“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。今週と来週はTボーン・ウォーカーが再登場! 本連載初回は導入要素が強かったので、今一度本家について語りましょう。今回はストマンのライブ演奏についてお話しします!
文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈
T-ボーンの茶目っ気が味わえるライブ演奏
大スタンダードの道を歩んだ「ストーミー・マンデイ」。Tボーン・ウォーカー自身も、その後何度も録音。スタジオ、ライブ合わせて10個以上のバージョンが存在する。まずは盛り上がること必至のライブ録音について。
1962年、アメリカン・フォーク・ブルース・フェスティヴァル(AFBF)の一員として渡欧。イギリス、フランスでの録音に“ストマン”が残っているが、荒っぽく、大胆なコード・カッティング・ソロも聴かせる。
一方、ジャズ人脈とも共演したバージョンが、ウォルター・ビショップJr.(p)らとの『We Love The Blues』(1965年)に残されているほか、66、67年のノーマン・グランツが主宰した“ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック”へのゲスト参加が、パブロ盤の『The Greatest Jazz Concert In The World』(1975年)と『J.A.T.P. In London, 1969』(←録音年を間違えたミス・タイトル/リリースは1989年)で聴ける。『We Love〜』では、ジョニー・ホッジズにソロを回したあと、ほかの曲を歌い、終わってしまう。J.A.T.P.への客演ではギターで「ブルース・イン・ザ・ナイト」のメロディを弾いたりする。ジャズ・ファン向け?
チェスのコンピ『Blues Avalanche』収録の72年、モントルー・ジャズ祭での演奏はケッサクだ。マディ・ウォーターズのステージに呼び出され、マディが歌う「ストマン」にギターでばっちり絡んでみせるが、Tボーンにマイクが渡されると、別な曲を歌うという偏屈ぶり(笑)。最後はマディが“Lord have mercy~”で締める。
次週はスタジオ録音編をお届けする。