN510 コスモブラック
●ボディバインディング:エボニー + 木製ロープパターン
●サウンドホールインレイ:木製ロープパターン
●ピックガード:べっ甲柄
●胴塗装:グロス仕上げ(ニトロセルロースラッカー)
●棹塗装:セミグロス仕上げ (ポリウレタン)
●弦:Elixir NANOWEB 80/20 Bronze Light
●付属品:ハードケース

【価格】
FS9 R:550,000円(税込)
FS9 M:528,000円(税込)

【問い合わせ】
ヤマハミュージックジャパン お客様コミュニケーションセンター TEL:0570-056-808 https://jp.yamaha.com