2024年8月にバンド名義として活動を始めた、kanekoayano。カネコアヤノ(vo,g)を中心に林宏敏(g)とtakuyaiizuka(b)をメンバーに迎えて結成した新生バンドだ。7月11日発売のギター・マガジン2025年8月号では、待望の1stアルバム『石の糸』についてカネコと林のインタビュー&ギアを紹介しているが、本記事では本誌に掲載しきれなかった林宏敏の愛用ギターをご紹介。
取材・文=奥田悠哉 機材撮影=鈴木千佳
Hayashi’s Guitars
1958 Danelectro
3022 DC-2
REC後に入手したニューカマー
カネコアヤノのジャガー(本誌掲載の新メイン器)に触発されてレコーディング後に入手したという、1958年製のダンエレクトロ3022 DC-2。本器はコッパー・フィニッシュのショート・ホーン・モデルだ。“フロントは太い音が出てリアは60年代のガレージ・バンドみたいなテケテケな音、センターはちょうど良いキラッとしたところが出てくれるのでとても気に入っています”と語ってくれた。
LsL Instruments
T-Bone “Rain”
アイコニックなTLタイプ
林が長年愛用するTLタイプで、“Rain”という愛称が付けられている1本。ジム・カンピロンゴ所有の1959年製テレキャスターに憧れて、メイプル指板とホワイト・ブロンドの組み合わせの本器を入手したそうだ。最新アルバムでは「さびしくない」や「石と蝶」で使用しており、4月にYouTubeで配信されたライブ・パフォーマンスでもこのギターを手にする林の姿を見ることができる。
1967 Gibson
Firebird Ⅰ
ライブやRECで御用達の1本
2021年リリースのアルバム『よすが』の頃からライブでのメイン・ギターとして活躍していた、ノン・リバース・ヘッドのファイアーバードⅠ。ピックガードやブリッジが交換されているが、その他パーツは1967年製のオリジナル仕様だ。最新アルバムの「WALTZ」では、リッケンバッカーのバッキングに乗せてリード・メロディを奏でている。
1957 Fender
Musicmaster
「ラッキー」を奏でた1PUギター
バンド名義で活動を始めてからターニング・ポイントになったという楽曲、「ラッキー」で活躍した本器。イントロ・リフのビブラート的な揺れは、strymon TIMELINEのショート・ディレイと組み合わせて演奏しているとのこと。ミュージックマスターは1956年にスチューデント・モデルとして登場。本器は1957年製で、改造点なしのフル・オリジナル仕様だ。
Fender
TL52-80TX
人生初の思い出深いテレキャスター
本器は林が高校生の頃に初めて入手した日本製のエレキ・ギター。今回のレコーディングでは使用されていないが、海外のライブなどではメイン器として活躍している1本だ。 “メインで使っているLsLともキャラが違くて、ミドルがパコーンって出てくるので耳に痛いところが全然ない。色々改造はしているんですけど、こっちの音もこれはこれで良いんです”と語ってくれた。

ギター・マガジン2025年8月号
『Mrs. GREEN APPLE 若井滉斗』
7月11日(金)発売のギター・マガジン2025年8月号では、カネコアヤノと林宏敏のインタビュー記事やペダルボードを掲載!
作品データ

『石の糸』
Kanekoayano
1994 Inc.
NNFC-14
2025年5月28日リリース
―Track List―
01. noise
02. 太陽を目指してる
03. 僕と夕陽
04. 日の出
05. ラッキー
06. さびしくない
07. 難しい
08. WALTZ
09. 石と蝶
10. 水の中
―Guitarists―
カネコアヤノ、林宏敏





