スウィンギーな名カバールー・ロウルズ スウィンギーな名カバールー・ロウルズ

スウィンギーな名カバー
ルー・ロウルズ

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えたーー“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。憂鬱な月曜日は「ストーミー・マンデー」で気分を上げて(?)、ブルージィに、時折ジャジィに乗り切りましょう。第二弾はスウィンギーに歌い上げる名ソウル・シンガー、ルー・ロウルズ。ライブ版で聴ける、ハーブ・エリスによるいぶし銀なバッキングに酔いしれろ!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


サム・クックの盟友が歌い上げる
スウィンギーで楽しげな“ストマン”。

ああ、また月曜日がやってきたよ…。週の始めにため息ひとつ。週末を大いに楽しみつつも、日曜日に、彼女が戻ってくるように教会で祈る「ストーミー・マンデイ・ブルース」。

歌の始まりも、終わりも辛いこの曲、スロー・ナンバーとして誕生したが、それを軽快にスウィングさせたのが、ルー・ロウルズだ。

50年代からゴスペル界隈で活躍し、盟友サム・クックの跡を追い世俗音楽の世界へと足を踏み入れた彼。70~80年代にはフィラデルフィアに乗り込み、ソウル・シンガーとして成功したが、60年代前半は、ジャズとブルースを股にかけ、粋な世界を展開した。

このスウィング・ヴァージョンも、62年にレス・マッキャン・トリオとのコラボから生まれ(『Stormy Monday』収録)、以後ロウルズの十八番となった。

その最初の録音はギターなしのピアノ・トリオなので、ハーブ・エリスも参加した66年のスタジオ・ライヴ『Live!』バージョンをおすすめ。スウィンギーなスモール・コンボに乗って、ロウルズがリッチなバリトン・ボイスを響かせ、3番の歌詞をアレンジし2コーラスに分ける工夫も。歌に応えるエリスのオブリガートやリフも渋く光り、アルバム自体もジャズ・ブルースのライブ名盤として定着した。