取材・文=井戸沼尚也 機材写真=星野俊 デザイン・図版=猪野麻梨奈
1981年のリリース以来、世界中のミュージシャンたちから愛されてきたBOSSのSD-1。そのセッティングと魅力を6人のギタリストに聞き込む本企画の第3弾はandropの佐藤拓也だ。彼のコメントからはSD-1、そしてBOSSへの高い信頼がうかがえる。
TAKUYA’S SETTING
パンキッシュな音が欲しい時に
SD-1を最初に手に入れたのは、andropを始めて3~4年目くらいの頃だったと思います。その当時、バンドの曲調的に大人しい雰囲気の楽曲が多くて、機材もほとんどそれに合わせていたんですけど、たまにパンキッシュな曲をやる時にもっと若々しい音がほしかったんですよ。ハリがあって明るいサウンドといいますか。導入してすぐに狙った音が出せましたね。僕はもともとBOSSが大好きで、初めて買ったエフェクターがBD-2だったんです。だからSD-1でも問題なく欲しい音が出せるだろうなという確信がありましたし、やっぱりコントロールがシンプルで使いやすいのがいいですよね。
使い方としては、音が腰高にならないようにTONEを少し絞っています。それで、パンキッシュな歪みを作りたい時はDRIVEを12時に、ブースター的に使いたい時にはDRIVEを9時くらいまで下げます。SD-1は「Pray」という曲で使っているので、この曲が入っているライブ音源、例えば『LIVE DVD & Blu-ray one-man live 2014 at 国立代々木競技場・第一体育館』でその音が聴けますよ。価格的にも手が届きやすいので若いプレイヤーにもオススメできますし、若々しい音がほしいベテランにもいいですよね。とにかく、SD-1は定番ですし、使えば絶対に裏切られない感じがします。
PROFILE
さとう・たくや●愛知県出身。2008年結成、2011年にメジャー・デビューしたロック・バンド、andropのギタリスト。楽曲によっては鍵盤も担当。高い演奏技術と、アナログとデジタルを融合させた綿密なサウンド・メイクを得意とする。
LAST RELEASE
『C』androp
デジタル配信
本記事は『ギター・マガジン2020年9月号』にも掲載されています。表紙巻頭特集は「シティ・ポップと夏。〜とろける極上ギター・ソロ篇」。ぜひチェックしてみて下さい!