ギタリストが出くわしがちなシチュエーションを題材に、その解決方法を考えていく教則本『38のシチュエーションで学ぶ 宮脇流セッション・ギタリスト養成塾〜アドリブ・マスター・コース』。ギタマガWEBではその連動動画と一緒に内容の一部を公開中! 第33弾は哀愁のあるバラードでギター・ソロを弾くシチュエーション。カギとなるのはFmにおけるアプローチだ。
【シチュエーション33】
美しくもはかないバラード曲で、
ボーカルと絡み合うエモーショナルなギターを弾く。
現場の風景
- コード進行はC→F→Fm→C。
- ボーカルは切なく歌いあげている。
- Aマイナー・ペンタで弾き通すことはできなそう。
それは美しくもはかないバラード曲での出来事だった。コード進行はC – F – Fm – Cという4小節のくり返し(Ex-1)。
特にFmのところが哀愁だ。“ミニョンは記憶を失ったカンジュンサンだったと判明、しかし重い病に冒されたカンジュンサンは、ユジンのもとを去っていく場面(冬ソナの第19話参照)”みたいな。
数回そのコード進行をくり返したあたりで、単音フレーズのオカズを入れてみたくなった。せつなく歌い上げるボーカルに絡むエモーショナルなギター。うまく決まれば最高だ。
“Cで始まってCで終わるわけだから、Aマイナー・ペンタで弾き通せるはず”。そう思って弾いたのがEx-2。
するとそれまで自分の世界に浸りきっていたボーカリストが、目をひんむいて睨みつけてきた!
確かにミス・トーンっぽかった。あとでフレーズを検証してみると、Fmという暗いコード時に、△3rdという脳天気な音を鳴らしていたことが判明(Ex-3)。
するとキーボードのヒゲちゃんがポンと肩を叩きながら言った。
“あそこはやっぱりCマイナー・ペンタでしょ!”。
え、key=CなのにCマイナー・ペンタって、それってブルースとか?
『38のシチュエーションで学ぶ 宮脇流セッション・ギタリスト養成塾〜アドリブ・マスター・コース』
品種 | ムック |
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著者 | 宮脇 俊郎(著) |
仕様 | A4判 |
発売日 | 2020.08.24 |
ISBN | 9784845635283 |