佐橋佳幸がピーター・ゴールウェイとのジャパン・ツアーで使用した4本のギター 佐橋佳幸がピーター・ゴールウェイとのジャパン・ツアーで使用した4本のギター

佐橋佳幸がピーター・ゴールウェイとのジャパン・ツアーで使用した4本のギター

元ザ・フィフス・アヴェニュー・バンドのピーター・ゴールウェイと佐橋佳幸がタッグを組み、2025年4月に日本の豪華ミュージシャンを多数ゲストに迎えたアルバム『EN』をリリースした。6月には大阪、横浜、東京で本作に伴うジャパン・ツアーを敢行。本記事では、佐橋佳幸がライブで使用した4本のギターをご紹介しよう。

取材・文=鈴木伸明 機材撮影=元気良一

佐橋佳幸

Sahashi’s Guitars

1964 Fender
Stratocaster

1964 Fender / Stratocaster

トレードマークの64年製キャンディ・アップル・レッド

佐橋がメインで使用したのは、トレードマークと言える1964年製のストラトキャスター。2000年に入手後、現在のキャンディ・アップル・レッドにリフィニッシュされ、木目が剥き出しになったボディの傷が様々な現場で活躍してきたことを物語っている。

ピックアップは埼玉県の工房“GRINNING DOG”にて何度か巻き直されており、ほかにもペグ、ピックガード、コンデンサー、ポットなどのパーツも交換済みだ。

この日は全弦半音下げチューニングにセッティングされていた。


1961 Fender
Stratocaster

1961 Fender / Stratocaster

スライド・プレイで使われた61年製フィエスタ・レッド

ザ・フィフス・アベニュー・バンドのカバー曲「Good Lady Of Toronto」で使用されたのは、フィエスタ・レッドの1961年製ストラトキャスター。2011年、佐橋の50歳の誕生日を記念して購入したものだ。ネックが太いためスタジオで使用されることが多く、ライブではサブとして用意されている。

以前のオーナーがハンク・マーヴィン好きで、入手した時点で現在のカラーにリフィニッシュされていたそうだが、非常に良いコンディションを保っている。

この日は全弦を半音下げにしたうえで、6弦と1弦をさらに1音下げてチューニング(C♯-G♯-C♯-F♯-A♯-C♯)。絶品のスライド・プレイを聴かせてくれた。


beffnick bracework
Sahashi Model #2

beffnick bracework / Sahashi Model #2

家紋が入った佐橋モデル

2007年、ギター・ルシアーの合瀬潤一郎氏が佐賀県で立ち上げたアコースティック・ブランド、beffnick bracework(ベフニック・ブレスワーク)の佐橋モデル。

最初に手にした000スタイルのギターを気に入り、工房に出向いてオーダーした2本目の000シェイプのモデルで、近年のアコースティック・ギターのメイン器となっている。12フレット部分に佐橋家の家紋が入っているのがポイントだ。

ボディ・トップはジャーパン・スプルース、ボディ・サイドとバックはハカランダ。ネックはマホガニーで、指板にもハカランダが採用されている。ピックアップはL.R.BaggsのDual Sourceを搭載し、アンダー・サドル・ピックアップとコンデンサー・マイクの2つをブレンドして出力。

今回のライブでは「French Is Spoken Far From Here」で使用された。


beffnick bracework
Sahashi Model Nylon

beffnick bracework / Sahashi Model Nylon

メイン器をもとに製作されたナイロン・ギター

スティール弦仕様のSahashi Model #2と同じスタイルで製作された、ナイロン弦仕様の1本。こちらにはボディ・カッタウェイが採用されている。ピックアップもメイン器と同様に、L.R.BaggsのDual Sourceが取り付けられていた。

今回のライブでは「Kyoto」で使用され、ウォームかつクリアなサウンドを聴くことができた。

アコースティック・ギターは2本共、全弦半音下げチューニングにセッティング。

Peter Gallway & 佐橋佳幸
“EN” Japan Tour 2025 with 屋敷豪太, 小原礼, Dr.kyOn
2025年6月26日(木)@Billboard Live TOKYO

【Setlist】
01. On The Bandstand
02. Running, Walking, Kicking The Ball
03. Save The Country
04. French Is Spoken Far From Here
05. Coltrane’s Blue World(with 山本拓夫)
06. Tokyo To Me(with 山本拓夫、松たか子)
07. Shinjuku Neon(with 山本拓夫、大貫妙子、松たか子)
08. Kyoto(with 山本拓夫、大貫妙子、松たか子)
09. English Football At The Prince Hotel(with 山本拓夫、大貫妙子、松たか子)
10. Land Of Music

-Encore-
11. Good Lady Of Toronto
12. Sunday Basketball(with 山本拓夫、大貫妙子、松たか子)