ルディ・ロイストン(d)とトーマス・モーガン(b)とのトリオ編成で、10月にBLUE NOTE TOKYOで6年ぶりの来日公演を行なったビル・フリゼール。今回のライブでビル・フリゼールが使用したアンプ、ぬいぐるみ、オルゴールをご紹介しよう。
取材・文=小林弘昂 通訳=トミー・モリー 機材撮影=星野俊
Bill Frisell’s Amplifier
Fender / ’65 Deluxe Reverb

会場でレンタルした人気のリイシュー・モデル
今回の来日公演では、会場でレンタルしたフェンダーの’65 Deluxe Reverbを使用。スピーカーはJensenのC-12Kが1発搭載されている。マイクはSennheiserのE609がセットされていた。

VIBRATO chの1にインプットし、各ノブはVOLUMEが4.5、TREBLEが3.5、BASSが7手前にセッティングされていた。リバーブとトレモロはオフ。基本的にクリーン〜クランチ・サウンドで鳴らしている。
Others

アンプの前にはヘラジカ、トナカイ、馬のぬいぐるみが置かれていた。これは20年以上前にツアーでアラスカを訪れた際、PAを担当していたスタッフが購入したもの。それ以来、幸運のお守りのようにアンプの側に置くようになり、ビルは“置き忘れると弦が切れたり、何か悪いことが起こる気がするんだよね”とコメント。

ステージ上のテーブルには手動のオルゴールが2つ置かれていた。今回のライブでは使用されなかったが、たまにオルゴールをギターのピックアップに近づけて音を出し、そのサウンドをLine 6 / DL4 MkⅡのLOOPER機能でループさせてランダムなノイズを作り出す。手前のオルゴールの楽曲はアメリカの民謡、「Old MacDonald(ゆかいな牧場)」。
Interview
置き忘れると弦が切れたり、
何か悪いことが起こる気がするんだよね。
アンプはライブ会場によって様々なものを使用していますよね。これまでに色々なモデルを試してきたと思いますが、フェイバリットの1台はありますか?
状況によって好みのアンプはいつも違うんだ。家で演奏したりレコーディングする時は、ギブソンのExplorerという古いモデルを使っている。10インチのスピーカーが1つだけで、フェンダーのツイード・アンプのギブソン版みたいな感じだね。かなりのお気に入りなんだけど、ライブでは少し音量が足りないのがネックかな。
あとはCarrのSportsmanというアンプもかなり好きだね。それからシアトルで会ったジャック・アンダーソンというビルダーが製作したハンドメイドのアンプもあって、気に入っているよ。この2台はサイズが小さくて、12インチのスピーカーが1つだけなのにパワフルなんだ。出力は15WくらいでPrinceton Reverbみたいな感じかな。
ヘラジカ、トナカイ、馬という3体のぬいぐるみがアンプの前に置かれていますね。
これは長年の習慣になってしまっていてね。20年以上前かな? 以前アラスカに行った時、PA担当のクラウディアというスタッフが土産物屋で買ったものなんだ。それからぬいぐるみをアンプの近くに置き始めて、幸運のお守りみたいな感じになっているよ。置き忘れると弦が切れたり、何か悪いことが起こる気がするんだよね。
ステージ上のテーブルには手動のオルゴールが2台置かれていましたが、これはどういった用途で使うのでしょうか?
昨夜のライブでは使わなかったけど、時々ギターのピックアップに近付けて音を拾わせて、ルーパーを使ったトリックをプレイするんだ。きらびやかなサウンドを作り、ランダムなノイズを出すんだよ。
オルゴールの1つは「Old MacDonald(ゆかいな牧場)」ですが、もう1つには何の曲が入っているですか?
何だったか覚えてないな。こういったオルゴールを3〜4つくらい持ってるんだよね。キーが違ったりするんだけど、たまに2つ一緒に鳴らしている。ほとんど使わないけどね。

