ロバート・ジュニア・ロックウッドが日本に残した名演 ロバート・ジュニア・ロックウッドが日本に残した名演

ロバート・ジュニア・ロックウッドが日本に残した名演

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今週はロバート・ジュニア・ロックウッドが日本のステージで残した名演を紹介します。ギターはロックウッドと、シカゴ・ブルースの名バイ・プレイヤー=ルイス・マイヤーズのふたり。“ライブ・イン・ジャパン”の奇跡、ぜひ追体験してみて下さい!! なお、音源がサブスクリプション・サービスなどにないので、自力で盤を探す or YouTubeなどで検索してみてほしい。

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


『Blues Live!』(1975/Trio Records)
Robert Jr. Lockwood & The Aces

ストマンを別次元へ
ロックウッドの独創的な神プレイ!

1974年11月に開催された、第1回ブルース・フェスティバル。日本のブルース史において、マイルストーンともなったコンサートだ。

熱いファンに支えられ、その時に録音されたロバート・ジュニア・ロックウッド&エイシズの『ブルース・ライヴ!』は、日本が世界に誇るライブ・アルバムとなり、のちにアメリカでも発売されたほどである。

LPで言えば、そのB面1曲目が「ストーミー・マンデイ」。コード・イントロを弾きながら“G!”とキーを伝えるロックウッドの声。そして、いきなり倍テンで始まるギター・フレーズ。独創的としかいいようのない、ロックウッドの神プレイ! 

間奏も、若干指がもつれ気味な部分があるが、和音や9thコードを崩したトレモロ・ピッキングなど、これまた全編ロックウッド印。トレモロ・アームも使ったコード・ワークも“ならでは”だし、歌の渋さは折り紙つき。

唯一、もうひとりのギター、ルイス・マイヤーズの弾くコードがロックウッドとぶつかりまくる点が残念だが、スタンダードに新たな命を吹き込んだロックウッド・バージョンは、個人的には「ストマン」ベスト5入り。オリジナリティとはこういうことだ、と教えてくれる。

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