ストマン伝説、すべての始まりT-ボーン・ウォーカー ストマン伝説、すべての始まりT-ボーン・ウォーカー

ストマン伝説、すべての始まり
T-ボーン・ウォーカー

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えたーー“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。憂鬱な月曜日は「ストーミー・マンデー」で気分を上げて(?)、ブルージィに、時折ジャジィに乗り切りましょう。初回はもちろん、御大=T-ボーン・ウォーカーから!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


洗練された歌とエレキ・ギターの革命
T-ボーンが生み出した永遠のスタンダード

「ストーミー・マンデイ・ブルース」、略して「ストマン」。

セッションで、じゃあ“「ストマン」を”、あるいは“「ストマン進行」で”と言えば通じてしまう、日本ブルース界の4文字省略チャンピオン曲。その実体は、ブルース・スタンダードの世界チャンピオン。

仕事や学校の始まる月曜日、ああ、憂鬱。一般的にblue Mondayと表現されるが、それをさらにストーミーという強い言葉で表現したTボーン・ウォーカー。

正式タイトルは少々長い「Call It Stormy Monday(But Tuseday Is Just as Bad)」。Tボーン以前にも、ビリー・エクスタインの歌う「Stormy Monday Blues」という同名異曲があったが、スタンダード化したのはTボーン版だった。

月曜から木曜まで辛い思いをしながら働き、金曜日に給料を手にし、土曜日は羽目をはずして遊び、日曜は教会でお祈り=どうかあの娘が戻りますように……。一週間を題材に日常を描いた内容、Tボーンのハスキー・ボイスの洗練された歌、そして、この数年前、ブルースの世界を一変させた、エレクトリック・ギター・サウンドが見事に合体。

47年に暮れに発売され、翌48年にビルボードのR&Bチャート5位に。

ここからスタンダードへの道が始まったのだった。