フジイケンジがThe Birthdayのツアー『Quattro×Quattro Tour’25』で使用した2本のギター フジイケンジがThe Birthdayのツアー『Quattro×Quattro Tour’25』で使用した2本のギター

フジイケンジがThe Birthdayのツアー『Quattro×Quattro Tour’25』で使用した2本のギター

2025年9月、全国4箇所のCLUB QUATTROをめぐるツアーを行なったThe Birthday(クハラカズユキ, ヒライハルキ, フジイケンジ)。ギタマガWEBでは最終日の渋谷CLUB QUATTRO公演にて、フジイケンジの機材を撮影することができた。本記事では、このツアーでフジイが使用した2本のギターを本人のコメントを交えてご紹介しよう。

文=小林弘昂 機材撮影=新保勇樹

Fujii’s Guitars

1959 Fender
Jazzmaster

切れ味バツグンのアノダイズド・ジャズマスター

The Birthday加入当初のライブでは「Red Eye」でしか使用されなかったが、2013年頃からメイン・ギターとして活躍し出した1959年製ジャズマスター。

2000年頃に購入したもので、フジイ曰く“持っているジャズマスターの中で一番ドスの効いたサウンドがする”という。レコーディングには本器を持って行くことが多く、最も現場で使用してきた1本とのこと。この日はネック・プレートに弦高調整用のレンチが固定されていた。

The Birthdayでは黒い61年製のジャズマスターを使用することも多いが、この2本は気分で使い分けているそうだ。フジイは“61年は少しトレブリーなので、今は59年が使いやすいです”とコメント。

使用するピックアップはフロントのみ。以前のライブ中にフロント・ピックアップのコイルが断線してしまい、その後、応急処置としてリア・ピックアップと入れ替えたそうだが、そのままでも問題なかったそうで、それ以来そのままになっている(現在コイルは巻き直されている)。

プリセット・コントロールの配線はカットされている。

たまに弦がペグからほどけてしまうことがあるそうで、ジャズマスターは1弦のみペグ穴に通さずに巻かれている。弦はSIT StringsのS1046 Light Power Wound(.010〜.046)を使用。

弦落ち対策のため、ブリッジはムスタング・タイプへと交換済み。また、弦の共振を抑えるためにトレモロ・ユニットと弦の間にはスポンジが挟まれていた。

使用楽曲(2025年9月19日@渋谷CLUB QUATTRO)

  • 「LOVE ROCKETS」
  • 「JOIN」
  • 「Red Eye」
Fender/Jazzmaster

1968/69 Gibson
Les Paul Custom

The Birthdayを支えた名器が再び登場

今回のメイン・ギターは、久しぶりにThe Birthdayの現場に登場した1968/69年製のレス・ポール・カスタム。フジイは“好きなギターなので、いつも使いたいと思っています。グレッチのセンターに少し近いので、曲によってチバ君のコード・ストロークを弾く時に使っています”とコメント。

メインはリア・ピックアップだが、この日のライブの「愛でぬりつぶせ」、「青空」、「サイダー」、「COME TOGETHER」ではミックス・ポジションを選択していた。“センターのほうがパリッとしてグレッチに近いニュアンスがしたので、センターにしました”とのこと。また、「声」は以前ミックス・ポジションで弾いていたが、今回はリアを選択。フジイは“「声」はジャズマスターのほうが良かったと思いました”と振り返っていた。

本器はレス・ポールの再生産が始まった1968年の仕様だが、出荷は1969年という過渡期のモデルで、フジイは2006年に購入。当時、グレッチのTennessee Roseを愛用していたチバユウスケとの相性を考慮し、The Birthdayに加入した2011年からメイン・ギターとして使用。そのパワフルなサウンドでバンドに疾走感や躍進力をもたらした1本である。

以前のオーナーがコントロール付近にミニ・スイッチを搭載していたそうで、フジイが購入する時はそのスイッチがはずされており、その痕を目立たなくするため周辺の塗装がリフィニッシュされていたという。

また、購入当初はチューニングが安定しなかったため、ブリッジの位置を修正し、GOTOH製のブリッジに換装。ペグはGroverのものが搭載されていたが、見た目が好みではなかったことと、“もっと軽くしたかった”という理由でKlusonに交換された。

使用楽曲(2025年9月19日@渋谷CLUB QUATTRO)

  • 「愛でぬりつぶせ」
  • 「青空」
  • 「サイダー」
  • 「誰かが」
  • 「Nude Rider」
  • 「声」
  • 「COME TOGETHER」
  • 「涙がこぼれそう」
  • 「READY STEADY GO」
Gibson/Les Paul Custom

Picks

ピックはJim DunlopのUltex Triangle 1.0mm。Ultexという硬い素材で作られており、フジイ曰く“ちょっと弾いただけでもパンチが伝わるので、わりと柔らかめに弾いている”とのこと。

Jim Dunlop/Ultex Triangle

2025年9月19日(金)渋谷CLUB QUATTRO

【Setlist】
01. LOVE ROCKETS
02. JOIN
03. 愛でぬりつぶせ
04. 青空
05. サイダー
06. Red Eye
07. 誰かが
08. Nude Rider
09. 声

-Encore-
10. COME TOGETHER
11. 涙がこぼれそう with TOSHI-LOW(BRAHMAN)
12. READY STEADY GO