ここでは、末原名人がギター・マガジンに残してくれた数多くの名企画からいくつか厳選して紹介していきたい。バックナンバーをお持ちの方は一緒に振り返りつつ、現在でも販売中のムックや末原さんの作品なども、ぜひチェックしてほしい。
末原名人の“名仕事”
名物企画、〇〇〇サウンド再現!
なんと言っても末原名人にしかできない企画がこれだ。前頁でも書いたとおり、サウンドはもちろん、〇〇〇風フレーズのクオリティの高さは目を見張るものがあった。
ビートルズの再現音源の制作時は、納得のいくまでやり直しを重ね、レコーディングは深夜までかかったそうだ。
末原さんが作る音源にいつも編集部は期待を膨らませ、毎回その期待を超えるクオリティのトラックを聴かせてくれた。ビートルズやツェッペリン以外にも、クラプトンやSRVなど、様々なアーティストを再現する万能っぷりには脱帽。
奏法企画もタメになるものばかり
下の画像①は末原さんの初連載“GREAT FINGERS”の初回。最初の課題曲はブレッドの「イフ」だった。アコースティック・ギター1本で名曲をアレンジする本連載が好評で、ここから派生したいくつもの教則本が大ヒットを記録する。
その後、画像②の「エレクトリック・ギターのしらべ」連載も3年間続き、ムック化されて今なお根強い人気を得ている。このほかにも特別企画として様々な奏法企画を担当してもらい、そのレベルの高いアレンジは多くのギタリストに役立ったことだろう。
製品の魅力を引き出す試奏企画
末原名人にはギター、アンプ、エフェクター、ピックアップなど、様々なギター関連機材を試奏してもらった。例えば“ピックアップを17モデル比較する”という難しい試奏企画でも、それぞれの個性を的確に掴む耳の良さを持っていた。機材に関する豊富な知識から、製品が持つ真の魅力を最大限に引き出してくれたことはもちろん、膨大な経験に基づいたコメントは読者の機材選びを大きく助けてくれたはずだ。
ムック・シリーズでも四番バッター
末原名人の凄さを体感するには、ムック本もチェックしてほしい。映像作品ではあるが、『末原名人のアコギ塾』(①②)や、『〜のしらべ』シリーズ(⑦⑧)など、どれもリットーミュージックを代表する商品となった。
また、『歪みエフェクター・ブック』(⑤)や『CDで聴くアンプ・ブック』(⑥)などでは機材に対する深い洞察力がわかるはず。ほかにも『ソロ・ギターで奏でる至福のリラクゼーション曲集』(③)や『ギター・アレンジの三ヵ条』(④)など、幅広い著書を残している。ぜひ書店でチェックしてほしい。
名人のアルバムも要チェック!
ギター・マガジンの付録CDでの演奏ももちろんだが、何と言ってもギターがめちゃくちゃうまい、というのが末原さんの凄さの1つ。
連載“GREAT FINGERS”で取り上げていた『GREAT FINGERS Vol.1』(①)、『GREAT FINGERS Vol.2』(②)では、アコギの表現力とアレンジ力の高さが味わえる。エレキでのロックな側面はバンド作品『Bootleg』(③)、ラスト・ソロ作『BALLAD』(④)をチェックすればOKだ。
ほかにも、河村隆一「Love is…」のシングルにカップリング収録されたソロ・ギター・アレンジなど、ぜひ末原さんの参加作も探して聴いてみてほしい。