DIR EN GREY、L’Arc~en~Ciel、MUCCなど、長いキャリアを持つバンドのメンバーが集い、新たな表現を追求するプロジェクト=Petit Brabancon(プチ・ブラバンソン)。本記事では、2024年9月に行なわれた新EP『Seven Garbage Born of Hatred』のリリース・ツアー“BURST CITY”で、ギタリストのantzが使用した2本のギターを紹介する。
取材・文=原田右恭 機材撮影=小原啓樹 人物撮影=河本悠貴
antz’s Guitars
SubZero
Rogue Ⅵ Tobacco Sunburst
1オクターブ低いチューニングで使用するバリトン・ギター
2023年の後半、「a humble border」の制作中に導入した、30インチのロング・スケールを持つバリトン・ギター。メインで使用していたTLシェイプのバリトン・ギターのサブを長らく探していたところ、ネットでSubZeroの存在を知り、機会を得て購入したという。シリアル・ナンバーは“152561-76-14016”。
本器はバリトン・ギターのチューニング(B-E-A-D-F-#B)ではなく、1オクターブ低いレギュラー・チューニング(G-D-G-C-F-A)にセッティングされていた。バリトン・ギターよりも低いチューニングでセッティングしてもテンション感が損なわれないため、コードの分離感をしっかり伝えられるとのこと。さらにコード感をキレイに表現するため、ピックアップの位置を下げて歪みを抑えている。
とにかく見た目がお気に入りで、antzは“激しいサウンドが持ち味のバンドだからこそ、ブロック・インレイでサンバーストというスタンダードな見た目のギターを使うことがクール”と語っていた。
パーツやピックアップ交換などは行なっておらず、本ツアーを通してアップデートの方向性を固めていく予定とのこと。弦は仮でLa Bellaの.014〜.070を使用している。
使用楽曲(2024年9月5日@Spotify O-EAST)
- 刻
- Pull the trigger
- a humble border
Balaguer Guitars
The Diablo Baritone 7 Run
大半の曲を支える7弦バリトン・ギター
2023年に行なわれた“INDENTED BITE MARK”ツアーから導入された、Balaguer Guitarsの7弦バリトン・ギター。27インチ・スケールが採用されている。最初は納得のいくサウンドが得られなかったそうだが、今回から使用弦をD’AddarioのEXL110-7(.010〜.059)からDR Stringsの0.11〜0.65へ変更したことで、ロー・ミッドに迫力が増したという。
こちらもアッセンブリの改造はされていないが、“ピッキングの際に邪魔になる”という理由でトーン・ノブがはずされている。演奏時のノイズ対策のためにGruv Gearのフレット・ラップが装着されていた。
使用楽曲(2024年9月5日@Spotify O-EAST)
- dub driving
- Don’t forget
- BATMAN
- Isolated spiral
- 眼光
- 非人間、独白に在らず
- I kill myself
- Loser
- 無秩序は無口と謳う
- 渇き
- OBEY
- Mickey
- 疑音
- Vendetta
Strings
写真左側がSubZeroに張られているLa Bellaの弦(014〜.070)。写真右側がBalaguer Guitarsに張られているDR Stringsの弦だ(0.11〜0.65)。
Picks
ピックはMASTER 8 JAPANのシグネチャー・モデルを使用。Jazz Ⅲ型とティアドロップ型の間のようなシェイプが採用されている。滑り止めとしてPetit Brabanconのマークが刻印されていた。
作品データ
『Seven Garbage Born of Hatred』
Petit Brabancon
MAVERICK DC
DCCA-130
2024年6月14日リリース
―Track List―
- move
- dub driving
- BATMAN
- 眼光
- a humble border
- Mickey
- Vendetta
―Guitarists―
ミヤ、antz