90年代頃から長渕剛のレコーディングでメイン・ギターとして活躍するようになった、ビンテージのギブソンJ-45。6月30日に発売された最新ミニ・アルバム『JUST ONE』でも使用された本器だが、詳細を見ていくと謎多き1本でもある。ギター・マガジン2026年8月号「Tsuyoshi Nagabuchi Guitar Collection〜愛用ギター・コレクション」からの特別転載でお届けしよう。
機材解説=冬将軍/編集部 機材撮影=岩佐篤樹
※本記事はギター・マガジン2026年8月号「長渕剛 永遠不滅の詩」から一部抜粋したものです。
1940’s Gibson
J-45
90年代以降の絶対的相棒
今作『JUST ONE』のレコーディングでもメイン・ギターとして活躍し、オールド・ギブソンならではのカラッと乾いた音を鳴らしたJ-45(今作では「とんぼ」、「ざくろ」、「RUN」の3曲で演奏)。
デビュー頃の長渕はヤマハのカスタム・モデル、Tsuyoshi.N Model Made on June 1979(本誌P66〜67に掲載)などを使用していたが、90年代頃から本器がレコーディングでのメインを担うようになり、今では相棒と呼ぶべき、かけがいのない存在になった。その音色は『JAPAN』(1991年)でも確認できるほか、『Captain of the Ship』(1993年)収録の「ガンジス」でも使用されている。
当時LAの楽器店をめぐり入手したというこのギターには謎が多い。
レクタンギュラー・ブリッジやスモール・ピックガード、ヘッドのブロック・ロゴなど40年代後期の特徴を持つが、20フレットの指板は55年頃からの仕様だ。

また、ペグはGOTOH製ロトマチックに変更されているが、入手時から換装されていたものと思われる。なおヘッド裏を見ると、3弦ペグのみカバーがはずれて内部のギアがむき出しになっているのを確認できた。
ちなみに、1997年頃にはこの特徴的なスペックを再現した長渕モデル“1962 J-45 TN”が、当時ギブソンの代理店だった山野楽器オーダーによって限定発売されている。
それほど注目を集めていたこのギターは、『ACOUSTIC 俺の太陽』(1999年)のジャケットにも登場。また、「人間」(1994年)のMVにも本器が登場しており、まだ傷の少なかった頃の様子を確認できる。
出会いから30年あまり、ボディに刻まれた数々の傷は長渕の歴史そのものだ。


Strings
弦はヤマハのコーティング弦、FS50BTを愛用。.012/.016/.025/.032/.042/.052という独自のゲージがポイントだ。

ギター・マガジン2026年8月号
長渕剛 〜永遠不滅の詩〜
2026年7月13日(金)発売
約半世紀にもわたるキャリアの中で、常に初期衝動や反骨精神を絶やさずに、その人生のすべてを懸けて魂の叫びを表現し続けてきた長渕剛。本誌2度目の表紙登場となる今号では、表現者としての覚悟に迫るインタビューを中心に、長年連れ添ってきた思い出の愛器たちもたっぷり紹介。多方面から長渕剛のギター観を掘り下げていこう。
作品データ

New Mini Album
『JUST ONE』
CD ¥2,800(税込)/配信
2026年6月30日発売
―Track List & Guitarists―
1.とんぼ(セルフ・カバー)
AG:長渕剛、EG:椿本匡賜
2.ざくろ(新曲)
AG:長渕剛
3.RUN(セルフ・カバー)
AG:長渕剛、EG:椿本匡賜
4.モカマタリ(新曲)
AG:田口慎二
5.I can still(新曲)
EG:田口慎二
6.乾杯(セルフ・カバー)
EG:田口慎二、西田修大



